優勝賞金100万円は「すべてケムリくんに渡します」 『ABCお笑いグランプリ』第45代チャンピオンは令和ロマン!
『第45回ABCお笑いグランプリ2024』
優勝は令和ロマン!
デビュー10年以内の若手芸人が頂点を競う「第45回ABCお笑いグランプリ2024」が7月7日(日)、ABCテレビで生放送、ABEMAで生配信され、昨年の「M-1グランプリ」王者で芸歴7年目の令和ロマンがチャンピオンに輝きました。
昨年の第44回大会の決勝戦では、ファイナルステージで戦ったダブルヒガシと令和ロマンと同点で並ぶ番組史上初の大接戦に。大会の規定により、ファーストステージの得点が高かったダブルヒガシが優勝しました。
惜しくも準優勝となった令和ロマン。同点にもかかわらず掴むことができなかった王座を奪取すべく「ABCお笑いグランプリ2024」への挑戦を表明。M−1王者の参戦は大会始まって以来、初となりお笑いファンの熱い注目を集めました。
そんな今年の大会には、全国から568組がエントリー。激戦を勝ち上がった12組の精鋭が、大阪・ABCテレビのスタジオで行われた決勝戦に集結しました。
司会は山里亮太(南海キャンディーズ)が、アシスタントは女優の本田望結が担当。審査員には、昨年からの続投となるリンゴ(ハイヒール)、兵動大樹(矢野・兵動)、陣内智則、岩崎う大(かもめんたる)、ユースケ(ダイアン)、山内健司(かまいたち)の6人に加え、「M−1グランプリ」で2022年まで審査員を務めた落語家・立川志らくが新たに登場。幅広いジャンルのお笑い界の先輩7人が若手のネタをジャッジします。
まずはファーストステージ。12組が4組ずつ3つのブロックに分かれて4分のネタを披露。ブロックごとに審査員7人の総合評価が最も高かった1組、計3組がファイナルステージへと駒を進めることができます。
Aブロックでは、ぐろう(吉本興業)、天才ピアニスト(吉本興業)、ダウ90000(YOU GO sign)、金魚番長(吉本興業)が激突。青春群像劇のような演劇的コントの巧みな構成を「こんな短い尺にいろんなものを詰め込んでいる」と岩崎が評したダウ90000が勝利しました。
Bブロックには、エバース(吉本興業)、やました(吉本興業)、フランスピアノ(グレープカンパニー)、青色1号(太田プロダクション)が登場。アナウンサー試験の最終面接というシチュエーションで「まさかこんな展開になるとは!とワクワクしました」と陣内も絶賛したコントを披露した青色1号が勝ち上がります。
Cブロックでは、令和ロマン(吉本興業)、かが屋(マセキ芸能社)、フースーヤ(吉本興業)、ぎょねこ(ワタナベエンターテインメント)が勝負。不気味な島を舞台にした漫才で「王者の風格。M-1の決勝でやってたネタよりおもしろい」と志らくをうならせた令和ロマンが制する結果に。
審査員の誰もが頭を抱えるハイレベルな戦いの結果、ファイナルステージに勝ち進んだのは、令和ロマン、青色1号、ダウ90000の3組。ファーストステージとは異なる4分ネタで得点を競い合います。各審査員の持ち点は100点。令和ロマンが漫才、青色1号、ダウ90000がコントで挑みました。
抽選で決まったネタ順でトップバッターを務めた令和ロマンは、髙比良くるまがいくつもの奇想天外なキャラを怪演する漫才を披露。続く青色1号は、飲み会で始まったゲームが思わぬ展開をみせるコントで爆笑をさらいました。ダウ90000は、同じ店で彼氏と彼女、浮気相手が鉢合わせするドタバタ劇を熱演。
ダウ90000が648点、青色1号が655点、令和ロマンが659点という大接戦の末に、令和ロマンが第45代のチャンピオンに輝きました。2人には、優勝賞金100万円と、今年初登場となる“笑いの異種格闘技”にふさわしいカラフルな大会ロゴをあしらったチャンピオンベルトを贈呈。
7月8日(月)にはABCテレビの朝の情報番組「おはよう朝日です」に生出演し、優勝の喜びや決勝戦の貴重な裏話などを明かしました。
【王者・令和ロマン 優勝会見コメント】
ーー3回目の挑戦で悲願の優勝を果たした現在の心境は?
くるま「ホッとしました。もう僕らが『ABCお笑いグランプリ(※以下、ABC)』に出なくて済むということで、全スタッフ、全芸人もホッとしたと思います」
ケムリ「我々がもう出なくて済むと考えたら、周りの方も安心されたかもしれないですね(笑)」
ーー賞金100万円の使い道は?
くるま「『M-1』の賞金に関しては、僕が全額いただくと事前のラジオ番組で約束していたので、その通りに僕がいただきました。今回は『全額ケムリくんに』という約束だったので、すべてケムリくんに渡します」
ケムリ「よっしゃ~!取り戻しました!」
くるま「彼はまだ気づいていないんです。数字のトリックに(笑)」
ケムリ「いただけるのはありがたいんで、100万円はいただこうと思います」
ーーM-1王者ということで、「優勝間違いなし」との声も大きかったと思います。プレッシャーはありましたか?
くるま「正直、プレッシャーはありましたね。『M-1』は初出場でしたし芸歴も一番後輩で、下から下克上を狙うときは無鉄砲に挑戦できることもあって獲れたと思うんです。でも『ABC』のような芸歴10年以内の大会だと7年目の僕らはもう上の方。そういう戦いはあまりやったことがなかったのもあって責任重大だと感じていました。なので、これまで賞レースで感じたことがないような緊張がありましたね」
ケムリ「僕も負けられないという緊張感はあったんですが、ファイナルステージで3組が出そろったとき、ちょっとだけ安心したんです。ほかの2組はコントだったので、もしここで負けても『M-1チャンピオン』の座は汚れないなと思ってました。漫才ではなくコントに負けるなら、ありだなと(笑)」
くるま「頭の良さをなんて情けない方向に使ってるのか。頭は良いけど心が弱いわ(笑)」
ーー今回の出場を決めた経緯は?
くるま「『M-1』はもう去年のオンエア中から出るとずっと決めてたんですけど、実は『ABCお笑いグランプリ』も出られるんだなと気づいたときに『どうしよう?』という葛藤はありました。でも、2年連続準優勝でこのまま優勝せずに終わるのかと思ったし、漫才がコントやピン芸と戦えるのはこの大会しかないので、どうしても戦いたいという気持ちがあって出場させていただきました」
ケムリ「僕も『ABC』は優勝してないから出たかったですね。あと、ヒカリモノが好きなんで、いっぱいトロフィーとか欲しいなと思って」
くるま「寿司みてぇにヒカリモノって言うな(笑)」
ーー今後の目標は?
くるま「『M-1』と『ABC』、『第7回NHK新人お笑い大賞』(2022年)と賞レースを3つ獲らせていただいたので、もう賞レースの求道者を目指したいですね。お笑いの戦いを常にし続ける存在というか。勝負するのがどうしても好きなんですよ。今朝、この会場に来るときもめちゃめちゃテンションが上がってしまって。ラグビー部だったのでスポーツのノリというか、やっぱりどうしても戦いたいんですよね。戦わなくなるとつまらなくなっちゃうんじゃないかと思うと怖い。だから、戦える大会がある限りは出たいですね」
ケムリ「僕はそこまで闘争本能はない方なんで(笑)、ものすごく大変なことではあるんですけど、NGKのトリがとれるような伝説の漫才師を目指したいです」