神戸にオープンした絶品イタリア郷土菓子のお店 人生を変えたおばあちゃんとの出会い その後襲われた悲劇
長靴のように南北に長い地形と風土から、それぞれの土地に根差した独自の食文化が発達したイタリア。お菓子に関しても土地ごとの個性豊かな郷土菓子が誕生しました。そんなイタリアの郷土菓子に魅せられたのが岩本彬さん。昨年、岩本さんが神戸にオープンした「パスティッチェリア バール ピノッキオ ディ カリメロ」は、本場イタリアの雰囲気が楽しめるバールです。
ショーケースに並ぶのは、常時10種類のイタリアの郷土菓子。全て岩本さんの手作りで、地域や行事などをテーマに、その土地に伝わるレシピを大切に守っています。さらに、イタリア伝統のバール文化を体感して欲しいという岩本さん。飲み物や軽食を楽しむバールは、飲食だけでなく、コミュニケーションの場でもあるのです。
岩本さんのイタリア郷土菓子との出会いは神戸に住んでいた子供の頃。近所のイタリア人シェフが作っていたお菓子が大好きでした。アーモンドやクルミ、ヘーゼルナッツにドライフルーツ、さらに数種のスパイスを加え、チョコレートでコーティングしたお菓子です。
高校時代にジャズサックスを学んだ岩本さんは、大学卒業後、有名なサックス工房を訪ねたいと、3か月の予定でイタリアを訪問。工房が閑散期だったため、偶然出会ったバールの店主に誘われ、住み込みでイタリア語の勉強を始めました。仕事を手伝うなかで岩本さんの人生を変えたのが、お菓子屋さんのおばあちゃん、フランチェスカさんとの出会いでした。
フランチェスカさんに数多くの郷土菓子のレシピを習った岩本さん。帰国後も、バリスタとして働きながら独学で研究し、再びイタリアに渡り、現地のお菓子作りを見て、聞いて、食べ歩きました。そして、2018年に東京都内でイタリア郷土菓子の店を開くことができたのです。
しかし、順風満帆と思われた矢先の2020年、岩本さんが乗ったタクシーの交通事故により、岩本さんは生死をさまよう大怪我を負いました。9か月の入院生活、必死のリハビリ、お店の閉店など、苦しい日々の中でも、お菓子作りを諦めることはありませんでした。すると、入院中にあるオファーが舞い込んだのです。
交通事故を乗り越え、イタリア郷土菓子に情熱を注ぐ岩本さんの再出発をたどります!
『LIFE~夢のカタチ~』は、3月1日 土曜 午前11時から放送。(ABCテレビ/関西地域で放送、TVer見逃し配信あり)
