ABCテレビが贈る日曜よる１０時の全国ネットドラマ枠・第３弾、浅野妙子のオリジナル脚本で描くヒューマンラブストーリー『たとえあなたを忘れても』の制作発表会見が、大阪市内にて開催されました。

クランクインして約１ヶ月半となるキャスト７人が登壇し、意気込みや撮影の手応えを語ったほか、本編映像の初披露や、ドラマを楽しみにしているファンの方々からの質問コーナー、主題歌「Crystals」を由薫が生歌で披露するなど、新ドラマ“あな忘” こと『たとえあなたを忘れても』の魅力をたっぷりと伝える会見となりました。

会見には抽選で50名が招待され、同日開催のドラマ完成披露試写会では、いち早く第一話を観た観客が「神戸の街並みも素敵。はかなくて、感動しました」と涙する姿も。

■キャスト7人が登壇

地上波連ドラ初主演となる堀田真由が演じる役は、ピアニストになる夢に挫折し神戸にやってきた河野美璃。堀田は「日々キャスト・スタッフのみなさんとワンカットワンカット丁寧に作品を作っています」。記憶障害があるものの、キッチンカーを営みながら今を懸命に生きる青年・青木空を演じる萩原利久は、「こんにちは。短い時間ですがよろしくお願いします」。

美璃の従兄弟で心療内科医の遠山保を演じる風間俊介は、「一足先に第一話を見させていただいて、すごく透明感があって、ヒーリング効果がある、心を優しくしてくれる物語だなと思いました。みなさんの心に染み渡る物語をしっかりと受け取っていただけたら幸いだなと思います」。

空の幼馴染で姉御肌の藤川沙菜を演じる岡田結実は「みなさま本日はお忙しいなかお越しいただきありがとうございます」。

保の患者で空と同じ記憶障害を持つ宮下茜に扮する畑芽育は「日々、素敵なキャスト・スタッフのみなさんに囲まれながら、時間を過ごさせていただいています。茜役を愛していただけるように頑張ります」。

美璃が始めるアルバイト先の上司・森亜弓を演じる松井玲奈は、「今日は楽しい時間を過ごすことができたら嬉しいなと思います」。

そして、美璃の大学時代の同級生でプロのピアニストとして活躍する衛藤まりあ役を演じるのは、元アナウンサーの森香澄。初のドラマレギュラー出演に「半年前まで私はMCの立場にいた人間なので、ここに立っていることがすごく緊張しています。この作品に参加できた嬉しさをお伝えできたらなと思います」と、冒頭で語りました。

　

■チームワークの良さが伝わる７人のトーク

　クランクインして約1ヶ月半が経ったキャストに見どころを聞きました。

堀田の「美璃と空の恋の行方がどうなっていくんだろうというラブストーリーではあるので、２人の話はもちろんですが、２人をとりまくキャラクターが、それぞれに迷ったり悩んだりしていて、それぞれに人生があって。人と人とが混じり合うことで、自分たちの居場所を見つけていく。希望になる作品だなと、日々思っております」というコメントから、手応えが伝わります。

萩原も「現場に入ってから、キャストのみなさんもスタッフのみなさんも、一つ一つのシーンにおいて、より良い作品にするために、こうしようああしようというアイデアや熱量が絶えない現場だなと感じます。そこがすごく刺激的ですし、より良いものにしたいなと日々考えながら現場に臨んでいて。映像を通して、少しでも見ている方に届けばいいなと切に願っております。その隅々まで行き届いた丁寧さを楽しんでもらえる作品になっているんじゃないかなと思います」と、堀田に続きます。

堀田と萩原は今回のドラマで４度目の共演。初めて恋人役を演じることに気恥ずかしさを感じているという２人について、岡田は「めっちゃ、雰囲気いいです！　現場に行くのが楽しみになるぐらい、お２人はじめキャストとスタッフさんが、本当に素敵な現場を作ってくださってて、地元の“いつメン”（いつものメンバー）みたいな感覚で、毎日楽しく撮影させてもらえることが嬉しくて。ずっと、いい意味でふざけてます（笑）。２人とも最高です」と心から楽しそうに報告してくれました。「ふざけてます」という言葉に対し、萩原が即座に「とっても真面目にやってます！」と笑顔で否定すると、「２人の意見が割れてますね（笑）」と風間が煽って盛り上げ役に。チームの仲の良さが伝わってきます。

