星付きのシェフだから勝てるわけではない 下剋上が起こせるし 勝てば勝つほど見える景色が変わってくる大会 ファイナリスト 久保貴シェフ

「CHEF-1グランプリ2024」は現在エントリー受付中だが、前回大会「CHEF-1グランプリ2023」で決勝へ進んだファイナリストシェフ4名のうち、自ら「意識が大きく変わった」と語るのは、パティシエとしても活躍する愛媛の鬼才イタリアンシェフ・久保貴だ。

ジャンル別予選では「エビのショートケーキ」という一皿で審査員・神田裕行(※ 17年連続三つ星「日本料理かんだ」店主)の舌を唸らせた驚きの発想力の持ち主だ。決勝ではパティシエの技とイタリアンの技巧で衣の中にソースを閉じ込めた料理を披露した。

久保シェフが大会へ出た理由は何だったのか? 出場して何が変わったのか? 「CHEF-1グランプリ」の魅力などを聞いた。前後編のインタビュー前編。

©️CHEF-1グランプリ2024

「自分は何をしているんだろう?」と奮い立った

――『CHEF-1グランプリ』に出場して、一番変わったなと思うことはなんですか?

久保 一番変わったのは、料理に対する僕自身の意識ですね。格段に向上したと思っています。大会に参加する前は「(料理って)ほどほどでいいかな」と思っていたところがあるんです。もともと第1回大会の『DRAGON CHEF 2021』を見て目を覚まされて、翌年の『CHEF-1グランプリ2022』に参加しました。「ちゃんと料理に向き合わなきゃいけないな」と改めて考え直すきっかけになりました。料理に対する情熱を取り戻させてもらったと思っています。

――『DRAGON CHEF 2021』を見てどのように目が覚めたのですか?

久保 地元の愛媛に帰ってきたとき、僕は料理と少し距離を取りたかった。「もっと気楽に料理できる環境がいいや」って思っていたんです。それが『DRAGON CHEF 2021』で、自分と同世代の山下泰史シェフたちが真剣勝負しているところを見て、「自分は何をしてるんだろう」って感じました。この番組が次回もあれば参加してみようと思ったのが始まりです。

――予選から勝ち上がっていく中で、どんなことが印象に残っていますか?

久保 テーマが「料理に革命を起こせ!」だったので、今までに無いようなものを生み出さないといけなかった。それで何回も何回も試作をして、でも、なかなか自分自身納得できるものは生み出せませんでした。準備して、作り上げて、味見して「イメージと全然違うな」ということが何度もあって、その度に「ダメだ。このままじゃいけない」と自分を奮い立たせて、自分に負けないように、納得できるまでは続けようと思いました。そういう気持ちを持って最後まで臨めた、それが自分の中では1番の収穫でした。

©️CHEF-1グランプリ2024

下剋上が起こりうるのが『CHEF-1グランプリ』

――「革命を起こせ!」というテーマはかなり大変だった?

久保 僕はすごくいいと思っています。『CHEF-1グランプリ』らしいテーマで、他の料理コンペティションでそういうのはない。星付きのシェフだから勝てるわけでもないし、下剋上があり得るので。料理って、季節によって美味しいものとか、美味しい組み合わせってあるし、作る方もお客さんも、どうしてもそれを中心に考えがちです。でもテーマが革命だと、普段自分がやらないようなことにどんどんチャレンジしなくてはいけない。それは『CHEF-1グランプリ』ならではだと思います。

――「革命」と言えば、3回戦で作られた「PURI×PURIショートケーキ」。エビとデザートの融合という驚きの発想で、審査員の神田さん(※)も絶賛されたあの一皿は、どうやって生まれたんですか?(※ 17年連続三つ星「日本料理かんだ」店主)

久保 もともと全然違うものを試作していて、レシピ提出日の前の晩に、「おいしいけど、本当にこれでいいのか」と迷いに迷ったんです。自分の中でやっぱり革命は起きてないと思ったので、一からまた考え直しました。それで「エビのサンドイッチってあるけど、それをもっとデザート的な観点で考えてみたら面白いかな?」と考えて、今まで自分のやってきたエビ料理を組み合わせてやってみたら、ばっちりハマったと。

©️CHEF-1グランプリ2024

――みんながあれを食べてみたいと思っていますが、お店で出したりはされていないのですか?

久保 そういうお問い合わせをいただくのですが、今働いているところは、僕が作った料理を直接提供することがなかなかできないんです。でも、自分のスペシャリテとしていつか出せるように、引き出しに入れておこうと思います。

――試作はどのくらい作ってみるものなんですか?

久保 最初からイメージしたものがバチっとハマって、「これは間違ってないな」というときは、それをちょっとずつ手直ししていくだけでいいんです。でも、エビのショートケーキみたいに180度変えるみたいなパターンだと、20〜30回は試作したんじゃないかな。それが上手くいっても、次は時間内にできるように何度もブラッシュアップして、時間を測って本番に臨むとか。それは心が折れそうになります。

「ジャイアントキリングは可能」と言う久保シェフ 大会に出る前と後では何が変わったのか核心へ迫るインタビュー後編をお楽しみに!

©️CHEF-1グランプリ2024

「CHEF-1グランプリ2024」は現在エントリー受付中!!

エントリー課題は「ハンバーガー・サンドイッチに革命を起こせ!」

40歳未満であれば日本全国どこからでも参戦可能!詳しくは公式ホームページまで!

©CHEF-1グランプリ2024

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