Aぇ! group佐野晶哉 「心の底から“好きです”と言えちゃったんです」

ABCテレビ・テレビ朝日系列にて放送中の連続ドラマ「離婚後夜」で、主人公の大学生・宝条伊織を演じる佐野晶哉、伊織が一途に恋するヒロインの新人作家・金織香帆を演じる久保田紗友、香帆のモラハラ夫・真也を演じる長谷川慎へのインタビュー前編をお届けします。印象に残っているシーンや台詞を語り合ううちに、それぞれの役柄への愛情が溢れ出て……!

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ーー第1話での、長谷川さん演じる真也の「性格が悪すぎる!」と、眉間にシワが寄ってしまいました……。

佐野 (演じた)本人の前で!(笑)

長谷川 第1話(の真也)はヤバいですよね。(笑)

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ーー1年前は香帆と仲良しだったから結婚したんですよね? この1年間にいったい何があったんだろう? といろいろ想像しました。

久保田 多分、仕事(のストレス)ですよね? もう少し話が進んでから、真也が「誰よりも頑張ってきたのに」と弱音を吐露する姿にグッときちゃいました。あの時の、長谷川さんの瞳がすごく素敵でした。

長谷川 ありがとうございます。仕事が原因というのはありますよね。あと、(第1話で)真也が同僚のリュウジ(比嘉秀海)に「(香帆は)愛情表現乏しいし」と冗談めかして言う台詞があるんですけど、多分あれは本音で。香帆は真也に「好き」とか言わなかったんじゃないかな。

久保田 香帆は行動で愛情を伝えているつもりだったんだと思う。

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ーー完璧な家事で愛情を伝えたのですね。愛情って言葉で伝えないとダメなのでしょうか……。

長谷川 言葉で伝えづらい雰囲気を真也が作っていたところもあるんですよね。そういう不満が積み重なって、どんどん溝ができて、あんなことになっちゃって……。

久保田 寂しかったんだね、真也。

長谷川 真也は結構“寂しがり”なんです。

佐野 真也、可愛い。

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ーー佐野さん演じる伊織はシンプルに可愛いですね!

佐野 はい、そうなんです。(笑)

長谷川 そもそも佐野くんが、わんちゃんのような雰囲気を出してるから。子犬みたいな笑顔で、優しいオーラがずっと出てる。

久保田 たしかに佐野さんはわんちゃん感がありますね。大型犬、ゴールデンレトリバー感があります。可愛らしくて笑顔が素敵です。

佐野 ありがとうございます!

久保田 この3人(伊織、香帆、真也)はみんな生き方が下手なところが共通してますよね。

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ーー自己評価が低い香帆と、弱いところを見せられない真也はたしかにそう思いますが、伊織もですか?

佐野 下手くそですねー。伊織を演じながら「下手くそやな、こいつ」と思ってました。どのシーンを見ても常に余裕がないし。今言わなくてもいいような愛の言葉を「今じゃないやろ」というタイミングで言うし、下手くそな遠回りをして伝えるし。ものすごくストレートに言うときもあるんやけど、なんかそれも下手くそやし。でもその下手くそさが香帆さんの人生を救っている部分もあるんやろうなって。

久保田 真也がダイレクトに言ってくれなかったから、素直に気持ちを伝えてくれる伊織くんに香帆の気持ちが揺れたんだろうな、と思います。

佐野 でも、難しかったです。第1話の「コーヒーの花の花言葉は『一緒に休みましょう』、だそうですよ」「豆知識です…なーんて」という伊織の台詞も、僕の普段の感じで言うと、伊織が余裕のある、これが初恋じゃないような感じになってしまって。雨の中、目に涙を溜めて、閉店間際の行きつけのカフェに来てくれた、絶対に「何かあったな」という気になっている女性に対して、必死さやガムシャラさを隠しながら、でも言ってる内容はクサくて。この台詞を表現するのは、すごく難しかったですが、大好きな台詞です。

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ーーそんな風に、演じてみて「いいな」「素敵だな」と思った台詞、やりとり、シーンを教えていただけますか?

佐野 「伊織くんすごいね」「俺は、小説を書けるほうがすごいなって思ってます・・・褒めあっちゃいましたね」などの、伊織と香帆のやりとり、めっちゃよくないですか?

久保田 いいよね!

佐野 こういう風に褒めあう関係性の人が、実際にたくさんほしいです。

長谷川 2人の微笑ましいやりとりを台本で読んで、羨ましかったです。真也は香帆に対する態度がずっと悪いので。だからこそ、香帆と仲が良かった頃の回想シーンの撮影はすごく楽しめました。一緒にゲームをしたりして。

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佐野 わー、そこ(見るの)楽しみ!

長谷川 お互いに顔を合わせてニコッみたいな。

久保田 楽しかったんですけど、あの段階でちょっと予兆があるんですよ。真也が後のモラハラ夫になっていくという。(笑)

長谷川 結構出てるよね。「こいつ危ないぞ」という芽生えが。(笑)

久保田 うん、出てる。そのギャップというか、アメとムチみたいな接し方に負けちゃう女の子って実際にいっぱいいるんだろうな、と感じました。

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長谷川 演じるときは世間がイメージする“ザ・モラハラ”に縛られたくなかったので、モラハラに関する情報を入れすぎないようにしました。香帆をしっかり愛していることを意識して、香帆の顔を見て湧き上がってくる感情を大切に、監督に毎シーン相談しながら作り上げていきました。

