力を合わせてスポーツの試合に勝利したかのような爽快感と満足感と達成感をセックスで味わう二人。こうしてフリフレ関係はひとまず完成する…のだが!? >『こういうのがいい』第3話

Ⓒ双龍/集英社・ABC

縛のない自由な男女の関係・フリーダムフレンド(=フリフレ)、村田元気(西山潤)と江口友香(田中美麗)のちょっとエッチでゆるい日常を描く連続ドラマ「こういうのがいい」。第3話の『2人だけどひとり、1人だけどふたり』は、2話で描かれた友香の部屋での営みの直後に、2人でシャワーを浴びているシーンから始まった。

力を合わせてスポーツの試合に勝利したかのような爽快感と満足感、達成感に包まれながら、ガシガシと髪や体を洗っている2人。「最初より燃えた」「回数重ねると、お互いの本性、出始めない~?」「それあるわ〜」という会話を笑顔で交わしながら、水をかけたり乳首をつまんだりと、それはそれは楽しそうである。

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このエピソードで描かれるのは、一つの部屋で過ごしていても、お互いに自由でいられる村田と友香の相性の良さだ。もちろん初めてのお泊りということもあり、お互いに探り探りの気遣いや当たり前の礼儀はある。特にお邪魔している側の村田は、何かをしてもらうたびに必ずお礼の言葉を言い、何かをするときのお断りも忘れない。

友香も家主だからといって傍若無人に振る舞うことはない。2人の出会いのきっかけとなったオンラインゲームをやるときも、「ちょっと、イベクエやってよいかね?」と声をかける。そこで村田が「えー! 俺も一緒にやりたいのに!」などとダダをこねたら友香は失望しただろう。しかし村田は「もちろん、お気遣いなく」と返事をし、「俺もちょっと仕事するわ」と持参したノートパソコンを開く。さすが、在宅のフリーエンジニアだ。

同じ空間で各々が自分の好きなことを気兼ねなくできる、「こういうのがいい」関係。第1話と第2話ではテンポの早い会話劇で2人の波長が合っていく過程を見せたが、この話では会話をだいぶ間引き、ゆるくて心地のいい空気感で、フリフレ関係のひとまずの完成を表現する。

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続く『村田の過去を知る女』は、村田と友香に恋する人物が登場する、今後の波乱を予感させるエピソードだ。

お泊りした翌朝、村田はデータ復旧のトラブルシューターとしてオフィス出社を要請される。気が乗らない様子の村田をオフィスで待ち構えているのは、美人上司の今下伊好(岸明日香)。彼女の視線、距離の近さ、仕草、食事の誘いの切り出し方などから村田への好意がだだ漏れているが、恋愛に凝りている村田は、部下として100点満点のやり方で受け流す。

友香にも、後輩バイトの犬系男子・伊藤寿哉(青山凌大)から熱い視線が注がれていた。シフトの穴埋めをしてくれたお礼にと、伊藤が友香を食事に誘うが、友香は接客に忙しく、他意なしに聞き流す。

村田と友香の3回目の逢瀬は、村田の部屋だ。「おじゃましまんころがし」と部屋に上がり、さっそく始まる営みのシーンを浴室のすりガラス越しに捉え、友香の喘ぎ声で想像力をかきたてる。おそらくあらぬ体位で村田と一所懸命に行為をしている友香が、すりガラスに手のひらや頬を押し付けるショットに、ゾンビ映画へのオマージュを感じるのは気のせいだろうか……。もはや清々しく笑ってしまう、次週はどんなシチュエーションでどんな体位で?と楽しみになるほどだ。

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「風呂っクス」(by友香)後、スポーツドリンクをプッハー! っと飲む2人。やはり彼らにとって、セックスは心身の健康に欠かせないスポーツに類するものなのかもしれない。そこに同時にLINEが届き、村田は伊好から予算2〜3万円の寿司屋に、友香は伊藤から予算1〜1.5万円のフレンチに誘われる。それぞれの理由でため息をつくと同時に腹が鳴る2人。「冷蔵庫見ていい?」と友香が作った料理は、賞味期限ギリギリの牛肉を使った、レンチンごはんの上に盛り付けた牛丼だ。思わず「こういうのがいい」というナレーションが脳内で再生された。

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2人のフリフレ関係は、彼らに恋愛感情をまっすぐに向ける第三者の出現によりどう変化していくのか? 第4話が気になる!

〈文・須永貴子〉

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