シオン(鈴木康介)の胃袋を掴んだのは、ひかる(若月佑美)お手製の“おにサンド”だった…! 手に負えなかったハズのセレブたちの孤独と葛藤が描かれてく『セレブ男子は手に負えません』(第7話)
ところで、みなさんはおにぎりお好きですか? 2023年の「“おにぎり”に関する調査」(ぐるなびリサーチ部)によれば、約9割が好きと答え、4割の方々が週に1回以上食べるという“みんな大好き”という結果に。世代を超えて愛され続ける日本のソウルフード「おにぎり」は、たとえセレブといえども嫌いなわけがありません。さて、『セレブ男子は手に負えません』第7話では、「高級食材しか食さない」と言い放っていたシオン(鈴木康介)が、ひかる(若月佑美)が作った「おにサンド」をなぜに好きだったのか? その理由とともにセレブという“仮面”をもぎ取られていく怒涛の展開に!
幼少期から仲の良かったシオンとルカ(井手上漠)。シオンはルカが作ってくれた“おにぎり”を食べるのが大好きだった。しかし、シオンの両親はルカとの仲を許さない。
「あなたはあの子とは違うの」。 家柄と帝王学。母親の言葉がシオンの心に残酷に刻まれていた。それでもシオンにとってルカは自社の人気モデルであること以上に大切な幼馴染だ。冒頭のシオンの回想は、なぜにこれまでシオンがおいしそうに「おにサンド」を食べていたのか? そしてルカとの心のつながりが描かれた重要なアンサーシーンでもあった。
一方のルカは、ジェンダーレスモデルとして活躍する自分自身の境遇に悩みつづけていたことを、ひかるに明かす。
「でも結局、自分が好きになってしまったせいで、いちばん大事な人を苦しめている」。 叶わぬ奇跡を信じてシオンへの想いを募らせながらも、悪魔に愛された少女が恋に落ちるたびに悪魔の嫉妬を買い不幸になってしまう物語を自身になぞらえるルカ。華々しいセレブでいて人気モデルのルカは、内心では深い孤独と哀しみを抱え込んでいた。
シオンとルカの心情と、ひかるとの“三角関係”が描かれていく中で、将来を約束された有名病院の御曹司でありながら、どこまでも実直な彰人(中尾暢樹)の人柄がまぶしく描かれていく。
「ひかるさんと結婚したいと思っている。僕は本気だよ」。 裏表がまったくない彰人のまっすぐな言葉は、シオンには痛いほどわかるのだろう。シオンは、ひかるに対して「優しくていいやつだろ? 断る理由がどこにある? 完璧じゃないか」と彰人との結婚を上から目線のオレ様モードで勧めてしまう。だが、この“オレ様モード”こそ、これまでに剥したことのなかったセレブを保つための仮面でもあった…。
第7話では彰人がひかるに愛を告げるシーンで印象的な言葉があった。
「難しいよね。優しさって。武器になるようで武器にならないことも多いんだよな。その優しさで、幸せを逃してきたかもしれない」
まっすぐな優しさを素直に行動に移せる彰人と、優しさを仮面に閉じ込めてしまったシオン。 相手の気持ちを察知するルカや、苦しんでいる自分をみせたくない律(本田響矢)。そして、今を生きる多くの人たちに通じる言葉だと感じられたのは筆者だけだろうか。
手に負えなかったはずのセレブたちの心情が描かれていく中、ペントハウスでは展示会前日のパーティーが行われた。VIPばかりが集まる立食パーティーの料理を任されたひかるは、シオンの胃袋を掴み、ふたりのつながりの象徴でもある「おにサンド」を用意するのだった。が、この立食パーティーでひかるがついにクビになりペントハウスを出て行ってしまう大事件が起きてしまった…。
ひかるとともに築き上げてきた信頼関係をぶち壊す、そんなシオンの仮面に秘められた本音は…? 手に負えなかったハズの、セレブたちの孤独と葛藤が描かれてく『セレブ男子は手に負えません』は、TVer・ABEMAで無料見逃し配信中。
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<文・ニノマエヒビキ>