松岡広大演じる妖しくミステリアスな直己。その秘密から見え隠れするアラクオ世代の本音と建前とは…/『around1/4』第4話
妖しさをまとう直己を演じる松岡広大の男の色気の秘密とは? アラクオ世代の本音と建前を探るヒントが見え隠れするドラマ『around1/4』を無料配信中
「相手の本心ってわからない」。「イマドキの若い人は…」と一度でもそう感じたことのある人はドラマ『around1/4(アラウンドクォーター)』を観てみると、アラクオ世代の悩みの一端を覗くことができるかもしれない。一見するとチャラくてお調子者。でもそれはかりそめの姿で、実は悩みを抱え本音を相手に明かせない不器用な康祐(佐藤大樹)の人間像は「第4話」まで観ると浮き彫りになってくる。
お調子者で世渡り上手な康祐は、実は相手の気分に自分のモードをチューニングすることが当たり前のようにできる。表向きのコミュニケーションには長けているものの、自分の本心はつい隠してしまう。だからこそ、早苗(美山加恋)には康祐の本心が伝わらない。そんなもどかしさから、元カノ・マキ(林田岬優)にキスされている康祐の唇を早苗が強引に奪う。その直前の早苗のはじける笑顔と、キスの瞬間の惑いにみちた康祐。本心が分かり合えない2人の歯がゆさ…。
一方で、みずからコミュニケーションを取らず、相手に対して本心を全く見せないのが松岡広大演じる直己。26歳、康祐たちよりも一つ年上で、仲間の輪に入るよりも一線を引くスタンス。そして、他人にペースを乱されることを何よりも嫌う。しかし、サパークラブで働く瞬(阿久津仁愛)に対しては自分のペースをかき乱され続けている。「第4話」では、直己と瞬の出会いと2人の関係性の変化が描かれていく。
「誰かに期待したりされたりするくらいなら、正直ずっと一人で生きていくほうがいい」。
だから本心を語らず生きる。そんな直己の惑いの奥底にはあきらめに似た諦観さえ感じられる。しかし、サパークラブの太客の健吾(渡辺いっけい)を虜にする瞬が、魔性的でいて破滅的な生き方のように直己には映る。直己にとって異質な瞬の姿に、これまでに抱いたことのない感情を抱きはじめていく…。 「プライドは高いけど、とても繊細」。松岡広大は直己のことをそう捉えたと明かす。撮影現場では、カットの合間に監督陣と話し合い、康祐たちや瞬との“距離感”を確かめながら直己という人間像をつねに掘り下げて芝居に落とし込んでいく観察眼の鋭さが印象的。撮影現場で欠かさずに筋トレに励む佐藤に、筋トレのアドバイスを受ける一幕も。鍛えられた肉体と繊細な本音を持つアンバランスさが、直己のまとう妖しさの秘密なのかもしれない。
さて、中盤に差し掛かった『アラクオ』のストーリー。かりそめの姿で生きてきた5人が本心をにじませ始めたことで、それぞれの人間関係にも変化が生じていく。その“変化”には、相手の本心、そしてアラクオ世代の本音と建前を探るヒントがちりばめられている。 『around1/4(アラウンドクォーター)』は、毎週日曜よる11時55分のドラマL枠(テレビ朝日は毎週土曜深夜2時30分)で放送中。原作は、世界累計4300万DLを突破した漫画アプリ「comico」で連載された作家・緒之の同名WEBTOON作品。
<ニノマエヒビキ>