「過去を知ることを怖がらんでええよ」 茜の孤独と、空が涙して伝えた言葉に…  日曜よる10時放送中! 堀田真由×萩原利久 この秋一番のピュアラブストーリー「たとえあなたを忘れても」第6話

ドラマ『たとえあなたを忘れても』は、夢を失った女性と記憶を失った男性が気持ちを通じ合わせる、切なくも美しいヒューマンラブストーリー。『神様、もう少しだけ』、『ラスト・フレンズ』などで知られる浅野妙子が執筆する、オリジナル作品となっている。
主人公は、音大を中退しピアニストになる夢を叶えられなかった河野美璃(堀田真由)。美璃は記憶障害のある青木空(萩原利久)に恋心を寄せていたが、一度忘れられてしまった苦しみから、「友達」としてそばに寄り添っていた。断片的に記憶を取り戻した空は、美璃との出会い、そして互いに惹かれ合っていたことを思い出し、二人はやっと想いを通じ合わせるのだった。

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一方、美璃の従兄妹で心療内科勤めの遠山保(風間俊介)の患者・宮下茜(畑芽育)の過去がこの回では明らかになった。3年前、高校生のとき茜は同級生からいじめに遭ったことがきっかけで、マンションから飛び降りてしまっていた。偶然その事実を知った茜は、話してくれず隠していた母の光恵(須藤理彩)と、自分と「友達」と約束してくれた保にも「自分はただ可哀想な子だと思われていたのでは」とショックのあまり不信感を覚えてしまう。

なぜ言ってくれなかったかと迫る茜に、保は「事実を受け入れる強さを身に着けたら話そうと思ってた。(茜は)弱かったかもしれない。でも弱さを受け入れて強くなっていくんだよ」と寄り添おうとする。だが、茜は「何でそんな冷静なん?いつも高みの見物で、先生に私の気持ちなんてわからへんよ!」と気持ちをぶつける。保は医者としても友達としても茜に最善の寄り添いをしていたと思っていたが、それこそが茜にとっては言ってくれなかった事実として壁を感じる出来事だったわけだ。お互いのことを思いやるがゆえのすれ違いが、視聴者の心もヒリつかせる。

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とはいえ、保は茜をそのまま放っておくことはしない。同じく記憶障害があり、つらい過去と向き合い今まさに乗り越えつつある空にヘルプを求めた。自分にはわかりきれないかもしれない気持ちの余白を空に預けた保。空は茜に自分の事情を説明した後で、「つらかったけど思い出せてよかった。いろいろな人が自分のこと支えてくれてたんやってわかった。だから、どんな過去でもそれも自分の一部やし、過去を知ることを怖がらんでええよ」と涙を浮かべながらゆっくりと話す。空の持つ説得力に、茜はその言葉を素直に受け入れる。茜の表情はこれまでの傷ついた瞳から一変、どこか安心したような、少しの晴れやかさをたたえていた。

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空の真摯な言葉は、彼に記憶障害があるからというわけではなく、誰しもに当てはまることではないだろうか。自分のことしか見えないときは、誰もが自分が一番大変で、一番傷ついている人間だと思いがちだ。周りが見えず暗中模索になっているとき、もしくは一人で生きていると思い込んでしまっているときこそ、空の言葉を反芻するべきだろう。少し顔を上げると、誰かや何かが自分を助けてくれているはずなのだから。現に、この回では病院でピアノのミ二コンサートを開き自身のトラウマを乗り越えた美璃にも、同じことが言えた。美璃はプレッシャーのあまりコンサートをやめようとしていたが、空の温かい言葉に励まされ、今の自分を受け入れて一歩進むことができたのだ。

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本作は美璃と空の心が洗われるようなラブストーリーを軸にしながらも、こうして人間の生き方や人と人との関わりについて、改めて考えるきっかけを投げかけてくれる。人間関係も人の気持ちも1+1=2のように答えが決まっているわけではない。人の数だけ心があるからこそ難しいものだが、その分、人と関ることを恐れず心を開くことで、無限に豊かになれる瞬間もあると教えてくれているようだ。

(文・赤山恭子)

 

【放送情報】

毎週日曜よる10時

★放送終了後、TVerで見逃し配信

TVer: https://tver.jp/series/sr2z8fq7fk

第1話~第3話まで一気にご覧いただけます!

番組情報

たとえあなたを忘れても
毎週(日)よる10:00

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