今だから語る!M-1王者・令和ロマンが優勝「ABCお笑いグランプリ」 M-1覇者が出場すると聞いたときプロデューサーは…!?

こんにちは、日本一陽気なオフィスレディ喜多ゆかりです。

今回は、「第45回ABCお笑いグランプリ2024」のプロデューサー下山航平氏にインタビュー。生放送中に「#ABCお笑いグランプリ」が世界トレンド1位になったり、昨年のM-1グランプリ王者・令和ロマンがチャンピオンに輝いたり、さらにはエンディングで前代未聞のワンピース歌舞伎…と、何かと話題の多かった同番組の舞台裏を聞きました。

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「ABCお笑いグランプリ」生放送中 Xで世界トレンド1位

――生放送中、Xで世界トレンド1位になりましたね!

すごいですよね。「ABCお笑い新人グランプリ」から始まり、出場資格が関西⇒全国、デビュー5年以内⇒10年以内の「ABCお笑いグランプリ」にリニューアルされたのが2012年。実はこの時期も今活躍されているチョコレートプラネットさんやシソンヌさんが東京から出場されていて豪華なメンバーだったのですが、当時は地上波(関西ローカル)でしか見る術がなかったので、そこまで全国的に話題化されることはなく…転機となったのは2020年からABEMAさんで配信されるようになってからですかね。全国の皆さんに観て頂けるようになってABCお笑いグランプリの認知度がグッと上がり、東京の芸人さんもさらに本気になってくれたように感じています。

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出場芸人さんによく言っていただけるのは、「同世代の芸人がオールジャンルで、漫才もコントもピン芸も落語も、なんでもアリで戦える大会は他にないですよね」という感想です。今大会に出場していたかが屋のお2人も「僕らが令和ロマンを倒せるのはABCだけ」と話していましたが、出場者側が唯一無二の大会と捉えてくれているのは嬉しい話です。

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「M-1」王者令和ロマンが「お笑いグランプリ」に出場を決めた経緯

――今年、「M-1」王者の令和ロマンが出場すると聞いたとき、プロデューサーとしてどう思いましたか?

エントリー名簿で令和ロマンの名前を見つけたとき「出てくれるんだー!」と素直にうれしかったです。M-1で優勝したらABCには出てくれないと勝手に思っていましたから。令和ロマンはABCに関しては去年まで2年連続準優勝で、M-1で優勝したとしてもABCだけは獲りたいと思ってくれていたのかもですね。優勝後にお話させてもらったときに、お笑いグランプリの雰囲気を「好き」と言ってくれたのは嬉しかったですね。

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――制作側としては何よも嬉しい言葉ですね。

うれしいですね!ABCならではの「芸人愛」はABCお笑いグランプリで培われていると言いますか、番組スタッフは若手のABC局員がほとんどで、舞台監督も局員、小道具係も局員、準決勝の前説も制作部1年目の新入社員が務めるのが伝統など…ここまで局員が手作りしている賞レースは珍しいと思います。M-1もあるABCですが、その前に「ABCお笑いグランプリ」で芸人さんと密に接することで、芸人さんと仕事をする上での基礎を作ってもらっているという感覚です。

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(前説をする制作部1年目の新入社員)

令和ロマン悲願の優勝! 感動のエンディングで、プロデューサーも目を丸くした!? Aブロックで敗退した金魚番長が突然白塗りで登場!

――エンディングで金魚番長が「ワンピース歌舞伎」の恰好で出てきてビックリしました!本番中、舞台裏で何があったんですか?

Aブロックのネタ終わり、金魚番長の箕輪さんが「僕たちは2本目“ワンピース歌舞伎”をやる予定です」とボケたのがキッカケで…。生放送中、プロデューサーの僕は採点のケアなどでずっと審査員席の近くにいたので楽屋の様子が全く分からない状況だったのですが、Bブロックの途中で突然スタッフが血相を変えてやって来て「すみません、金魚番長さんがエンディング白塗りで出たいって言ってるんですけど大丈夫ですか?」って聞いてきたんです。そのときは“白塗り”という表現だったので全く意味が分からず「それはちょっと…」って返したんですが、スタッフが「もう塗り始めちゃってます、止められないです」って。

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放送が終わってから詳しく経緯を聞いたんですが、Aブロック敗退後に同じ控室だった天才ピアニストと話しているうちに「ホンマにワンピース歌舞伎やる?」というノリになったらしく、金魚番長は衣装小道具を買い揃えるために生放送中に外出する相談をマネージャーさんにしたらしいんです。で、マネージャーさんからさらに相談を受けたスタッフが「放送中に外出されるのは困るのでABCテレビの美術で対応できるか聞いてみます」と。それでたまたまABC美術が対応できちゃったんですよね。

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(「海賊王に、俺はなる!」のあと、ステージ左後ろで令和ロマンを祝福する金魚番長)

プロデューサーとしては、賞レースで優勝が決まった瞬間に白塗りの芸人が出てくることを即答でOKは出せないじゃないですか? 優勝発表の瞬間って一生残るものだし、チャンピオンがもし泣いていたら水を差しちゃうというか。だから、ABCがワンピース歌舞伎を許したことが美談みたいになっていますが、全然「いけいけー!」って感じではなかったです(笑)どちらかというと「もう塗ってる!?止められないーー」みたいな。優勝したのが同じ吉本の令和ロマンだったから成り立った奇跡の瞬間でした。

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インタビュー後編 金魚番長はABCテレビ出禁!? 打上げでも南キャン山里に強烈ツッコミ】

第45回ABCお笑いグランプリは、ABEMAにて見逃し配信中。

▼筆者プロフィール 喜多ゆかり 元ABCアナウンサー。現在は“日本一陽気なオフィスレディ”として取材・インタビューなども執筆。

番組情報

第45回ABCお笑いグランプリ2024
決勝7月7日(日)ごご1時55分

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