大原櫻子「一生大事にしたい」 およそ5ヶ月間、役と向き合った“宝のような作品”とは?
毎週火曜・深夜0:17から放送している、“いま”一番発信したい新鮮なエンタメ情報をお届けする番組『アーティストヴォイス』。毎回、エンタメ業界の第一線で活躍する芸術に関わるあらゆるジャンルのアーティストをゲストに迎え、代表作の裏話や最新作についてや、意外な素顔についてたっぷりと語られる。9月3日(火)・10日(火)のゲストは、女優で歌手としても活躍している大原櫻子。インタビューの後編では、俳優活動を振り返りつつ、プライベートでハマっていることについてのエピソードも披露。このABC magazineでは、OAには収まりきらなかったここだけの話もお届け!
女優を志した原点、そして代名詞となったミュージカルについて
ーー俳優活動を振り返ってみて、特に印象に残っていることは?
ミュージカルの舞台『ファン・ホーム』で出会った演出家の小川絵梨子さんが、海外の作品だったのでイチから歌を訳して考え直すというワークショップを設けてくださったんです。そうすると、それまで日本のミュージカルで感じていた言葉の壁がすっとなくなって。「こういう創作活動いいな」と思ったのがすごく印象的でした。
ーー俳優として演技をすることと歌手活動は考え方が違いますか?
差をつけているつもりはなくて、あくまでも表現の上でメロディが乗っているか乗っていないかの差かな。区切りをあまりつけないようにしています。
ーー日本大学芸術学部映画学科を卒業されていて、これまでにたくさん映画をご覧になられてきたと思いますが、その中でも好きな映画を挙げるとすると?
「レオン」です。ナタリー・ポートマンが出ている映画が好きなんです。それから『ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ』という、ダコタ・ファニングちゃんが出ている映画です。小学校2年生ぐらいの時に映画館に観に行ったのですが、年齢が近いダコタちゃんの演技に魅了されて、私も女優さんになりたいと思いました。
ーー俳優活動の中で、特に心に残っている俳優さんは?
「ザ・ウェルキン」と言う舞台でご一緒するはずだった鷲尾真知子さんです。今回体調を崩され降板されましたが、稽古場での役の作り方やセリフ回しが素晴らしく、また機会があればご一緒させて頂きたい女優さんです。
ーー今年7月に千秋楽を迎えた、ミュージカル『この世界の片隅に』では主人公・浦野すずを演じられていましたね。
5ヶ月間ずっとすずちゃんと向き合ってきたので、まだ終わった感じがしなくて「片隅ロス」にハマっております……。日本のオリジナルミュージカルって少ないと思うのですが、アンジェラ・アキさんの素晴らしい音楽に囲まれながら演じられた経験は非常に大きなものでした。3時間出ずっぱりで、はんぱないセリフと歌の量に早着替えもあり、これを乗り越えたらしばらくは怖いものがないんじゃないかなという作品に出会えました。演出家の上田一豪さんも「大原櫻子の代表作を作れた!」と言ってくださった時は、すごくうれしかったです。間違いなく代表作ですし、一生大事にしたい宝のような作品になりました。
今後の展望は「いろんな映画に出て、長く歌われる歌を歌いたい」
ーー音楽活動では、9月の広島公演を皮切りに全国7箇所を回るアニバーサリーツアーがスタートしますね。どんなライブにしたいですか?
『ハイッ!10ション!』というタイトルの通り、お祭り騒ぎで集大成を盛り上げたいなと思っています! 楽曲の選曲もさることながら、デビューから応援してくださっている方にも懐かしく感じていただけるようなセットリストになっていますし、「大原櫻子、10年経つんだ」「久々にライブに行ってみよう」という方にも楽しんでいただけるようなライブにしたいです。東京公演はスペシャルゲストもいらっしゃるので、ぜひ楽しみにしていただきたいなと思います!
ーーちなみに、最近プライベートでハマっているものは?
今年の夏も暑いですが…暑い時に辛いものを食べたくなるので、マイ一味を持ち歩いています! 京都の舞台に出演していた時に、先輩の西尾まりさんと一緒に焼き鳥屋さんに行って。そこで食べた一味が美味しすぎて、買って持ち歩くようになりました(笑)。
ーーオフの日はどう過ごされているのですか?
だいたい8時に起きて朝ごはんを作って、9時半ぐらいから運動を1時間ストレッチと筋トレをして、12時ぐらいまで仕事の準備を。そこからはフリーで映画やお芝居を観に行ったり友達と会ったり、というのが大体のルーティーンですね。
ーー今後、プライベートで挑戦したいことはありますか?
バンジージャンプとスカイダイビングです! ずーっと言ってるんですけど、危なっかしいのでお仕事への影響を考えるとなかなかできていないので、挑戦してみたいな。
ーーありがとうございます。最後に、俳優、そして歌手としての展望を聞かせください。
とにかくいろんな映画に出たいなと思います。素晴らしい監督がたくさんいて、舞台では「この方の演出を受けてみたい!」という方が何人もいるので、いろんな演出家さんの作品に携わりたいなと。歌手としては、デビューから10年が経ち30歳も目前なので、10年前とは違う自分の良さをもっともっと見つけたいですし、より人生を刻んできたからこその深い内容だったり、若い世代も大人の方からも愛していただけるような、長く歌われるような歌を歌いたいなと思います!