A.B.C-Zの河合郁人とABCテレビのアナウンサー・古川昌希が、大阪府で唯一の村、千早赤阪村にある”千と千尋の神隠しのトンネル“を調査した。美しい棚田のある風景から移動していくと、半そでだと少し肌寒く感じるほど気温が低い山道へ到着。河合が思わず「ココ行くの？」というほどの杉林に二人は戸惑うが、この先にある「千早洞」がまさに今回のテーマとなるトンネルなのだ。

山道を進むと、行く手を倒木が阻んでいたり、虫に襲われたり、「これが府道なの？」と思わせるほどの道なき道が続く。四苦八苦しながら進むと、ついにトンネルを発見。それはまさに”千と千尋の神隠し”に出てくるようなトンネル。だが、道はそこで途切れていた。このトンネルはいったい何のために作られたのか？

トンネルの名前は「千早洞」。レンガ造りの時代背景から明治もしくは大正時代に造られたこと、そして入り口に名前が刻まれている謎の人物「大久保利武」が浮上する。河合郁人と古川昌希アナはトンネルの中を覗くが中は真っ暗。古川アナに驚かされた河合が思わずおしっこを漏らしそうになるほどの暗さだ。

二人は「府道『河内長野千早城跡線』はかつて何かを運ぶためにとても重要な役割を果たした道路で『千早洞』はそのために造られたトンネルだったのでは」とさっそく推理。証拠を得るためにトンネルを後にして周辺の調査へ出かける。すると、出てきたのは車も通れるほどの大きなトンネル。道の名前は「河内長野千早城跡線」。古川アナは「『千早洞』は古くから地元の人たちに使われていた生活道路。しかし、新たなトンネルが造られたためお役御免になったのでは！？」とさらに推理を進める。

ここで、推理の方向性を確認するため、おなじみ、歴史探訪プランナーの森なおみさんに連絡。古川アナが「千早洞」の名前を出すと森さんはあっさり「新しいトンネルできて使われなくなったとこですね」と二人の推理を先読み。さらに「千早洞」は100年以上前の大正6年に造られたトンネルで、森さんが「絶対に残さなくてはいけない」と思っている「とっても貴重なトンネル」だという。また「日本を変えた歴史上の人物と深い関わりがある」そうで、先ほどトンネルに名前が刻まれていた「大久保利武」は当時の大阪府知事だと明かす。とはいえ、府知事がわざわざ山奥のトンネルを造るのに名前を刻むのはただ事ではない。森さんから「今回はそのトンネルが造られた背景を探れたら100点」「ヒントは『K』と『O』」と告げられる。「Ｋ」はある城跡を調査すればわかり、「Ｏ」はその「Ｋ」を徹底的に調べたらおのずと行き着くはずなのだとか。

近くで思いつくお城といえば、千早城しかない！と二人は直行。史跡を調べて千早城が楠木正成の拠点の１つだったことを発見。そこで二人は「K」は楠木正成で間違いないと踏み「O」を探るため「楠公誕生地」へ向かう。現地の案内板によると、なんと、「楠公誕生地」の碑を建てるよう命じたのが明治維新の中心人物、大久保利通であると判明。なんでも、この地を訪れた際に荒れ果てていた様子を見て「日本の歴史を変えた偉大な人物の誕生地がコレではいかん！」と整備させたのだとか。更に古川アナは「大久保利通」の息子が「大久保利武」ではないかと推測。

最終的に二人で出した結論は「千早城をちゃんといろんな人に見てほしい、ということでその千早城にアクセスするための道として『千早洞』を整備した。はては自分で書まで書いたのではないか。つまり『Ｋ』は楠木正成、『Ｏ』は大久保利通・利武親子」というもの。

果たして、６週連続「０点」とず～っと連敗中の二人だったが、気になる結果はなんと「100点」！森さんも「素晴らしくて聞き入った」というほどの完璧な推理でついに連敗を脱出した。

森さんに更に詳しく聞くと「千早洞を造った目的は『山奥の集落へのアクセスを良くするため』というのはもちろんあるが、郷土資料館の事務局長いわく『当時の大阪府知事・大久保利武は、父『利通』の思いも背負って豪華なトンネルを造ったのでは…」と何とも深みのあるエピソード。実は千早洞は「日本の近代土木遺産」として大切に残されているのだった。

A.B.C-Z・河合郁人＆古川昌希アナが調査した「”千と千尋の神隠しのトンネル”の謎」は「news おかえり　古川×河合のなんでやねん!?」で放送しました。（ABCテレビ「news おかえり」毎週(月)～(金)午後３時４5分　関西地区で放送/ TVer見逃し配信あり）