「●●ちゃん」第6話 詐欺男撃退で描かれた友情を超越した “絆”「カメ止め」オマージュも!?

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『●●ちゃん』は、アラサー女性の性の悩みと本音を赤裸々に描いた新感覚のドラマシリーズ。タイトルの『●●』に入るテーマのヒロイン別に、オムニバス形式で物語が構成される。第一章は増田有華が主人公を演じる“セックス”ちゃん、第二章は秋山ゆずきによる“高学歴”ちゃん、第三章は大久保桜子による“不倫”ちゃんとなっている。

10月1日に放送された第6話は、第二章・高学歴ちゃんの後編。東京大学卒業という華やかな学歴が逆コンプレックスとなっていた宮田貴子(秋山)は、起業塾でMIT卒の超エリート・佐々木爽介(山下航平)と出会い、すぐに恋に落ちる。「一緒に起業しよう」と夢のような話をもちかける佐々木の話を鵜呑みにした貴子は、初期出資の200万を振り込むのだ。しかし、その後、起業塾のメンバーが佐々木と連絡がつかなくなり事態は急変。振り込んで以降、貴子も佐々木とは音信不通だったので胸騒ぎが止まらなくなる。

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待ち焦がれていた「運命の人」だと佐々木のことを信じ込み、すぐにお金を渡してしまった貴子の浅はかさは当然否めないのだが、こうした色恋営業じみたせこい詐欺をする佐々木のような人間に、やはり猛烈な嫌悪感を覚えてしまう。「私が…騙された?」と打ちひしがれる貴子のことを「こんなにころっと騙されてしまって…」と遠巻きに見ようとするも、一度フィルターがかかってしまうと恋心は止められないもの。そう知っている視聴者は、そこまで他人事と切り離して捉えられないのではないだろうか。

しかし、泣き寝入りしては女がすたる。同僚の史恵(増田有華)・受付の真湖(大久保桜子)の強力なプッシュにより、貴子はリベンジを誓う。史恵がやさしく慰めようとする一方、真湖は冷静にSNSを駆使して音信不通となっていた佐々木のアカウントを突き止める(!)。その手腕は見事なもので、ちゃっかりDMを送り佐々木が主催する異業種交流会に参加する約束まで取り付けたのだ。

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当初は「高卒のくせに」と真湖の存在を下に見ていた貴子だったが、「頑張っている人(貴子)が順当に報われてほしいだけです」と、200万を取り返そうとしてくれる真湖の思いやりと行動力に尊敬の念すら覚えることになる。おそらく学生時代の同級生なら同じグループにはならなかったであろう彼女たちが、年齢・立場・性格の差も乗り越え、友情と呼ぶ以上に尊い形で結託したことは、少し感慨深い。

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そして、会場で高笑いしていた佐々木の息の根を止めようと貴子ら3人が結託するさまは、何とも痛快。佐々木を追い詰める際、貴子たちは起業塾のSNSでライブ中継を行い、振り込み詐欺の回収を行う。ピンチになった佐々木はその場で「おかあさ~ん」と泣き崩れ「カメラを止めろ~!」と訴えるのだ。このセリフ…!貴子を演じている秋山の出世作『カメラを止めるな!』(2017年)のひっかけではないかと、にやりとしてしまった。 次回(10/15放送)からは今回大活躍だった真湖が主人公の第三章“不倫”ちゃんが始まる。常に冷静に男も状況も分析できる真湖が、どのような恋愛をたどるのか、その言動に注目したい。

ドラマ『●●ちゃん』は、ABCテレビで毎週日曜深夜0時55分から放送中。DMM TVにて同時独占配信。TVerにて見逃し配信あり。

(文・赤山恭子)

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