佐々木希「なんであんなことで悩んでいたんだろう?」考え方がシンプルになった

それぞれにワケありな恋愛観や家族の問題を抱えているアラサーの男女7人が、触れ合い、愛し合おうとする群像ラブストーリー「アイのない恋人たち」。脚本を手掛けるのは、『家政婦のミタ』や『女王の教室』などいくつもの傑作を生み出してきた遊川和彦だ。

主人公の売れない脚本家・久米真和(福士蒼汰)は、マッチングアプリで出会いと別れを繰り返し、心から人を愛することからも、愛されることからも逃げている「愛のない」33歳。その他、「見る目(eye)」がなくて失恋を繰り返す者もいれば、相手に合わせてばかりで「自分(I)」がない者も……。

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真和の初恋の相手でバツイチのアラサー・稲葉愛は、レンタル彼女やクラブのホステスをしながら、一過性の恋と酒に溺れる日々を送っているが、真和との偶然の再会をきっかけに、彼らを翻弄しながら自身も変化を遂げていく。陰と陽、虚と実、多面性を備えた複雑な役どころに、これが1年半ぶりのドラマ出演となる佐々木希が挑む。出演中の稲葉愛をはじめとする7人のキャラクターや、共演者について佐々木に聞いた。

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――台本を読んだ感想はいかがでしたか?

とにかく面白かったです。スッと体に入ってくる感覚があって、突き刺さるようなセリフもたくさんあって。それぞれのキャラクターが葛藤したりもがいたりする姿に人間味があふれていていいな、きれいで素敵だなと思いました。展開が速いので、台本をもらうたびに「次どうなるの!?」と気になってしまって! それが映像になると、もっと面白くなるんじゃないかなと思いました。

――「稲葉愛」という人物についてはどう思いましたか?

過去にいろいろなつらい経験をしているけれど、それを隠して明るく振る舞っているところが、すごくチャーミングに見えました。「そんなに無理しなくてもいいんだよ〜」と思っていると、時々ぶっ飛んだ……というか、行き過ぎた行動に出るところもあって、愛すべき素敵なキャラクターだなと思いました。

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――「わかるなー」と共感する部分はありますか?

愛はピアノを頑張って頑張って、でも挫折して、そこから人生がちょっと狂い始めるというか、うまくいかなくなってしまっているんです。私も昔、新体操をやっていた時に、体を壊して入院したことがあり、目標にしていた大事な大会に出られなくなったときの気持ちと重なって、「あー、つらいよね……」と思いました。やりたかったことができなくなることのつらさ、すごくわかります。

――連続ドラマへの出演は約1年半ぶりとなりますが、クランクイン前日の心境はいかがでしたか?

クランクインまでは「現場ってどんな感じだったっけ……?」とすごく緊張して! でもいざ入ってしまうと、すぐにいろいろと思い出すことができました。みなさんキャッキャワイワイしていてすごくいい雰囲気なので、撮影が楽しくて仕方ないです。

――座長の福士さんはどんな印象ですか?

11年前に一度共演したことがあるんですけど、そのときも私の役が(福士の役にとって)初恋の女性だったみたいで。私はそれをすっかり忘れていたんですけど(笑)。11年前の福士さんはクール系というか、こんなに気さくなお兄さんではなかったです。ご本人も「まだ19歳で何もわからなかったから、人に対して壁があった」とおっしゃっていました。でも今は、そんな壁なんて全然なくて、とても気さくで、一緒にいてすごく楽です。話しやすいし。本人は盛り上げているつもりはないと思うけど、自然と現場が盛り上がっています。いつも歌を歌っていて、それが本当に上手で。「鼻歌うまいね〜!」と伝えています。

――座長がごきげんだと、現場の空気が和みそうですね。佐々木さんご自身は、11年前の自分と比べると、どこが変化したと思いますか?

中身はそんなに変わってないかもしれないです。でも福士さんと一緒で、若いときはちょっと人見知りをしていましたね。あと、すごく楽に生きられるようになりました。30代に突入した頃から考え方がシンプルになって、「なんであんなことで悩んでいたんだろう?」と不思議な気持ちになります。でも、もともとそんなに悩まないタイプなんですけどね(笑)。

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――愛以外の6人の中に、気になるキャラクターやお気に入りのキャラクターはいますか?

多聞(本郷奏多)がめちゃめちゃ面白いです。本郷さんのお芝居がうますぎるからか、「本郷さんって、多聞みたいな人なんじゃない?」と思えてくるんです!

――本郷さんは記者会見で「等身大でやってます」とおっしゃってましたね。

最高です(笑)。みんな「こういう人って実際にいるよね」みたいな、リアリティと人間味があるんですよね。絵里加(岡崎紗絵)や栞(成海璃子)を見ていると、「そんなに真面目に生きなくてもいいんじゃない?」と思うけど、真面目なのは素敵なことだし、そこが可愛いなと思います。奈美(深川麻衣)は、(第1話で)ブワーッと喋るところを早送りされちゃったところが可愛いかったです。雄馬(前田公輝)なんて、どう見ても可愛いです。パッと見ただけで可愛い愛されキャラ。前田さんご自身も愛されキャラだと思います。現場ではやっぱり雄馬人気が高いんですよ。「男子3人で誰か1人を選ぶなら、まぁ雄馬だよね」って。真和は、「いるよねこういう人って……」という感じです。愛も含めて7人全員が、欠点はもちろんあるけれど、可愛くて愛すべきキャラクターだと思います。

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(インタビュー後半へつづく)取材・文/須永貴子

【第3話あらすじ】

稲葉愛(佐々木希)が企てた実の息子誘拐計画に巻き込まれた久米真和(福士蒼汰)は、高校卒業後の愛の人生と、自身の育児放棄が原因で息子に会わせてもらえない現状を知る。罪の意識と後悔にさいなまれつつ、償い方がわからずに苦しむ愛。
郷雄馬​(前田公輝)は持ち前の妄信かつ猛進ぶりを発揮し、近藤奈美​(深川麻衣)を運命の人に認定。“eye=見る目”のなさを危ぶむ真和を尻目に、早くもプロポーズしそうな勢いで初デートに出掛けていく。同じ日、真和は、マッチングアプリで知り合った女性とは3回以上会わないという“愛”のない自分ルールを破り、今村絵里加(岡崎紗絵)との4回目のデートへ。残る淵上多聞​(本郷奏多)も冨田栞​(成海璃子)から誘いを受けるが、“I=自分”をなくして他人に合わせる煩わしさから断ってしまう。
そんな多聞も雄馬の強引さには敵わず、奈美に会わせたいという呼び出しに応じて渋々出かけることに。指定の場所は絵里加のブックカフェ。そこには、絵里加と会っていた真和だけでなく、奈美に呼び出された栞もいて…。
気まずいながらも、合コンで会うはずだった6人が対面を果たすが…。

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アイのない恋人たち」(ABCテレビ・テレビ朝日系列で毎週日曜 夜10時から放送中)

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