『第47回ABCお笑いグランプリ』準決勝 12時間芸人舞台裏大密着記!!PART2 全国区に躍り出たイチゴ「ダメだよ、強盗なんかしたら!」 強盗を企てる相方に…
『第47回ABCお笑いグランプリ』準決勝が6月16日に大阪のABC朝日放送に隣接するABCホールで開催された。総エントリー数583組中、準決勝に進出が出来たのは40組。そこから7月26日(日)にABC朝日放送から生放送される決勝に進出が出来るのは、たったの12組。
【ここまでの12時間芸人舞台裏大密着記PART1 決勝進出芸人 控室で一触即発…!!「弁償して欲しい」】
PART2の今回は、春とヒコーキのぐんぴぃ・ソマオ・ミートボール、そしてイチゴのふたりに話を聴いてみた。間寛平師匠から小道具準備や大阪と東京の違いなど話題は幅広いものに。進行アナウンサーや若手ディレクターというバックヤードまで迫る。

再度、控室を覗いてみるとYouTuberとしても大人気の春とヒコーキのぐんぴぃを発見。パンパンのコンビニの袋を眺めている。
ぐんぴぃ『朝ご飯を買ってきましたよ!』
――夜行バスで来て、お腹が空いている感じですか?!
ぐんぴぃ『いやいや新幹線で前乗りしています! 生意気かも知れませんけど、僕は夜行バスで来たことないんです。しんどいですからね。ABCホールが舞台に上がるまでに急な階段があって、あれもしんどくて。今年は慣れるための対策で、春にABCホールで単独ライブをしましたからね! そしたら、間寛平師匠が舞台袖に来られて、驚いて『何ですか?!』とお聴きしたら、『迷った…』と! 多分、『探偵ナイトスクープ』でABCに来られていたと思うのですが、ABCホールに迷い込んでしまったみたいで…。師匠でもまだ迷ってますよ! でも、迷って良いんだと思いましたけど(笑)』
――まだまだ芸の道も迷って良いと思えたんですね?!
ぐんぴぃ『いやいや普通にABC内で迷っても良いと思っただけですよ!』

ついつい深読みし過ぎて注意されてしまった。そんなぐんぴぃに、本番までの空き時間どのように過ごしたかお写真を撮っていただいた。昨年同様一人、大阪ランチを堪能したそうで、トッピングのソーセージを一口食べたところで写真を撮ることを思い出してくださったようで、律儀な優しさが沁みる。



より取材ネタを探すために、もう一度ABCホールへと向かう。寛平師匠が迷い込んでしまったABC・ABCホール間の道のりを迷わないように渡り廊下を歩いていると、壁に向かって芸人では無い若い男子ふたりがブツブツとネタ合わせ的なことをしている。どうやら今年入社1年目のテレビ制作ヤングディレクターふたり。毎年、テレビ制作1年目社員は、ABCホールで前説を行なうことが登竜門となっている。真剣に戦っているのは芸人だけではない。

何故か、こちらも気を引き締め直してABCホール舞台袖へと向かうと、まだ本番1時間前の朝11時にも関わらず去年の決勝進出者であるソマオが小道具の準備をしている。
――去年の決勝進出は、自信に繋がっていますか? プレッシャーに繋がっていますか? どんな感じでしょうか?
ソマオ『自信とプレッシャーの半々ですね。何よりもラストイヤーなので、一番好きなやりたいネタをやります。それに今年は優勝したいです。優勝をしないと意味が無いので。大阪の大会で売れたいっす! 今は東京ですけど、やっぱ大阪好きです。後、東京に言って、お洒落に綺麗に変わったとか思われたくないので!』
出演者が必ず通る袖だけに『申し訳ない…』と恐縮しつつも、入念に丁寧に小道具を準備する姿は或る格好良かった。

ぐんぴぃがしんどいと嫌がる急な階段を降りて、出演者とスタッフのたまりに降りていくと、準決勝進行アシスタントを務める大石紗椰アナウンサーの姿が。兄が吉本東京所属の大石ライアン大祐であり、その兄の同期であるイチゴ・金魚番長・狛犬が準決勝に駒を進めていることを教えてくれる。その上、ダウ9000の吉原怜那は自身の高校の同級生でもあるという。こういう縁がある人が進行で関わるのも良いなと思いながら、後30分で本番でもあるので控室へと戻ることに。

渡り廊下を急ぐと、まだヤングディレクターふたりが前説ネタ合わせをしている。『フレッシュ!』というブリッジ台詞を何度も確かめている。ABCお笑いグランプリは、昔も今もフレッシュな芸人に出逢える大会だよなと妙に納得してしまう。
朝11時35分。控室では、蓮見が『どこもやってないんすよ。火曜定休っす』と言いながら、スタッフが用意した近隣の店の地図を観ている。ヨネダ2000の誠はスイカアイスを食べている。本番直前だからなのか逆に穏やかで緩やかな空気が流れ始めていた。
昼12時からは濱田祐太郎と大石アナの進行のもと、AからFに40組の芸人が6~7組ごとに分かれて、ネタを魅せていく。昼1時55分、Cブロックのトリでネタを終えた蓮見がABCホールからABCへと戻ってくる。準備不足と心配していたネタであったが、気持ち良いくらいにウケていた。私とすれ違いざま、『ウケたかな?!』とつぶやく。思わず、『ウケてましたよ!』と返す。この臨場感は、現場張り付き取材ならではである。

昼2時55分。Dブロック6組目で登場したイチゴに、どうしても話を聴きたくて、写真撮影などを行なうスタジオの前で待ち構える。去年のM-1グランプリでは準決勝に進出して、敗者復活戦でも爪痕を残した。賞レース王者たちが無冠の漫才師たちを推薦して激突するテレビ特番『ONE CHANCE 2026』でも圧倒的な破壊力で優勝した魅力的な奇抜さを持つイクトと木原優一のふたり。だが、どうやら、おだやかじゃない…。

イクト『落ちました』
木原『かなり弱めです。ふたりとも新幹線自腹で来たんです。落ちたら、帰りも新幹線自腹で帰らないといけないんです…』
イクト『だから強盗したいな!』
木原『ダメだよ、強盗なんかしたら!』
イクト『秘密でお願いしますよ! 『ONE CHANCE』も賞金なかったし、賞金を獲れない大会は出るのを辞めよう! 後、東京がめっちゃ好きなんで、いつまでも準決勝を大阪でやるなら断らないと!』
木原『東京だとウケるんですけど…。でも、(決勝進出は)ウケ量だけじゃないとも聴いてるので』
イクト『いやいや、俺らみたいなズル笑いはダメでしょ!』
木原『俺らズル笑いなの?!』

本来ならば納得がいかなかった舞台の後は喋りたくもないはずなのに、独特のふてぶてしさを感じさせながら、ずっと笑わせてくれるふたり。どんな時でも人を笑わす、まさに芸人の鑑でもあった。
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(取材・文/鈴木淳史)
(企画・撮影/喜多ゆかり)