堀田と共演シーンが多い松井は、「堀田さんは初めましてのときに、すっごい元気な声で『おはようございます！』と言ってくださって。あ！　なんて元気な方なんだろうと思ったんですけど、私が演じる亜弓は、美璃に対してけっこう高圧的な態度が多いので、堀田さんのしょんぼりしているというか、元気のない様子を見ていたんですね。だから第１話を見せていただいて、他のシーンを見て、美璃ちゃんってこんなに表情が豊かだったんだ！　と衝撃を受けました。堀田さんのキラキラした部分、シリアスでさみしげな部分を含め、美璃ちゃん、かわいいですね（笑）」と堀田が演じる美璃の魅力を熱く語りました。堀田は松井とのシーンについて「ほとんどシーン的にしょんぼりしているので、ご一緒させていただく日は一日中叱っていただいて、ずーっとしょんぼりしています（笑）」と認めつつ、気持ちの切り替え方法を聞かれると、「ちゃんとできています。帰るのがめちゃくちゃ早いんで（笑）」と切り替え上手な一面を覗かせていました。

ドラマのレギュラー出演が初となる森は「ドラマの現場は、バラエティとはぜんぜん雰囲気が違って、緊張感を覚えていました。最初は１人のシーンが多くて、美璃と電話をするシーンが多く、美璃の声だけで共演していたので、孤独ではありました。初めて堀田さんとご一緒するシーンで、堀田さんがおもむろに、空き時間にピアノを弾いてらっしゃって、その周りにスタッフさんが集まっていて、『なんて温かい現場なんだろう！』と緊張が一気にほぐれました」。

初めてドラマに出演する森へのアドバイスを求められると、風間が「俳優さんっていうのは、岡田さんが一番わかってらっしゃるのでは」と岡田にパス。予想外の展開に、岡田は「やめてください！　一番バラエティ班なのに！　怖いこの現場！」と動揺し、「裏で『すいません風間さん。この１時間だけ女優でやらせてもらっていいですか？』とふざけていたんですよ。ぜひ風間さんに代表してほしいです」とアドバイスを辞退。すると「真由ちゃん……！」という声を受けて、堀田が「え〜（苦笑）」と困惑しつつ、「私は、気負わずに、ちゃんと寝る。『台本大丈夫かな〜』とかなっちゃうけれど、とりあえず寝て、現場に行って、大きな声で『おはようございます！』と言えば大丈夫かなと思います」と実体験を語ると、森が「挨拶からですね。ありがとうございます」と丸く収まりました。司会者から「他に何かありますか？」と水を向けられた風間の「この場ではなく、おいおい裏で」というスルースキルに、岡田が「さすがです」と乗っかり、風間＆岡田のパスワークが光るトークとなりました。

　

神戸ロケの美しい映像も本作の魅力。神戸のおいしいものを質問された畑は、「神戸で人気のおいしいプリンを、東京に帰るときは必ず買ってます」とお気に入りのスイーツを教えてくれました。風間が「堀田さんが気になる味噌ダレの餃子店があると言ってて、みんなで大盛りあがりしているんだけど、まだ行けてない。それを心の糧に撮影を頑張っています」と言うと、一同笑顔になりました。風間はさらに、「見ていただいたらわかると思うんですけれども、ロケ地の景色が美しくて。神戸は坂が多く、坂を上って街を見下ろす場所で撮影をしていると、本当に素敵なところだなー、この素敵な景色の中で、透明感のある物語を紡いでいけるっていうのは、幸せなことだと思っています。みなさんにも共有していただけるかと思います」と、映像の美しさをアピールしました。

　

■2分の特別編PRも公開！

会見では、本日初公開となる本編映像の上映も行いました。

透明感のある柔らかい映像の中で出会う、美璃と空。２人の今後の関係性が気になります。感想を尋ねられた萩原は、堀田と照れくさそうに笑い合いながら、萩原は「いやー、自分の映像を見ると恥ずかしくなっちゃうんですけど…。現場でも光だったり景色だったり、一個一個丁寧に撮っているので、自分の目で見ていた現場と、またちょっと違って見えるので、こうやって映像を通して見ると。色味だったり、自分が知っている世界と若干いい意味で違って見えました。ひとつの作品としてこだわっている部分が、今の映像にもたくさん入っていると感じました。今後もより頑張りたいなと思いましたし、ちゃんとお届けしたいなと思いました」と感想を述べました。

堀田は「撮影していると、ちゃんと美璃になれているんだろうかとか、不安になってくることもあるんですけれども、こうやって映像として見てみると、こんな素敵な作品を作るチームにいさせてもらえているんだなと感じますし、神戸の風景も本当に美しくて。美璃と空が廃墟でピアノを弾くシーンはお気に入りなので、ぜひ注目していただければ嬉しいです」と安心した様子で語りました。

