女子高生が開発した「ADHDグレーゾーン支援アプリ」が未来を変える U-18の知の甲子園『Q-1』MVPに決定
発達障害の1つ「ADHD」の症状があるにもかかわらず、医師から病気としての診断が下りないグレーゾーンの人々が世の中にはたくさん存在するという。そんなグレーゾーンの人々を救うために高校3年生の女子生徒が開発したアプリが、「Q-1」と呼ばれるU-18の研究発表大会でMVPに輝いた。
2022年から始まった「Q-1」は、U-18たちが自分の興味のあるテーマを探求して発表する大会のこと。言わば「知の甲子園」だ。2023年大会では23都府県から87組が予選に参加し、4組のU-18が7月16日に行われた決勝大会に進出した。
その選ばれし1組は、福岡県の筑陽学園高等学校に通う3年生の女子高生。彼女の研究テーマは、「ADHDグレーゾーンの人々が生活しやすくなるアプリ」の開発である。
ADHDといえば、遅刻癖や忘れ物、先延ばし癖などといった症状が例として有名だ。こうした症状があるのに診断が下りないグレーゾーンの人々は、日本人の約7人に1人の確率で存在すると言われている。高3女子も、実はこのADHDグレーゾーンに幼い頃から悩まされてきたという。「自分と同じ思いをする若者の助けになりたい」という想いでアプリの開発をしているのだ。
準備が終わらず、決勝大会の発表直前までパソコンに向かっていた高3女子。なんとかプレゼン資料を完成させた彼女は、ついにステージで発表することに!
高3女子が開発した独自アプリ「ブルーゾーン」最大の特徴は、「メンタルヘルス機能」。9種類の「感情ボタン」から1つを選択すると心理療法に基づいたアドバイスが表示されるシステムだ。その日の感情を毎日スケジュールに記録することで、気持ちの変化を客観的に把握できるようになるという。ADHDの人々に向けたアプリは数あれど、こうした精神的サポート機能は唯一無二だろう。
アプリの実証実験の結果や、ユーザー(生徒)が教師や保護者と連携を取ることができる仕組みなどの紹介も含め、高3女子の発表は専門家たちに衝撃を与えた。高3女子のADHDグレーゾーンの人々に対する「辛い・生きにくいという想いを脱ぎ捨て、自由に長い目での幸せを掴んでもらいたい」という想いも専門家たちに届き、彼女は「Q-1」2023年大会のMVPに輝いた。
なお、この様子は、9月24日に放送された特別番組『Q-1 ~U-18が未来を変える★研究発表SHOW~』で見られる(動画配信サービスTVerで無料配信中)。地元の名産アサリを海洋汚染問題から救いたい男子チームや、「世界で誰も見たことがないアート作品」に挑戦する女子高生、新たな図形の定理を発見した男子高校生らの研究発表にもワクワクするはずだ。
ADHDグレーゾーン支援アプリを通して「辛い・生きにくいという想いを脱ぎ捨て、自由に長い目での幸せを掴んでもらいたい」 アプリ開発者の女子高生のプレゼンに心打たれる特別番組『Q-1 ~U-18が未来を変える★研究発表SHOW~』を無料配信中