ホストクラブがお客さんにお金を使わせる仕掛け プライド&承認欲求を刺激する「高額売掛(ツケ払い)システム」とは
急増しているホストクラブの「売掛」こと「ツケ払い」によるトラブル……。「悪質なホストクラブの取り締まりを強化したい」と警視庁は考え、国会でもこの問題が議論となっている。客が高額の売掛金を背負う背景とは? ホストクラブに詳しいライターが解説した。
ホストクラブに詳しい現役大学生ライター・佐々木チワワ氏によると、「ホストクラブでは売掛での飲食が一般化している」「客の半数は売掛を利用している」とのこと。では、なぜ売掛が常態化するのか? それには、好きなホストを応援したい客の心理が関係している。
佐々木氏いわく、客側には「売掛を払うまでホストとの関係が続くから嬉しい」「売掛があれば働く意欲が沸く」といった思いがあるという。一方のホストには、「今月はあと少しでランキング1位になれる。とりあえず(客には)売掛してもらって売り上げを上げよう」という思いがあるのだとか。
ホストクラブで客に金を使わせる仕掛けはたくさんある。その日の売り上げが一番多かったホストが営業時間の最後に歌う「ラストソング」、高額シャンパンを注文した客向けの「シャンパンコール」、営業終了後にホストと客が店の外で会う「アフター」、使った金額のアピールになる酒のボトル「飾りボトル」……。客のプライドや承認欲求を絶妙に突いて、結果的に売掛が増えるシステムとなっているのだ。
ちなみに、客が高額な売掛を払えない場合に、本人の意思にかかわらずホストが売春を強制させるケースがある。そんな悪質なホストがいる一方で、「売掛があるけど払わないで逃げよう」と考える悪質な客も存在する。その場合はホストが売掛金を負担することになり、借金を返そうとホストが詐欺といった犯罪に手を染めるケースがある。
被害者を増やさないためにも、佐々木氏は「売掛を安易に勧める店(経営者)を悪質店とみなして取り締まることで、ある程度は健全化されるのではないか」と私見を述べた。とはいえ、政府が規制するにはかなり難しい問題である……。
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「ラストソング」「シャンパンコール」「アフター」「飾りボトル」、そして「売掛システム」。好きな相手に貢ぐ人間の気持ち、あなたは共感できる? ホストクラブのシステムに驚く情報バラエティ番組『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』を無料配信中