物語はいよいよフィナーレ! それぞれの想いをぶつける女子たちの一人焼肉! 解決したかに思えたバイク事故。さらなる真実が明かされる…!? 物語のヒントが隠されたオリジナル考察動画も好評配信中!
ドラマ『何曜日に生まれたの』は、『101回目のプロポーズ』、『高校教師』、『未成年』などセンセーショナルな作品を世に送り出してきた野島伸司が脚本を務めるオリジナルドラマ。高校時代の“ある出来事”をきっかけに、10年間ほぼ引きこもり生活を送っていた27歳の黒目すい(飯豊まりえ)が主人公の物語だ。
9月24日に放送された第7話では、高校時代のサッカー部マネージャーグループ、すい・瑞貴(若月佑美)・橋爪リリ子(片山友希)が絆を取り戻した。彼女たちが、それぞれの想い人とケリをつけるかのような“一人焼肉”のシーンは、傷ついた経験のある全視聴者の共感を呼ぶ、切なくも温かいエールとなっていた。
公文竜炎(溝端淳平)の自宅に、瑞貴と城崎健人(濱正悟)がやってくる。公文の鋭い指摘に逃れられず、瑞貴が健人だけに明かしていた悠馬(井上祐貴)との本当の離婚理由をすいたちに話す展開に。もともと瑞貴は自分の店を出したいがためにオーナーと不倫し、それが決定打となり悠馬との離婚に相成ったと思われていた。だが、実は不倫は偽装だったという。子供好きで子供をほしがっていた悠馬に対し、子供を産む気がまったくない瑞貴は、そうまでして妻の座を降りることにしたわけだ。
瑞貴は悠馬について「まだ若いから(産みたくないと)勘違いしている。男の人にはたぶん理解してもらえない」と言い、自分のために子供を諦めさせる悠馬を「不幸でしょ」と思いやる。公文は「だから、彼のためにあなたが悪者になった」とうなずくが、すいは驚くばかりで受け入れられない。「そんなのってないよ。まだ愛してるんでしょ!」とすいは正論をぶつける。
悠馬のことを愛しているがゆえ、瑞貴の身の引き方を理解するのに苦しむすい。ここへきて10年の引きこもり生活という、すいの人生と恋愛における経験値のなさが浮き彫りになった。好きというピュアな想いだけでは、大人二人が一緒に生活していくことはままならない。瑞貴の「パートナーの夢を奪う愛なんて存在するの?」という言葉の的確さ、愛の深さには感嘆せざるを得なかった。物語上の瑞貴は「悪女のままです」と公文に言われ、「上等」と精一杯の強がりをしてみせる瑞貴は、気高く映る。
ところで、冒頭ではすい・瑞貴・リリ子が女子会さながら三人で近況を話し合うシーンがあった。一人焼肉の話題になり、すいは未経験、瑞貴は“たまに”、リリ子は人と食べたことがないと打ち明け合う。その会話を回収するかのように、彼女たちはこの回で一人焼肉をそれぞれ行う。その内容こそが見ものだった。
すいは公文に恋人がいると思い込みショックを受けるばかりか、父・丈治(陣内孝則)らが自分の会話を盗聴していたことを知り、怒りも湧いてダブルパンチの一人焼肉。瑞貴は離婚から立ち直るための一人焼肉。そしてリリ子も、長年片思いしていた雨宮純平(YU)の想いを断ち切るための一人焼肉。胸に抱える想いは三者三様だが、肉を食べパワーをつけて前に進むという行為こそ、人間はつらいときでも食べられさえすれば前を向けるということを示しているよう。それは脚本家・野島からの、傷ついて落ち込んでいる人たちへの応援歌のようなシーンにも受け取れた。三人の食べっぷりのよさに救われる想いになった、そんな視聴者も多いのではないだろうか。
そして、物語はいよいよフィナーレへと動き出す。公文が囲っていると見られていた謎の女性・アガサ(白石聖)は、実は彼の妹・蕾だった。さらに、すいは10年前の事故現場に車で公文が通りかかったことをフラッシュバックで思い出す。となると、二人は10年も前からの結びつきがあったわけで…。様々な考察がよぎる中、残り2話も怒涛の展開となるだろう。
<文:赤山恭子>
【放送情報】
「何曜日に生まれたの」
毎週日曜よる10時 ABCテレビ・テレビ朝日系24局全国ネット
放送終了後、TVer・ABEMA で見逃し配信
TVerにて第1話~第3話まで無料配信中!