久保田 モラハラ夫になってからの真也とのシーンは、思い出せないくらい追い詰められました……。

長谷川 わかる。真也は基本的に攻撃的な台詞ばかりだったから、脳が忘れようとしているのか、僕も記憶にない。(笑)

久保田 私は基本的に受け芝居でしたが、真也は常に発する側だったので、長谷川さんはエネルギーの放出が大変だったと思います。

長谷川 真也と香帆のシーンは3〜4日間くらいで撮ったんですけど、香帆に対してモラハラした次のシーンで1年前のラブラブシーンを撮ったりして。僕自身は怒りの感情がバッと上がるタイプではないし、なんなら結構ゆったりしているタイプなので、1日の中での感情の激しい上げ下げはたしかに大変でした。

佐野 そっか……。

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長谷川 不倫相手のアカリに、「あんたが捨てたんじゃなくて、捨てられたんじゃない?」って、香帆のことを言われたときもすっごいムカついて。その後の何も言い返せない“間”も、本当に湧き上がってくるものがありました。自分が惨めというか。あの瞬間に、より真也になれたというか、ハッとさせられるものがありました。

ーーそのシーンの長谷川さんの表情に注目します!

久保田 役者として、演じていてやりがいを感じた瞬間は真也とのシーンでもたくさんありました。でも今「いいシーンだったな」と思い浮かぶのはやっぱり、伊織くんと笑いあっているシーンになりますね。

佐野 やったー!

久保田 香帆にとって「こういう幸せがずっと続いたらいいのにな」と思うシーンがたくさんありました。

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ーー特に幸せを感じたシーンは?

久保田 2人でご飯を食べてるときに、伊織くんが「近い将来のために(サインの)練習しましょう」と言い出して。

佐野 そこでミニコントみたいなやりとりをしましたね!

久保田 「サインお願いします」「お名前は?」みたいな。すごくほっこりしました。

佐野 俺もそのシーンの空気感が大好きです。

久保田 2人がその瞬間を大切にしていることがお互いに伝わり合っていて、空気感が超絶平和だったよね。

佐野 (長谷川に)あ! すいません、なんか……。(笑)

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長谷川 いえいえ。(笑)そうやって2人の関係値が出来上がっていったんだなというのは、佐野くんと唯一一緒にお芝居をしたシーンで感じました。ストーリーのクライマックスで、撮影スケジュールにおいてもオーラス(最終日)で。佐野くんの表情や台詞の一つ一つから、「目の前に伊織がいる!」と感じましたし、香帆との思い出を振り返りながら熱くお芝居をされていることに胸を打たれました。香帆と伊織として2人が、真剣に向き合って撮影を乗り越えてきた結束感も伝わってきて。すごく濃密で、真也としても僕としても色々と感じることができたシーンです。

佐野 そのシーンで、俺が結構な熱量で真也さんにぶつかっていったら、真也さんからすごく冷静にある台詞を言われて、太刀打ちできへんような感じになって。原作と台本を読んで、一読者として「真也よりも伊織を選んだ方が絶対に幸せになるやん」と思ってたのに。今回の撮影を通して、自分でも思ったことのない感情になることがすごく多くて。原作を読んだときは、香帆さんが結婚してるって知ってるのに「好きです」なんて告白できへんやろって思ったけど、香帆さんが真也さんと離婚したことを知らない段階での告白のシーンでも、心の底から「好きです」と言えちゃったんです。伊織のがむしゃらさやここまでのピュアさは俺にはない部分だから、伊織を通していろんな感情を経験できて幸せな撮影期間でした。

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(後編へ続く)

佐野晶哉さん

ヘアメイク/yuka(JOUER)  スタイリスト/寒河江健(Emina)

久保田紗友さん

ヘアメイク/岩田美香(モッズ・ヘア) スタイリスト/小林新 (UM)

衣装協力=シャツ、ワンピース(ともにアキコアオキ)、ネックレス(カレワラ )、その他スタイリスト私物

長谷川慎さん

ヘアメイク/Aki (KIND) スタイリスト/吉田ケイスケ

【第2話あらすじ】

「離婚、しよっか」深く悲しみながらも、離婚を決意した香帆(久保田紗友)。思い返していたのは、1年ほど前に真也(長谷川慎)から「結婚する?」と持ち掛けられたときに、うれしくて泣いてしまった日のことだった――。

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香帆は、しばらく休んでいた小説を執筆する決意を新たにし、新しく住む家を探し始めるのだった。

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伊織(佐野晶哉)は、しばらくカフェに来ない香帆のことばかり考えていた。ある日のバイトの帰り道、香帆の姿を見つけると、思わず声をかけてしまう。いつもとは違う香帆の様子に気づきながらも踏み込めないでいた伊織だったが、思い切って食事に誘うことに。

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慣れない空間に、戸惑う二人だったが、やがて香帆が駆け出しの小説家であることを打ち明けると話は盛り上がり、香帆がみせる笑顔に伊織は嬉しくなるのだった。連絡先を交換すると、伊織は喜びをかみしめながら帰路に着く。

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その一方で、住む家が決まるまで、真也と一緒に暮らすことをお願いしていた香帆。しかしその夜、真也は不倫相手のアカリ(川津明日香)と一緒に香帆の待つ家へ…。

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ドラマ「離婚後夜」は、ABCテレビで毎週日曜深夜0時10分、テレビ朝日では毎週土曜深夜2時30分放送。放送終了後、TVer・FODで見逃し配信。

番組情報

離婚後夜
ABCテレビ 10月13日(日)スタート毎週日曜深夜0時10分 /テレビ朝日(関東)10月12日(土)スタート毎週土曜深夜2時30分

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