上書きしたはずの過去が元に戻った? ターニングポイントへ飛び、記憶を塗り替えようとする『傷心タイムリープ』第5話
「なんで…?」
(席替えをやり直して、すれ違いを解消して。それでうまく行くはずだったのに…!)
作家の二語十が原作・シリーズ構成・脚本を務め、イラストレーターtanuがキャラクターデザインを務める『傷心タイムリープ』。気鋭のライトノベル作家とイラストレーターが組んだ4連作ショートアニメプロジェクト『週刊ラノベアニメ』内の1作だ。
分岐点に戻った若菜(CV:高柳知葉)は第4話で過去と違う行動をとり、未来を変えようとした。しかし、クリスマスの夜に舞い戻り、想いを寄せる和瀬(CV:坂田将吾)からフラれてしまう。
若菜「ずっと、迷惑だった…? 無理やり隣にいようとして、話しかけて、好きになって、迷惑だった…?」
和瀬「そんなはずない」
「だったらなんで…!」と和瀬に詰め寄った若菜は、和瀬の首元に目を留めた。
若菜「私それ、あげたんだっけ」
和瀬「なんで忘れてるんだよ」
和瀬「…もう一度言う。迷惑なはずがない。ただ…ごめん、俺は…」
(どういうこと? 和瀬は、今もあのマフラーを巻いてくれている。じゃあ本気で嫌われてるわけじゃない?)
「もう分かんないよ…!」
でも、確かなことがある。
(私は過去に戻れる。それも、ここに――)
SNS日記を読み返した若菜。席替えをやり直して離れない選択をしたはずなのに、5月21日の日記は「席替え、、、久しぶりに和瀬と離れた、、、」とタイムリープ前と同じ記述に戻っていた。
(やっぱり、過去が変わってる)
(戻りたい。もし同じ方法で過去をやり直せるなら、もう一度——)
日記をスクロールし、やり直したいことを探す若菜。6月3日の記録が目に留まった。
決意を胸に、右手の薬指をスマホの上に置くと――
和瀬と出かけたあの日に、タイムリープしていた。
(やっぱり、あの指輪が…!)
そう気づいた若菜の手に、その指輪はまだない。
(けど私、いつから指輪してたんだっけ?)
和瀬「若菜?」
若菜「あ、えっと、ところで、傘持ってない?」
和瀬「傘?なんで?」
若菜「いいから!和瀬といえば傘でしょ」
「意味わかんねぇ」と言いながらも、鞄から取り出した折りたたみ傘を差し出す和瀬。
直後、横を走りすぎる車のタイヤが水たまりを撥ね――
水しぶきを和瀬の傘でガードする若菜。
和瀬「!? すげえ…」
若菜「そんなことよりほら、次どこ行く?」
そう和瀬に笑顔を向けた若菜の体が、青い光に包まれ――
次の瞬間、2人はまたあのクリスマスの夜に戻っていた。若菜がフラれる、あの場面に。
和瀬「ごめん、俺、若菜とは…」
「次、次…!」
再びカフェでスマホをスクロールして、次の“戻りたい日”を探す若菜。
6月12日の日記には『和瀬が後輩の女の子に告られてた、、、まあ、どうでもいいけど?』と書かれている。
「いいワケあるか!」と叫んだ若菜は、スマホにリングをかざして、再びあの日へ――
女の子「ずっと好きでした。付き合ってください!」
和瀬「…ごめんなさい」
後輩に頭を下げた和瀬の後ろから、「何か言うことは?」と問いかける若菜。
和瀬「それ俺のセリフだろ。断ったよ。今は誰かさんの相手で手一杯だからな」
直後、青い光に包まれる若菜。
そして――
またもや、あのクリスマスの夜に舞い戻っていた。
(何を、何を変えれば――?)
どの日をやり直しても、またクリスマスの夜に戻ってきてしまう――。
「もう…どうすればいいの…!」
どの日をやり直しても変えられない未来。若菜はこの先、何を選ぶのか?
ショートアニメ4本が連続で展開される『週刊ラノベアニメ』は、ABCテレビ・テレビ朝日系列全国24局ネット『ANiMAZiNG!!!』枠にて放送。TVerでも無料配信。
なお、この『傷心タイムリープ』第5話は8月9日深夜に放送された。