「●●ちゃん」第3章 大久保桜子演じる“不倫ちゃん”が出合う“新しい恋愛の仕方”に…

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『●●ちゃん』は、アラサー女性の性の悩みと本音を赤裸々に描いた新感覚のドラマシリーズ。タイトルの『●●』に入るテーマのヒロイン別に、オムニバス形式で物語が構成される。第一章は増田有華が主人公を演じる“セックス”ちゃん、第二章は秋山ゆずきによる“高学歴”ちゃん、第三章は大久保桜子による“不倫”ちゃんとなっている。

10月15日に放送された第7話は、第三章・不倫ちゃんの前編。成柴商事で受付をしている真湖(大久保)は、社内外の既婚男性から常に言い寄られ、まんざらではないそぶりを見せていた。脳内で褒められる男の数をカウントしていた真湖は、不倫することで自己肯定感を高めていたのだ。しかし、ある日結局二番手でしかない現実を直視する。打ちひしがれた真湖は缶ビールを片手に公園でブランコを漕ぎ、偶然黒川(田村健太郎)に出会うのだ。

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黒川は見た目こそ地味だが、よく気が付き真湖のほしい言葉をきちんと伝えてくれる独身男。「本当にかわいい」、「僕のシンデレラ」、「運命だ」と息を吸って吐くように真湖を褒めそやし、有頂天にさせる。いつの間にかカウントしていた数字も2万桁から「1」だけになり、黒川に夢中の真湖は「自分だけを見つめてくれるって最高ですね」とサウナ仲間の史恵(増田有華)&貴子(秋山ゆずき)にのろける。

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真湖と黒川の初めての夜、黒川から「うちにみんな集まるから紹介させて」という申し出を受ける。気の早い真湖は将来のことを意識して家に向かうが、部屋で愕然とする。そこには真湖以外、3人の女性がいたのだった。「みんなとお付き合いしているってこと…?」と混乱する真湖に、黒川は食のパートナー、セックスを追求したいとき求め合うパートナー、キャンプや登山のパートナーと役割をわけていると悪びれもせず説明。真湖に4人目になってほしいとオファーするのだった。

思わず「いやいや、ありえない!」と一刀両断したくなる黒川の申し出。だが、現代では恋愛する相手をひとりと決めず、何人かと同時並行して付き合い、互いにその複数恋愛を認め合うというスタイルは決して罪ではない。それでも基本1対1の付き合い、あわよくば結婚と夢見ていた真湖にとっては大打撃だ。黒川を運命の相手と思い込み、不倫を断ち切り幸せになれると信じ切っていた真湖にとって、斜め上をいく現実がやってきた。

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これまでの第一章、第二章では、自分の性生活に合わせてほしい史恵の相手、金銭目的で近づいた貴子の相手と、相手側に落ち度があったものだが、真湖の場合はレアケース。そして、もしかしたら現実にも「あるある」で忍び寄ってきている恋愛の価値観問題なのかもしれない。

黒川のことを真剣に考えていたことに加え、彼が打算的に複数の女性とただ遊びたい男ではないと思うからこそ、真湖は悩み思いとどまる。結果、黒川が成柴商事にやってきて「真剣なんだ。特別な人だって心から思ってる」とど直球な言葉を浴びせることで、真湖は心のままに黒川の元に飛び込む決心をするのだ。

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「やめておけ」と外野が言うのは簡単なこと。だが、自分の恋愛スタイルを貫くべきか、せっかく好きになった運命の相手を選ぶべきかは、当人にとっては一世一代の大問題。真湖のように自分で選択し、その先に待ち受けるであろう痛みを伴うことで、自分自身と向き合う。そうすることでしか、人は納得できないものだ。

さて、モテの経験はあっても恋愛経験の少ない真湖は、黒川を自分の魅力で変えることができると信じ切って「一番に立ってやる」と意気込む。次週の後編で二人はどう変わるのか、変わらないのか。新たな気づきを得るドラマの最終回を楽しみに待ちたい。

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ドラマ『●●ちゃん』は、ABCテレビで毎週日曜深夜0時55分から放送中。DMM TVにて同時独占配信。TVerにて見逃し配信あり。

(文・赤山恭子)

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