中国製AIがサイバー攻撃に悪用…1万円以下、最短22秒で侵入 専門家が警告「すでに緊急事態」「郵送のメリットを見直して」

中国製AIの悪用で、企業へのサイバー攻撃が低コスト・短時間で可能になっているという。私たちが日々利用するネットサービスを支える企業は、こうした攻撃からシステムを守れるのか。

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サイバー防衛の専門家・増田幸美氏は、サイバー攻撃について「すでに緊急事態」と警告。高額な最先端AIを用意しなくても、比較的安価なAIを使って攻撃できるようになっていると説明した。

番組では、米マイクロソフトが発表した、ハッカー集団「Storm-0940」による「ARTEX(アルテックス)」の悪用事例を紹介。同社は、この集団が中国政府と関係しているとみており、世界各地の数百の組織を標的に攻撃を自動化したと報告している。一方、中国政府は関係性を否定しているという。

増田氏によると、AIを使ったサイバー攻撃は、わずか25〜50ドル、1万円以下の費用で可能になるという。侵入までの時間は最短22秒だ。

その背景にあるのが、複数のAIへの指示をまとめる「AIハーネス」という仕組みだ。番組で中国国内のセキュリティコンテストで優勝したと紹介されたARTEXもその一つで、攻撃のための作業を細かく分け、比較的安価なAIに振り分ける役割を担うという。

さらに、増田氏が見ている例では、AIは20時間ほど動き続けるという。人間なら食事やトイレのために作業を中断するが、AIにはそうした休憩が必要ない。侵入できる場所を探し、長時間にわたって試行錯誤を続けられる。

こうした状況に、元財務官僚の髙橋洋一氏は、人間だけで対抗するのは速度の面で難しいと指摘。少人数でも多くのAIを使いこなし、防御する必要があるとの考えを示した。

一方、増田氏によると、防御にAIを使っても、システムの弱点を修正できなかったり、修正によってシステムの動き方が変わってしまったりするケースがあるという。攻撃する側のAIもすべての標的で成功するわけではないが、守る側とは求められる条件が異なる。

例えば、システムに100の穴があった場合、攻撃する側はそのうち一つに入り込めればよい。しかし、守る側は100の穴をふさぎ、さらに見つかっていない穴がないかも探し続けなければならない。増田氏は、攻撃側と防御側のこうした「非対称性」が問題だと指摘した。

また増田氏は、「個人がすぐにできるセキュリティ対策」をいくつか提示。その中には【企業は郵送のメリットを見直してください】という項目も。緊急事態が続き、セキュリティ担当者やエンジニアが「疲弊しまくってる状態」の組織が出てきていると説明し、人を守るためにも「すべてのシステムをオンライン化する必要ありましたか? 守る表面積を減らしていただきたい」と企業に提言した。

なお、中国製AIを悪用したサイバー攻撃や防御の難しさについて専門家が解説した模様は、10月31日に生放送された情報バラエティ番組『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』(ABCテレビ)で紹介された。

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