100年以上続く京都・伏見の京瓦職人 新体制をめぐり親子が激突 伝統技法の未来は・・・

京都市伏見区で100年以上にわたり、瓦を作り続けている「浅田製瓦工場」。その三代目・浅田晶久さんは京都で“京瓦”を作る唯一の職人です。

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京瓦の神髄は「磨き」と呼ばれる技法にあります。金属のヘラで丁寧に磨き上げ、重厚な光沢と深い鈍色の風合いを持たせる伝統の技術です。浅田さんの手掛けた瓦は歴史ある寺社や建物の屋根を飾っています。

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そんな京瓦も時代と共に需要が激減。かつて京都には十数軒の瓦工場がありましたが、残ったのは今や浅田さんの工場だけ。後継者もおらず、厳しい状況が続いています。

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「それでも後に残していかなあかん」という浅田さん。伝統を次の世代へ繋げたいと、喜寿を目前にしても、休むことなく京瓦の可能性と未来への道を追求してきました。そのうちのひとつが、先月開幕した大阪・関西万博の「関西パビリオン」です。京都ゾーンでは浅田さんが監修した京瓦が床と壁を覆う素材として使われました。オファーをした空間デザイン担当の彫刻家、名和晃平さんも「京瓦のおかげで静謐な空間になりました」と納得の仕上がりです。

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また、屋根がダメなら床や壁にと、京瓦の未来のために新たな可能性に挑む浅田さん。アインシュタイン・タイルは不思議な形状の13角形で、床に使用することができます。早速、デザイン会社から発注がありました。その数、1840枚。一枚一枚、想いを込めて仕上げ、東京都内のオフィスに納品しました。

切なる思いで京瓦を残す道と後継者を探し続けてきた浅田さんでしたが、経営は厳しく、人材の採用すらままなりません。そこで昨年12月、大きな決断に踏み切りました。114年の歴史を持つ浅田製瓦工場の経営権の譲渡を決めたのです。

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同じく未来を見据え、経営権の譲渡に向け、共に歩んできた息子の憲和さんが2年以上かけて探し出したのが、“事業再生と企画運営”を行う会社でした。しかし新体制に向けての大切なミーティングで、親子は激突。心の整理がつかない父親と解決に向けて行動を起こしたい息子…。苦渋の末、浅田さん親子は大きな決断をくだします。

LIFE~夢のカタチ~』は、5月24日 土曜午前11時から放送。(ABCテレビ/関西地域で放送、TVer見逃し配信あり)

番組情報

LIFE~夢のカタチ~
毎週(土)午前11時

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