45年続く『おは朝』エレクトーンのお姉さん赤﨑夏実 長年共演した宮根誠司の愛とは!?
こんにちは! 日本一陽気なオフィスレディ喜多ゆかりです。今回は、関西の朝の情報番組『おはよう朝日です』にエレクトーンのお姉さんとして15年間、毎朝休むことなく出演し続けた赤﨑夏実さんにインタビュー! 成人式の日の思い出や、宮根さんとの忘れられない出来事についてお聞きしました。
――15年間お疲れ様でした! なぜ、卒業を決めたんですか?
『おはよう朝日です』45周年の、みなさんの夢を応援する「関西全力応援 あなたの夢、叶えます」という企画で、たくさんの煌めく夢に出会ったんです。特に、10歳の少女が病気で日本に来られないフランスにいるお爺さんにサプライズをするために、やったことのないことにチャレンジするという姿が、とても眩しくて心が揺さぶられました。「やったことのないこと」という言葉が、私の中でとても印象に残り、「私の夢ってなんだろう?このままでいいのかな?」と考えるきっかけになりました。
――20歳からエレクトーンのお姉さんを続けるなんてすごいです! 振袖でエレクトーンを弾いて、放送直後にスタジオから成人式へ向かっていたことが忘れられません。
もう15年前ですね。あのときは、実家から通っていて地元の美容院で朝2時から着付けをしてもらい、生放送に振袖で出演。8時の放送終わり、野々村真さんと喜多さんがスタジオの入り口で「いってらっしゃーい!」と送り出してくれて、すぐ会場に向かって式典に出席しました。『おは朝』に出演し始めて、なかなか地元の友達に会う機会がなかったのですが、会場でたくさんの友達に声を掛けられて、『おは朝』に出演するということがどれだけすごいことなのか実感しました。翌日も生放送でしたが、若かったので夜までカラオケで盛り上がりました。ハードだけど最高に楽しい1日でした。(笑)
20代の頃の『おは朝』エレクトーンは、今のようにCM明けに時刻とスポンサー名を言うだけではなく、実は番組中のBGMを全部弾いていたんです。宮根さんはトークのテンポが速くてテーマが変わるたびに、「六甲おろし!今、流行っている曲!」など、次々と変わるトーク内容に合わせて本番中ずっと弾いていました。今は、アドリブでBGMを弾くことはないですが、より責任感が強くなったかもしれません。
――責任感とは?
まず、朝メイクをしてからスタッフルームに入るとき必ず元気に「おはようございます!」というようにしています。スタッフさんは私よりも早く大変な準備に入って下さっているのに、出演者である私がテンション低く入って行ったら絶対ダメですよね。番組の表に出る一員として、明るく現場に入るということもエレクトーンとして大事な仕事だと思っています。
あと、『おは朝』は朝の忙しい時間帯なので時計代わりにつけて下さっている方も多いと思うんです。だから、そんな方々の耳にパッと声が届くように1トーン高く歌うように「おはよう朝日です。○時○分です。」と言っています。
――体調不良だったときはないんですか?
どんなときも『おは朝』のエレクトーンは、変わらず皆さんに「同じ朝をお届けする」ということを心がけていたので、放送中はいつもの「なっちゃん」でいようと心掛けていました。でも、無理して頑張っていたのではなく、不思議とエレクトーンの前に座ると、力がみなぎりましたね。
体はやはり強いほうです。本当に両親に感謝です。風邪をひいたこともないですし、熱が出たことも本当にないんです。虫歯になったこともありません。(笑) 毎日、生放送に臨むことがなんの苦でもありませんでした。
――『おは朝』の1番の思い出は何ですか?
MCが宮根さんだった頃は、視聴者の方と一緒に行く韓国ツアーがありました。ディナーショーではみんなでコメディをしたり、あのときはなんでもありでした(笑)。喜多さん、宮根さんにめちゃくちゃされていまたよね?
――ジャイアントスイングを永遠にやられました(笑)。
宮根さんは、なんにでも興味があって、すぐにハマって周りを巻き込むパワーがすごいんです。自分の好きなことを極めてとことんやる。あのときは、韓国とプロレスにハマっていた時期でしたね。(笑)
――宮根さん、浦川アナ、岩本アナという3人のMCの方々は、どうでしたか?
宮根さんって本当に人見知りで、最初は全く目も合わせてもらえなくて、嫌われているのかなと思っていたのですが、あるとき突然電話がかかってきて「みんなで焼き肉行くぞ!」って誘ってくれたんです。そこで、私のことを根掘り葉掘り聞いてくださり、みんなに面白おかしくネタにして紹介してくれたんです。私も人見知りなので、これを機にみんなと打ち解けることができました。本当に愛のある人です。
浦川アナには、正しい日本語の使い方を教えてもらいました。あまり、何も考えずロケにも普段のしゃべり言葉で臨んでいたのですが、「すごい」は「すごく」、「食べれる」は「食べられる」など基本的なことを教えていただき、テレビで言葉を発することへの責任を持つようになりました。
岩本アナは、「おは朝」盆踊りでは、手にマメを作りながら和太鼓を練習し、喜多さん卒業のオペラ企画では初めてのピアノ演奏にも挑戦。普段の仕事をこなしながら、会社でも練習し家でもピアノの先生である奥様にレッスンを受けていました。とても忙しいのに喜多さんを喜ばせたいというその思いで、難しい「椿姫」を見事弾きました。あの「俺に任せろ!」という大きな背中が、今ののびのびとした番組の雰囲気を作っているのだと思います。
(後編へ続く)
▼筆者プロフィール 喜多ゆかり 元ABCテレビアナウンサー。現在は“日本一陽気なオフィスレディ”として取材・インタビューなども執筆。