滋賀・彦根には市民なら誰もが知る『カロム』というものがあるそうだ。食べ物？ 芸術品？それともゆるキャラ？ 一体全体『カロム』とはなんのことなのか。A.B.C-Zの塚田僚一と、ABCテレビのアナウンサー・古川昌希が『カロム』の謎に迫った。

【動画】“絶望的にヘタ”！ カロムに苦戦する古川アナの表情

『カロム』と聞いただけでは一体どんなものなのか皆目見当もつかない様子の2人。本当に彦根市民なら『カロム』のことを知っているのか、まずは現地で老舗漬物店の店員に話を伺ってみたところ、なんと皆さんカロムのことをご存知だった。店員によると、カロムは子ども会でやることがあり、商業施設などに身近な場所にも置いてあり、学生が帰りに“ペンペン！”と興じていることもあるそうだ。

古川アナは話の様子からカロムをボードゲームの一種ではないかと予想。どこに行けば見つけることができるのか、さらに聞き込みを続けると、銀座商店街の「みくちやギンザ」という玩具店にあるという情報をゲットした。さっそくお店に向かってみると、看板商品なのだろうか、店頭はまさにカロム一色！

カロムとは大正初期に彦根に入ってきた、エジプトやエチオピア発祥のゲームなのだそう。おはじきとビリヤードをミックスさせたようなゲーム性で、赤と緑に分かれたコマをデコピンの要領ではじいて四隅のポケットに入れていき、先に自分のコマをすべて落としきった方が勝ちというルールだ。塚田＆古川アナは店主の川口松男さんからカロムのレクチャーを受けカロムに初挑戦。塚田がコツをつかむ一方、力の入れ方がわからず苦戦する古川アナの様子にスタジオは爆笑に包まれていた。

大正時代にはカロムは日本のあちこちで遊ばれていたそうだが、いつの間にか廃れていった。しかし、なぜか彦根でだけは今日まで遊び続けられているという。なぜカロムは彦根にだけ残っているのか？ それは彦根の特産物と関係があるのだそうだ。

重要なヒントを得た2人は、特産物を調べるべく四番町スクエアの土産物店を調査した。すると目に入ったのは、日本五大銘茶である近江朝宮茶と、赤こんにゃく。これを見た古川アナが「カロムの赤は赤こんにゃくの赤…？」と突飛な発想。そのまま、カロムのコマが彦根の二大名産品と同じ色だから長く愛されたのではないか？と予想した。

ここで滋賀の歴史にも詳しいまいまい京都の以倉敬之さんに方向性を確認したところ、ズバリ「全然見当違い」とのこと。スタジオからも「そんなうまい話があるわけがない」と失笑が漏れる。以倉さんによると、特産品というより地場産業が大きく関わっており、四番町スクエアから南にある芹橋を渡った先の角の小道にヒントがあるそうだ。

ヒント地点を注意深く観察してみると、仏壇屋さんが多いことに気づいた2人。そのうちのひとつ、吉田松蔵商店の吉田さんに話を伺ったところ、江戸時代後期頃から彦根で仏壇作りが始まったと言われているらしい。戦国時代に甲冑など鎧や武具を作る職人が多く住んでおり、江戸時代にその技術を仏壇作りに活かすようになっていったのだそうだ。

塚田は仏壇作りの技術を利用してカロムを製造販売したのではと考えたが、古川アナは決定打に欠けると踏み切れない様子。調査を続行すると、付近に「ファンデーション発祥の地」「彦根地場産業」と書かれた碑を発見する。そこに会社を構えるジャパン・アドカの佐々木さんに話を伺ったところ、このファンデーションとは化粧品のことではなく、女性用下着のことだった。

彦根市では明治初期から繊維工業が盛んで、戦後に女性用下着の生産を開始。彦根ファンデーションは日本一の生産量を誇ったそうだ。当時は若い女性の職人が多かったようで、古川アナは「女性たちが工場で働いている間、留守番の子どもたちがカロムに興じていたからでは？」と予想した。

古川アナのそれっぽい推理に塚田も流され、ファンデーション案を最終予想としたが、以倉さんの評価はたったの「5点」。関係する地場産業は仏壇のほうだった。仏壇を作るため彦根には木工所が多くあり、その木工所からのカロム盤の供給が途絶えなかったことが彦根にカロムが根付いた最大の理由だと考えられているそう。見事に二択を外した塚田は悔しさのあまりズッコケてしまい、スタジオの笑いを誘っていた。

最後は2人がカロムで以倉さんに勝負しようとした情報番組『newsおかえり』の人気コーナー「古川×塚田のなんでやねん!?」4月23日放送回は、動画配信サービスTVerにて無料配信中だ。なお『news おかえり』は、毎週月曜～金曜午後3時40分よりABCテレビで放送中。