10年前のバイク事故が原因で引きこもりとなった黒目すい。なぜ恋人ではない人物と大事な日にバイクに乗ったのか?

ドラマ『何曜日に生まれたの』は、『101回目のプロポーズ』、『高校教師』、『未成年』などセンセーショナルな作品を世に送り出してきた野島伸司が脚本を務めるオリジナルドラマ。高校時代の“ある出来事”をきっかけに、10年間ほぼ引きこもり生活を送っている27歳の黒目すい(飯豊まりえ)が主人公の物語だ。 放送前、謎めいた予告編が醸し出す世界観から、サスペンスやラブストーリーなどが幾重もの層となり展開するドラマだと感じさせた本作。8月6日に放送された第1話では、漫画家の父・丈治(陣内孝則)とふたり暮らしを送るすいが、暗い表情でオンラインゲームをしている場面からスタート。よどんだ空気から彼女が10年という長い間、父以外の誰ともコミュニケーションを取らず閉ざされた生活をしていたことが、その場面だけでうかがい知れる。

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そんな丈治の連載が打ち切りになり、生活費を稼ぐため「大ベストセラー作家・公文竜炎(溝端淳平)が原作を書き、丈治が作画を担当」という新しい連載提案を父は受け入れることに。公文からの条件はひとつ、主人公のモデルをすいにすることだった。ひるむ父娘だったが、すいがそもそも公文のファンだったことと、「家賃が払えないと困るので、私で役に立てるなら」と腹を決める。

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10年前、すいの身に何が起こったのか 重たい過去が徐々に明かされ…

公文は、すいが引きこもりの原因になった10年前の出来事に目を光らせていた。黒目親子の関係をよく知らないはずの公文が、なぜかつての事件に目をつけたのかは謎だが、大作家の勘が働いたのだろうか…。にやりとした笑みをたたえ、いい人なのか悪い人なのか、本心が見えない様子で淡々と迫る溝端の存在感。異質なのだが、なかなかのはまり役だ。

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すいの過去について、ドラマではモノクロで断片的に描かれる。10年前、高校生のすいはサッカー部のマネージャーをしていた。試合の前日、部員のエースと出かけようとして派手な事故に遭う。エースを欠いた試合は散々な結果となり、すいは部どころか学校中から総スカンを食らうのだ。味方もいない、居場所もない、絶体絶命のすいの立場。高校という独特の閉鎖感に沈められたすいのいたたまれぬ思い、行き場のない重たい胸中を、飯豊が全身で体現。以降の彼女の明るいはずだった10年という未来を奪う厳しい過去パートこそ、容赦なさを叩きつけてくる野島作品の王道描写といえよう。

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◆第1話ラスト、意外な人物との再会で何かが始まる“予感”か

一連の出来事を公文に伝えたすいは、「本当に好きな人は(エースと)別にいた」と衝撃の告白をする。ネタがそこにあると確信した公文は、すいに高校の同窓会に顔を出すようにアドバイス。すいも素直に受け入れ、過去と対峙すべく出向く。同窓会の会場に着いたすいだったが、過去の記憶がトラウマとなり過呼吸でトイレにこもってしまう。結果、同窓会に出ることなく帰途につくすいだったが、第1話はそれでは終わらない。 帰り道にすいは、ばったりと同窓会帰りの同級生・悠馬(井上祐貴)に会う。彼こそがすいにサッカー部のマネージャーになるきっかけを与えた人物であり、さらには事故の際「お前が死ねばまだよかったわ!」と捨て台詞を吐いた人物で、すいの引きこもる一因となった男。皮肉なことに、10年ぶりに外の世界に出て出会った初めての人物が悠馬とは…。ラブストーリーならこれが運命、ミステリーならこれが事件の引き金となるべく展開のはずで、いずれにせよ何かの“予感”をひしひしと感じた。

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動き出したばかりの物語では、すいの彼氏ではないエース部員との事故とその詳細、悠馬との本当の関係性、ほかの同級生とのつながり…などなど、気になるポイントが散りばめられた。謎めいた伏線が2話以降でどのように回収されるのか、見守っていきたい。

『何曜日に生まれたの』は、毎週日曜よる10時より放送中。

(文:赤山恭子)

【放送情報】 

「何曜日に生まれたの」

毎週日曜よる10時

ABCテレビ・テレビ朝日系24局全国ネット

放送終了後、TVer・ABEMA で見逃し配信 

【ホームページ】

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