「●●ちゃん」ついに完結! 性に悩めるヒロインたちが辿り着いた唯一無二のハッピーエンドとは

©️ABCテレビ

『●●ちゃん』は、アラサー女性の性の悩みと本音を赤裸々に描いた新感覚のドラマシリーズ。タイトルの『●●』に入るテーマのヒロイン別に、オムニバス形式で物語が構成される。第一章は増田有華が主人公を演じる“セックス”ちゃん、第二章は秋山ゆずきによる“高学歴”ちゃん、第三章は大久保桜子による“不倫”ちゃんとなっている。

©️ABCテレビ

10月22日に放送された第8話は、第三章・不倫ちゃんの後編にしてドラマの最終回。成柴商事で受付をしている真湖(大久保)は、独身の黒川(田村健太郎)と出会い恋に落ち、不倫をきっぱりとやめる決意をする。本気でお付き合いを始めようとするも、黒川にはすでに3人のパートナーがいた。真湖は4人目“スペシャル”枠として黒川流の付き合いに参戦しようと奮起する。

黒川+真湖を含む4人の女性=計5人の男女は、一つ屋根の下に暮らす。真湖以外の4人はその関係に満足がいっているようだが、真湖にとっては初めて尽くし。黒川が別の女性とデートに行っている間はずっとやきもきしつつ、心の中で「自分はスペシャルだから…」と言い聞かせることで平常心を保とうとする。しかし、寂しい感情と独占欲に苛まれた真湖は、ついに自分の限界と対峙することになる。

©️ABCテレビ

慣れない付き合いのひずみにより、黒川と価値観の違いを話し合い真湖は別れを決意する。1対1ではない付き合い方について、「ごめんなさい、やっぱりダメでした。あなたの考えは理解できそうにないです」と、きっぱりと黒川に伝える真湖の表情からは、不倫をしていたときのこずるい感じがすっかり消えていた。続けて、真湖は「今まで自分に自信が持てなくて人に合わせてた。だけどあなたは私のことをちゃんと見てくれて、こんなに愛されたって自分に自信が持てた」と晴れやかな表情で黒川に伝えるのだ。

真湖は、大好きな黒川のために初めて相手と正面から向き合うことに挑戦し、傷つくことも辞さない努力をした。トライアンドエラーのおかげで、無理をして相手に合わせることよりも、自分の気持ちを大事にすることの重要さに気づく。だからこそ、これまで選ぶことができなかった“自分”を選ぶという選択ができたのだ。

誰かに求められることで自己を満たしていた真湖は、黒川との付き合いを経て、自分の人生や思いを自分で見つめて肯定できるようになり、明らかに強くなった。そしてそれは“セックスちゃん”として生きていた史恵(増田)も、“高学歴ちゃん”として生きていた貴子(秋山)も同様だったことが最終回で明かされる。ラストシーンで、3人は「私は私のことが大好き!」と異口同音に叫ぶ。

©️ABCテレビ

自分にぴったりの男性に出会ったから「幸せになりました!おしまい」という予定調和なエンディングとは一味も二味も違う。彼女たちが自己愛という結論に結びついたことこそ、このドラマの一貫したメッセージテーマだった。『●●ちゃん』が伝えてくれた自分軸の大切さを心に掲げていれば、他人の目が気になる世知辛い現代も乗り超えていける――3人の成長と生きる力から、そんな心強いヒントをもらえたドラマだった。

ドラマ『●●ちゃん』はDMM TVにて同時独占配信。TVerにて見逃し配信あり。

(文・赤山恭子)

 

関連記事

おすすめ記事 おすすめ記事