したいときに、したいことをする――そんなフリフレのフリフレたる所以をぎゅっと凝縮! 最後の最後まで遊び心を効かせた『こういうのがいい』は最終話も必見!

Ⓒ双龍/集英社・ABC

村田元気(西山潤)と江口友香(田中美麗)の、したい時にしたい事をする「フリフレ(フリーダムフレンド)」関係を描くドラマ「こういうのがいい」。第8話はいよいよ最終回である。

エピソード『自己評価と他己評価のギャップ』は、村田と友香がお互いに伝えていなかった特技や才能が明らかになる。村田の特技はギター、友香の才能は第7話で描かれていた覆面キャラ「ももんば」でのゲーム実況だ。ももんばの登録者数はなんと8.6万人! ファミレスのバイトしかしていないのに、だから余裕のある暮らしができていたのか…と村田の疑問が解消された。

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ギター歴7年の村田の腕前もかなりのものだった。バンドマンはモテる(遊んでいる)という説を前提に、友香は「さぞおモテになられたでしょう?」と聞くが、村田は謙遜ではなくガチで否定する。仕事ができて、気配りができて、見栄えが良くて、ギターも弾ける。そりゃあモテないわけがない。村田は自己評価が低いというよりも、友香の「君は意外と“鈍感”だからね〜、気付いてないだけかもだぜ」という分析が正解だろう。

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配信コメントで「太った」と言われ、実際に体重が増えていたことを打ち明けると、村田は「そのコメントした奴は何もわかってないな。俺はむしろ最高だと思っている。じゃなきゃ、毎回何度も何度もできないよ」といつになく情熱的に訴えかける。実は村田はムッチリも好きだったのだ。コンプレックスを全肯定するどころか絶賛する村田に、嬉しくて思わず飛びかかる友香。2人のキスは今までにないくらい甘くて長い。

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『慣れても飽きないふたり』では、「おセッセ(by友香)」を終えた2人がベランダで夜風を浴びながらお喋りをする。友香が「モテ男とフリフレ、最高〜!」という優越感を感じるおセッセだったと言うと、村田も「人気ゲーム実況者とフリフレなんて贅沢だな〜って」と思いを伝える。ゲームができれば誰でも配信できると謙遜する友香に、「できないよ。話も面白くて明るい気分にさせてくれる。今の世の中に絶対必要で貴重な存在だよ。すごいよ友香は」と、またしても友香を絶賛する。友香は喜びに溢れた表情で、再びキスをする。

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第7話と第8話の監督は雨宮由依。今どき「女性ならではの」という枕詞はナンセンスだが、2人のキスシーンの丁寧な撮り方や、友香をとにかく可愛く撮る手腕、肌の露出と友香の喘ぎ声を抑えめにすることで逆にエロスを強調する演出から、彼女の美学が伝わってきた。本作のフィナーレを飾る“おセッセ”は、第5話で共有した「野外露出プレイに興味あり」という伏線を回収する形になっている。

改めて、村田と友香が「フリフレ」というWin-Winな関係を築くことができた理由を整理してみた。

・2人とも束縛系の恋愛に懲りたタイミングで出逢った

・2人ともセックスが好き

・共通の趣味がある(出会いがオンラインゲームのオフ会)

・それぞれが一人暮らしで、経済的に自立し、自律した生活ができている

・行動範囲が重なっている(住まいは二駅隣、友香のバイト先が村田の家の近所)

・ひとり時間を楽しめる

・人一倍の気遣いができる

要するに、人間として成熟している人たちが築ける関係がフリフレなのだろう。

おセッセ後、友香にジムをやめてほしいとリクエストする村田に驚かされた。いくらむっちり体型が好きだとはいえ、他者を尊重する村田らしくない言動だ。もしも2人が恋人同士だったら、相手色に染まるタイプの友香は言うことを聞いてジムに行くのを止めただろう。しかし2人はフリフレ同士。友香は(自分のために)ジムを続けると宣言した。このやりとりに、フリフレのフリフレたる所以が凝縮されている。

村田の「とりあえず、今はこんな感じかな」というセリフでドラマは幕を閉じた……と思ったら、1年後に村田と友香が地球の危機を救うために立ち向かうという、Season2の予告風のおまけが付いていた。双龍の原作は現在も連載中なので、また2人に会える日に期待したい。個人的には、村田の上司の今下伊好(岸明日香)が、エロく、そしてキュートに村田に迫る姿をまた見たい!

(文・須永貴子)

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