救急搬送の受け入れ件数日本一!「断らない救急」をチーム一丸となって実現する大阪の病院に密着!
大阪市北区にある「医誠会国際総合病院」は、2024年度に、119番通報で搬送された入院が必要な患者を全国で最も多く受け入れた病院です。その数、ひと月あたり569件(※2024年度)。なぜこれほど多くの患者を受け入れられるのか?“日本一”の舞台裏に迫りました。
午前9時すぎ、介護施設から搬送されてきたのは、けいれんの症状が出ている80代の女性。CTとMRIの検査でけいれんの原因を探ります。高齢者のけいれんは、脳卒中などの重大な病気が要因となっていることも。救急医療センターの主任部長・有元秀樹医師ら複数のドクターで検査の結果を精査します。
さまざまな原因を検討するなか、女性が服用している薬を調べた薬剤師の指摘をきっかけに、薬による中毒の可能性が高いと判断。高齢者は日常的に多くの薬を服用するため、薬の飲み合わせなどが症状を引き起こすケースもあるのです。
「うちは薬剤師さんもいるので、チェックしてくれて助かっています」と有元医師。女性は総合内科の病棟に入院し、点滴治療を受けることになりました。
その後もひっきりなしに搬送されてくる救急患者。老人ホームから運ばれてきた80代の男性は、一刻を争う「下顎呼吸」の状態に陥っていました。下顎呼吸とは、心臓や肺の機能が低下し、命の危険が迫っているときに見られる呼吸です。
至急、血液検査を実施すると、低血糖であることが判明。血管にブドウ糖を注入すると徐々に意識を取り戻し、「大丈夫?」「わかります?」という看護師の声かけに反応を見せるまでになりました。
この日、午前9時からのわずか3時間で、17件もの救急搬送を受け入れた「医誠会国際総合病院」。「断らない救急」「待たせない救急」を掲げるこの病院が、なぜこれほど多くの患者を受け入れられるのか? そこには「救急を止めない」独自の仕組みがありました。
救急の現場を強力にサポートするのは「クラーク」と呼ばれる事務員たち。ドクターや、看護師、救急救命士がスムーズに動けるよう、救急に必要な電話対応や事務作業、ベッドマップの入力などを一手に引き受けています。
救急を回すためのサポートはほかにも。病院の一角に設けられた「入退院指令管制センター」は、病棟と連携しつつ、入院が必要な患者のためにベッドを確保する業務を担当。さらに患者とのトラブルに対応する「医療保安警備部」も設置しています。
こうして医療職を支える仕組みを徹底して整えることで、目の前の患者に集中できる環境をつくり、残業時間の大幅な削減も実現。「まず働く人たちが幸せじゃなければ、医療は提供できない」と有元医師は話します。
この病院に搬送されてくるのは高齢者や体調不良者だけではありません。警察官に同行されて運ばれてきたのは、氏名不詳・推定30歳の男性。意識障害で興奮状態に陥り、「痛い痛い!」「いやだいやだ!」と激しく暴れる男性を吸入麻酔などでなんとか落ち着かせ、検査を進めます。
個室ビデオ店で倒れていたところを救急搬送されたこの男性。所持品から違法薬物が見つかり、警察の捜査対象となりました。尿検査では、大麻、合成麻薬「MDMA」、覚せい剤「アンフェタミン」の陽性反応が検出。おそらくは違法薬物による急激な血圧上昇により、脳出血を起こしていると診断されました。
興奮状態の患者につきっ切りだったのは救急救命士の堀江成龍さん。こんな日も、午後5時には仕事を終えます。「この後、ジムに行きます」と職場を後にした堀江さん。オフの時間の筋トレも、医療の現場に活かされているそうです。
チーム一丸で患者と向き合い、日本一の救急搬送を受け入れる「医誠会国際総合病院」。有元医師は「いい医療を提供するのはもちろん、ここでがんばっている人たちが働きやすい環境をつくるのもひとつの使命」と。その努力を「継続していくこと」が今後の目標だと話してくれました。
救急搬送受け入れ日本一の病院の舞台裏は、9月10日(木)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)で紹介しました。


















