自らの性に違和感を抱えた大学生からの依頼に竹山探偵が真摯に向き合う!心にズシリと響く、親子の「世界一のキャッチボール」!!

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自らの性に違和感を抱えた大学生からの依頼に竹山探偵が真摯に向き合う!

11月3日の放送は、異例の2本立て(通常は3本)でお送りした。そのうちの1本が竹山隆範探偵が調査した『最後の全力投球140キロ』だ。一人の大学生から送られてきた依頼は、深い感動を呼ぶと同時に、生きることの意味や勇気を再認識させてくれる。

依頼は、東京都の大学生(18)から。私は、父がコーチを務める地域の軟式野球部に小学1年生から入部。父と毎日朝練に打ち込んだ結果、中学の野球部ではエースを務めるまでになった。そんな私の成長を父も母もとても喜び、全力で応援してくれていたのだが…。両親には言えない悩みを抱えていた。それは、「自分の体と心の性に対する違和感」。「野球が上手くなる、イコール男性的な肉体になること」に耐え切れず、中学3年の時に不登校となり、自分の部屋に閉じこもった。しかし、父や母、担任の先生や野球部の仲間に支えられ、徐々に性に対する違和感に折り合いもつくようになり、高校では心も見た目も女性として生活。今年の春からは上京して大学に入学し、再び学内のサークルで野球を始めエースを務めている。一方で…再び筋肉量が増え、体が大きくなっていく現実に耐えられなくなっていて、この先、女性ホルモン投与を考えている。ただ、そうすると体は女性へと近づき、速球を投げることはできなくなる。そこで、男性的な肉体から決別する覚悟を決めるために、私が投げられる最高速度の球は何キロなのか、自分の最高到達点を知りたい。出来ることなら、ピッチャーの夢である140キロが投げられると嬉しい、というものだった。

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竹山探偵は、まずは依頼者を理解するため、自宅にお邪魔してじっくりと話を聞く。依頼者の“そうちゃん”は「男性として生まれた部分は完全に否定したくはないが、性別は言うなれば“人間”」と話し、小学校3年生で自分の性に違和感を持ち始めたと告白する。中学に入ってからも、どこにも当てはまらない自分、極限まで追いつめられての不登校、母親への告白…と様々な苦しみを赤裸々に明かす。そして、「野球だけが超楽しかった」と。

男性的な体から決別するためのキッカケにしたいと、幼い頃から父親と慣れ親しんだ野球で140キロの投球に挑戦!!

そこで竹山探偵は、自身が取材をしてきた、あるVTRを依頼者に見せるのだった。一人目は父親。毎朝、キャッチボールをやっていた父は、“息子”の甲子園出場を夢見ていたと言う。当初は「男じゃない」ということが全く理解できなかったと明かすが、「なぜ、あの子が男のままでいることを求めるのか?!」と長い歳月をかけ自身に問いかけ続けたと打ち明ける。そのVTRを見て涙ぐむ依頼者。2人目は、中学の担任教諭。依頼者の告白を受けた時、頭が真っ白になり「どうやって接すればいいだろう」と感じたという。しかし、依頼者の「クラスのみんなに伝えて欲しい」という思いを受け、子どもたちに伝えると、偏見なく素直に受け入れてくれた。こういう経験が自分を成長させてくれた、と語った。

現在は、武蔵野美術大学に進学し野球サークルに所属。そして思ったことは「今の肉体での最高到達点を知りたい」。実は、この挑戦が終わると女性ホルモン療法を受けようと思っているため、男性的な体と決別する覚悟の契機にしたいと言う。

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そこで助っ人として登場したのは、元プロ野球選手で最速156キロを誇る藤川球児だった。まずはキャッチボールから。すると「今まで受けたアマチュアの子で一番速い。言うことないぐらいすごい」と大絶賛。試しに計測してみれば、126キロを計測。細かいレクチャーを受け、いよいよ最高到達点への挑戦がスタート。大学のチームメイトも応援に駆け付けるなか、キャッチャーを志願したのは父親だった。挑戦は依頼者が納得するまで。ひたすら投げ続け120キロ台を連発するも、20球を超えると球速が落ち始めた。すると、40球を目前にして依頼者が「ラスト3球にします」と宣言。ピッチングに思いの丈をぶつける依頼者と、大好きな野球で支えてきた父親の想いが交錯する人間ドラマが展開され…。

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「100%出せた。何より藤川さんに、こんなに褒められたのがあまりにも嬉しすぎて。でも、それ以上に自分の全力を身近な人に見せられたから爽快!」と依頼者が納得すれば、父親も「今までで一番ええ球やったと思います」と感無量の様子。 親子の「世界一のキャッチボール」が、見る者の胸を熱くする。

心にズシリと響く、親子の「世界一のキャッチボール」!!

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VTR終了後、竹山探偵は「依頼者は『ナイトスクープならTVで自分のことを全て話しても、意味のあるものにしてもらえる』と番組への信頼をいただいた上での依頼だった」と説明。また、お父さんも「世の中の同じ悩みを持つ当事者の方、ご家族の方への何か勇気の一つにでもなればいいのでは」と出演を了承してくれたと言う。

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この日の顧問である映画監督の山崎貴氏は「お父さんも良かったですね。乗り越えていくところが、何かしみじみしました」とコメント。最後に松本局長が「この番組を見てる子どもたちとか、『何か自分は違うぞ』というのがあったら言って欲しいよね。そんなんで親が子どもを嫌いになるわけは絶対にないから」とエールを送った。

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