茶園の閉園危機を救ったのは元営業マン 300年前から続く美味しいお茶の育て方
兵庫県のほぼ中央に位置する自然豊かな神河町は、300年前から続く知る人ぞ知るお茶の名産地。青々とした茶畑が広がります。その美しい景色に惚れこみ、後継者として茶園を受け継いだのが、元医療機器メーカーの営業マンだった野村俊介さん。野村さんがこの地に「仙霊茶園」を開いて今年で7年目です。
「仙霊茶園」には雄大な茶畑を眺めながらティータイムが楽しめる茶園カフェもあります。煎茶やほうじ茶、紅茶など、目の前で摘んだ茶葉を使ったオリジナルティーに、厳選したお菓子やパンを合わせていただくのが大人気。自然に囲まれて味わうお茶は格別です。
山水が豊富で、ミネラルを多く含んだ土壌がお茶づくりに適している神河町。300年ほど前からお茶の栽培が盛んになりました。そんな土地でお茶を育てる野村さんのこだわりは、除草剤も肥料も使わない自然栽培。「農薬も化学肥料もない時代に美味しいお茶が作れたのなら、今でもできるのではないか」と考えたのです。
野村さんによれば、一般的な日本茶は肥料で旨味を出した茶葉を使い、ブレンドによって味を調えるため、いつも同じ味が楽しめるそう。それに対し、野村さんの茶葉は、気候風土の変化でワインのように毎年違った味となるのが魅力。茶葉の自然栽培をしようと決めたのは、神河町にある生蓮寺に伝わる「仙霊茶」の歴史を知ったことがきっかけでした。
5月に入ると、茶摘みのシーズン到来です。製茶工場で加工と味の調整をする製茶師に新たな人を採用しました。製茶作業のベテランスタッフのもとで2年間修業した丸山さんです。紅茶が大好きで、茶葉と工場を見学した際、「ここで日本一美味しい紅茶を作りたい」と思いを伝えた丸山さん。摘み取った茶葉を製茶する複雑な作業に勤しみます。
土地本来の茶葉の味を目指し、自然栽培を始めて7年目。
はたして今年の茶葉の味は…?6月1日 土曜 午前11時からの『LIFE~夢のカタチ~』でご紹介します。(ABCテレビ/関西地域で放送、TVer見逃し配信あり)
仙霊茶(兵庫県神河町)
野村さんがオーナーを務める茶園。300年続く伝統を引き継ぎ、自然栽培にこだわっている。仙霊茶は香りが高く爽やかの飲み口で評判に。