2人の過去をやり直すはずが、補習に阻まれて…さらに、驚きの変化が?『傷心タイムリープ』第6話
人気作家の二語十が原作・シリーズ構成・脚本を務め、イラストレーターtanuのキャラクターデザインでおくる『傷心タイムリープ』。気鋭のライトノベル作家とイラストレーターが組んだ4連作ショートアニメプロジェクト『週刊ラノベアニメ』内の1作だ。
どの日にタイムリープしてやり直しても、すぐに未来のクリスマスの夜に舞い戻り、失恋してしまう若菜(CV:高柳知葉)。告白相手の和瀬(CV:坂田将吾)が自分を嫌っているわけではないと気づいたものの、フラれることに変わりはなく…。
(もう一回冷静に、ちゃんと戻るべき場所を見極めよう)
SNS日記を表示させたスマホの画面をスクロールしていた若菜は、ある日の日記にハッとする。
6月30日の日記に、「噂で聞いたけど和瀬は予備校行くっぽいし」と書かれている。
(同じ予備校に通えてたら、一緒に過ごせる時間も増えたのかな…? でも元々この頃は、席替えのことでケンカした後でどこの予備校に行ってるかなんて聞けなかったんだっけ)
それに――
(この頃から和瀬は、教室でも一人で過ごすことが増えてきて…会話をする機会も減っていった)
(ここだ…! 今度こそ大きく過去を変えるんだ)
スマホに手をかざした若菜。次の瞬間——
若菜の目の前に差し出される、中間テストの答案用紙。数学の点数は100点満点中39点だ。
「こ、これは…」と口ごもる若菜に、数学教師は「それはこっちのセリフだ。受験生の自覚があるのか?」と厳しい顔。
(そうだった…てか、テスト前に戻った方が良かったかも)
自分の席に戻りながら和瀬に点数を見せる若菜。
和瀬「その点数でよく笑顔になれるな」
若菜「うるさいなぁ。そういう和瀬は…」
答案を覗くと、78点と記されている。
若菜「だ、ダブルスコア…!? いつも寝てばっかりだったのに…」
和瀬「男子、三日会わざれば何とやらだ」
と自慢げな和瀬に、若菜は(三日どころか、半年後のあなたは私に冷たいですけど)とむくれ顔。
若菜「勉強もいいけど、部活おろそかにしちゃダメだからね? 陸上、インターハイ行くんでしょ?」
そう言うと、和瀬はゆっくり若菜の方を向いた。
若菜「けど、予備校通うんだって?」
和瀬「俺その話、若菜にしたか?」
若菜「私、なんでも知ってるから。未来とか」
和瀬「…なんだそれ」と呆れたように目をそらした和瀬に、若菜は続ける。
「ねえ和瀬。ちょっと放課後、時間作ってくれない?」
昼休み。都(CV:根本京里)は若菜に問いかける。
「さっき、和瀬と何話してたの? なんか放課後の約束してたでしょ」
若菜「別に大したことじゃ…ただ、少し話したいことがあって」
都「ふ~ん」
若菜「な、なに? 私なんか変?」
都「んー。最近の若菜って、変な日と超変な日があるから」
若菜「……変なのは確定なんだ…」
「ほら。なんか顔も疲れてる」と顔を近づける都に、「それはほら、最近見たドラマが面白くてさ。それにハマって寝不足で…」とごまかす若菜。
都「それで変になってるって? どんなドラマ?」
若菜「ん-と、好きな男の子と結ばれるために何度も過去に戻ってやり直す、みたいな?」
都「うわ、重」
「なんか漫画でもそういうのあるよね、なんだっけ…あ、タイムリープ?」
「タイム、リープ…」
そう呟いた若菜は、自分の右手に目をやる。そこに指輪はない。
都「ま、なんでもいいけど。無理はしないように。あんたは元気な顔がいちばんかわいいんだから」
若菜「…うん!」
放課後。隣の席にいた和瀬に向かって立ち上がった若菜だったが――
若菜「じゃあ、和瀬、この後——」
和瀬「なんか呼ばれてるぞ」
手招きする数学教師。赤点をとったテストの補習が待ち受けていた。
(わ、罠だ……今回も大失敗…)
隣で補習を受ける芦屋(CV:川島零士)にテストの点を尋ねる若菜。
「芦屋は何点だったの?なんか採点ミスがあったとか言ってなかった?」
芦屋「……ああ。10点の答案が、7点になった!」
(しかもこんなバカと2人きり…)と頭を抱える若菜。
若菜「いつもだったら和瀬もいたはずなのにね」
芦屋「だな」
若菜「なんか和瀬、予備校通うかもだって」
芦屋「それお前に教えたの俺な」
若菜「そうだっけ?」
若菜「和瀬、なんで急に勉強頑張りだしたんだろ?」
芦屋「暇になったからじゃねえの?」
若菜「…暇って?」
若菜がそう聞くと、芦屋は「とぼけてんのか?」と振り返る。
芦屋「あいつ、一カ月前に部活やめただろ」
「——えっ?」
驚く若菜。インターハイに向けて練習に励んでいたはずの和瀬に、何があったのか?
ショートアニメ4本が連続で展開される『週刊ラノベアニメ』は、ABCテレビ・テレビ朝日系列全国24局ネット『ANiMAZiNG!!!』枠にて放送。TVerでも無料配信。
なお、この『傷心タイムリープ』第6話は8月16日深夜に放送された。