お気に入りのシーンを質問された萩原は「圧倒的にキッチンカーにいることが多いので、キッチンカーの中でお芝居をしたのはたぶん初めてなので、日々発見がありますし。空にとってのホームではあるので、あそこから見る、接する人が、その日その日で違うのが、新鮮さ、楽しさ、安心と、いろんなものを感じながら撮影ができています」と、空が働くキッチンカーへの愛着を述べました。

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■主題歌「Crystals」を歌う由薫が生歌唱を披露！

続いて、本作の主題歌を担当するシンガーソングライターの由薫（ゆうか）が登壇し、彼女がドラマに寄り添い作詞作曲した「Crystals（クリスタルズ）」への想いを語りました。

歌詞に込めた思いについて、「脚本を読ませていただいて、情景が浮かびました。記憶とか、夢とか、愛とか、そういうものは全部触れられないし目に見えなくて。そういうものを曲のなかに描き出せたらなと思いました。今という瞬間瞬間の輝きとか。美璃ちゃんが、自分が透明なんじゃないかと思ったとしても、クリスタルのように外から見たら輝いているんだよということを伝えたいな、そんなことを考えながら歌詞を書きました」と語りました。そして降壇したキャスト陣に見守られながら、生歌唱の披露へ。スタンドマイクを両手で包みながら、まっすぐに前を見つめ、思いを込めてミディアムバラードを歌い上げました。

歌唱後は、由薫を中心にキャストがステージに並び、堀田が「鳥肌が立ちました。由薫さんの透き通るような歌声のなかに力強さがあって。聞いているだけで、それぞれのキャラクターが生きている姿が浮かんできました。私は今、台本を覚えるときに、「Crystals」を聞きながらセリフを覚えていて。すごく世界観にはいれて、毎日頑張れています。素敵な曲をありがとうございます」と感謝を伝えると、由薫が感無量といった面持ちでお辞儀をしていました。

風間は「クリスタルのように、光の角度によって、光り方が変わる、そんな風に感じる楽曲でした。始まりだったりサビだったり、多面的な色が見える。堀田さんが言ってたみたいに、このドラマを見てくださる方も、この作品が終わった後も、「Crystals」を聞くたびに、このドラマを思い出してくれるんだろうなと思うと、セットでひとつの作品として受け取っていただけたら嬉しいなと思います」と語りました。

　

質疑応答では、まずは、事前にＸ（旧Twitter）で募集した質問に、登壇者が回答していきました。堀田と萩原への「演じられているとき、お互いのどんな仕草や表情にキュンとしましたか？」という質問を聞いて、さっそく顔を合わせて、お互いに「どうですか？」と照れくさそうに笑い合う２人。堀田が「キュンとかじゃないんですよね」とぶっちゃけると、萩原が「まあまあまあ」と笑って応対。堀田が「役ではキュンとするけれど、利久と私となるとソワソワして、急に喋らなくなったりします（笑）」と言うと、萩原が「確かに！　無言になる瞬間があります」と同意。「空目線でいくと、キッチンカーを介して美璃と喋るときって、位置関係がこちらが高いので、こう上から見下ろすと、美璃が上目遣いになる。普通に喋ってるだけなのに。そこはふと（キュンキュンするなと）思ったことがあります」という萩原に、堀田は「大きなキッチンカーを運転する空の姿は格好いいなと思います。美璃ちゃんは助手席に座っているので、横顔を見れるのはキュンポイントですね」と語りました。

キュンキュンシーンを撮影する前の様子について質問されると、萩原「意外と真面目かもしません。わりと、『次のシーンさあ〜』とか話しています」と言うと堀田も「そうですね。結構相談しています」と現場のやりとりを教えてくれました。

風間は、「話題はもっぱら神戸グルメ。畑さんが小麦粉好きで、パン好きなんです。神戸はパンがおいしいので、どこがおいしいかを聞くと、使ってる小麦粉まで教えてくれました」。畑は「必ずそのパン屋さんの塩パンを買って、そのお店を評価しています」とツウぶりを披露しました。

続いて「今後どのようにＳＮＳを盛り上げたら嬉しいですか？」という質問に、松井は「神戸のロケ地に行って、そのシーンと同じ写真の撮り方をして、楽しんでもらえたら」と回答。畑は「TikTokとか流行ってますし、可愛いお２人（堀田と萩原）に踊っていただいて（笑）」とふると、萩原は「ご自身はやらないんですか!?（笑）が、がんばります」と快諾しつつ、「踊りといえば」と岡田に振ると、岡田が「モノマネといえば」と萩原にふりかえす、楽しそうなやりとりが展開しました。

