恋人にも話せない秘めた性的嗜好を自然体で語り合える――そんな“性の冒険”を共にできるバディのような関係性に共感がくすぐられる…かも!?>『こういうのがいい』第5話

Ⓒ双龍/集英社・ABC

在宅で働くフリーエンジニアの村田元気(西山潤)とファミレスバイトの江口友香(田中美麗)は、セフレでも恋人でもないけれど、したい時にしたい事をする「フリフレ(フリーダムフレンド)だ。2人のゆるくて気楽な関係を描くドラマ「こういうのがいい」の第5話は、早速村田と友香のセックスシーンで始まった。

幕開けのファンファーレのような、友香の「ヒーヒー!フー!!」というラマーズ法スタイル喘ぎ声も、ソファという場所も、これまでのエピソードにない新たな一手だ。事後のシャワーを一緒に浴びる2人は、おしゃべりしながらねぎらうように互いの体を洗い合う。

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エピソード『村田のグルメ』には、新キャラが2人登場する。江口徳子(冨手麻妙)は、村田の仕事のチームに加入する新人だ。村田はまだ気づいていないが、徳子は友香の姉である。今後、徳子の存在が村田と友香のフリフレ関係にどんな影響を及ぼすのか、はたまた徳子が2人から刺激を受けるのかに注目したい。

もう一人の川瀬愛(大谷凜香)は大学生で、友香が働くファミレスの新人バイト。彼女はどうやらバイト仲間の伊藤寿哉(青山凌大)に好意を持っていて、伊藤から友香への好き好きビームにも気づいているようだ。愛の片思いに気付いた友香が思わずニマニマしてしまったのは、愛と伊藤がくっつけば、伊藤の(真っ直ぐだからこそやや鬱陶しい)アピールが収まるとふんだからだろうか?

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その夜を描くエピソードが『唐突に誘い合える友』。村田と友香はオンラインゲームをしながら、お互いが軽いモテ状態にあることを初めて報告し、同じ職場の人との体の関係は、後々気まずいし面倒だから絶対にない! と共感し合う。そして、そう言い切れるのはフリフレのおかげだよなぁ、とありがたみをしみじみ噛みしめる。

音声通話を繋いだまま、2人は夜食のお菓子「焦がしキャラメルナッツ」を求めてそれぞれの最寄りのコンビニへと向かう。途中で村田が「もし可能だったらでいいんだけど。このままそっち遊びに行ってもいい?」と友香を誘う。「いいよ来い来い!」と即答する友香が嬉しそうなのは、初めて村田発信のお誘いを受けたからだろう。これまでは友香が村田を誘うか、村田が誘い文句を切り出す流れを友香が作り、村田がそこに乗っていたので、これは2人の関係が1つ転調した瞬間だった。

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CMが明けると、友香がダイニングテーブルに腰掛けて、立ったままの村田と激しく絡み合っている。なんと、2日連続の合体だ。ヘトヘトになった2人はソファで休憩しながら、それぞれの性癖、セルフプレジャーの方法(友香の〈大人のおもちゃ〉コレクションの開陳も)、トライしてみたいプレイについてオープンに語り合い、AVの購入履歴をスマホで見せ合う(と、画面の片端に、購入した動画のサムネ画像が縦に5点ほど表示される)。巨乳や職業ものなど多ジャンルを網羅している友香に対し、村田は野外露出ものが多め。2人ともハラハラドキドキを求めているので実は露出プレイに興味があったり、「痛いのはやだ」だったりとざっくばらんな嗜好を自然体で共有していく。

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「異性と性癖を語り合うこと、あんまなかったなぁ」と言う村田に、「それな」と同意する友香。そういえば第1話で、出会ったばかりの2人がお互いの性的嗜好について、居酒屋で質問し合うシーンがあったなと思い出す。前のめりに会話をリードするのは相変わらず友香だが(これは彼女なりの気遣いもあるだろう)、あの時に比べると会話のテンポがだいぶ緩やかになり、リラックスした空気が流れている。村田に完全に心を許し、安心しきっている友香は、村田の肩に頭を乗せていつの間にか眠ってしまった。友香に向ける村田の表情に、「こういうのがいい」という心境が溢れ出ていた。

カップルでもパートナーでもなく、“性の冒険”をも共にするバディという呼び名がしっくりくる村田と友香。第6話では、周囲で吹き荒れる恋の嵐がどうなるかはもちろん、2人の“冒険”がどんな展開を見せるのかにも期待したい。 (文・須永貴子)

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