何のモノマネができるのかを質問された萩原によると、YouTuberのひき肉くんのフレーズを軽くやったら、岡田が異常に食いついてきたとのこと。岡田が「朝７時にひき肉くんのモノマネをやるんですよ!?　すごくないですか？」と茶化すと、風間から「作品のテイストと違うんで」と指導が入る一幕も。萩原が「真面目にやってますから！」と二度目の主張をしていました。森が「TikTokを撮りました。私は踊りました。たぶんみなさんも絶対やります。踊ります」と言うと、風間が「空と美璃が踊るの？」と煽ると、堀田は「バレエをやってたので大丈夫です！」と頼もしい。風間が「たとえね、振りを忘れてもね、『たとえ振りを忘れても』ね」とタイトルにかけたコメントを決め、拍手喝采。萩原が興奮して「すごい！　全部それでいこう！」と宣言すると、風間が「そういうドラマじゃないから！」と再び指導をしていました。

続いて、場内の記者からの質問へ。「浅野妙子さんの脚本について。恋愛、記憶といった主題や、メッセージをどのように受け取りましたか？」と質問され、堀田は「浅野さんの脚本に限らず、どの現場でも台本を読んでいて、作品に込められた意味や、言葉の裏の感情が、どういうものなんだろうとすごく考えます。今回の作品は、ひとつひとつ繊細に受け取っていきたいなと思うものがあって。それぞれのキャラクターたちが悩んだりもがいたりしていて、人生のなかで自分自身がちょっと小さくなっているんじゃないかなと思うことがあるんですけれども、それが決してつらいわけではなく、その中で人生が彩るというか。浅野さんの書く言葉にすごく説得力があり、演じていても背中を押されるような言葉がたくさんあるので、私自身もすごく勇気をもらっています。モンタージュも多くて、神戸の景色が美しいんですね。読んでいるだけで、こういう絵になるんじゃないかなというのが浮かんでくる、美しい台本だなと思いました」と回答しました。萩原は「個人的には、台本を読むと、自分の出ているシーンに注視しがちですが、浅野さんの脚本は、自分が出ていないところも気になってしまいます。

隅々から、言葉だったり、景色だったり、風景、温度、僕らが出せるすべてのものをキャッチしたいなと、意識しながら読んで、現場に入っています。そのように僕が感じたことを、あますことなく映像を通してみなさんに届けられたらいいなと思います」と脚本の魅力について語りました。続けて、視聴者の価値観への影響を質問されると、萩原は「僕はアルバイトとかもやったことないので、接客の経験がないんですけど、お芝居といえど、メロンジュースを渡して『ありがとう』『おいしい』と言われると想像以上に嬉しくて。大きな出来事が特別記憶に残りやすいですが、日常の小さな言葉のやりとりや挨拶、ひとつひとつが、この現場に入ってからあったかく感じるようになった気がしていて。自分の日常の一節に、幸せを感じられるようになってもらえたら、このドラマをつくっている身としてはうれしい気がします」と語りました。

続いて「記憶障害の役を聞いたときの心境と準備」を聞かれた萩原は、「やったこともないですし、その瞬間、想像のつかないものなので、難しそうだなと構えました。台本を読み進めて準備をする中で、これまで役を演じるという上では、大なり小なり、スタートからゴールに向けて積み重ねていきました。でもこのドラマでは、積み重ねたものが、ある瞬間でなくなるというのが現場で新鮮で。何回も初日が始まる感覚があって、これが空を演じる上で、物語上キーになるところだと思っています。記憶をなくした瞬間の事の重さや切なさは、僕の周りにいる人が表現してくださる。僕のできることとしては、その前段階の、何を積み重ねるか、が大事だなと思っていました。だから、人と接するときに、どんな記憶を残してもらいたいか、どんな景色やものを共有、共感できるかを大事にしました。空はゼロになるので、一個一個、リセットされる瞬間を小さなゴールとして、章のイメージで演じています」と説明しました。

そんな萩原の演技に引き出されるものを聞かれた堀田は「空と関わっていて特に思うのが、当たり前だと思っていた毎日が当たり前ではなくて。人、もの、時間、なんでもそうですけど、ふとした瞬間になくなってしまうことって、ふだんはなかなか考えることがないんですけれども、この作品に参加していると、「今日が昨日とおなじこと。それが何よりも愛おしい」という言葉が本当にそうだなって感じます。今日という１日が無駄ではないのだから、私も一生懸命演じていこう、生きていこうと感じています」とまっすぐに語りました。

　

【放送情報】2023年10月22日(日)スタート　毎週日曜よる１０時
★放送終了後、TVerで見逃し配信
TVer：https://tver.jp/