18歳の、新妻が、不倫? 衝撃的なタイトルの謎が解き明かされる怒濤の『18歳、新妻、不倫します。』第1話
2023年10月クールのドラマL枠で、新ドラマ『18歳、新妻、不倫します。』の放送が始まった。原作は、『王様に捧ぐ薬指』などで知られるわたなべ志穂の人気コミック。藤井流星が主演し、ヒロイン役をHKT48、AKB48、IZ*ONEなどで活躍してきた矢吹奈子が務めることでも注目を集めている。
第1話で描かれたのは、『18歳、新妻、不倫します。』というセンセーショナルなタイトルの謎を解き明かすストーリーだ。
公家の流れを汲む「三条グループ」のお姫様・明花(めいか/矢吹奈子)の結婚式に、元社員の男が刃物を持って乱入する。窮地を救ったのは、新郎の藤宮煌(こう/藤井流星)。煌は、10歳の時に誘拐されそうになった明花を助けて“お付き”になった、元ボディーガードだ。今は三条グループの営業マンとして活躍している。
2人の結婚のきっかけは、数ヶ月前、明花が両親にお見合いを押しつけられそうになったこと。まだ自由に恋愛もしたことがない明花は、政略結婚に反発。三条家からの信頼も厚い煌に、「偽装結婚」を持ちかけたのだ。
「女遊びも自由、不倫も自由! 私、どうしても、恋がしたいの!」と懇願する明花に、「はぁ? お付きの私と、結婚?」と呆れる煌。煌は仕方なさそうに、明花との結婚を受け入れる。
元社員の騒動を鎮めた煌は、明花の顔に極小の切り傷を見つける。「あの野郎、腕の1本でも斬り落としておけば良かった」と怒りを露わにする煌。「大丈夫。このケガは、煌の落ち度じゃない」と明花がなだめると、煌は予想外の言葉を口にする。
「はあ? 俺は好きな女を傷つけられたから怒ったんだけど」
驚く明花に、煌は顔を近づける。
「恋がしたいらしいけど、相手は夫の俺ということで」
そう言って笑顔を見せる煌に、戸惑う明花だった……。
前半は、「偽装結婚」に至るまでのバックボーンがテンポ良く描かれ、「壁ドン」「顎クイ」など、マンガ原作ならではのキラーシーンのオンパレード。藤井と矢吹によるメリハリの効いた演技も楽しめる。しかし新婚生活が始まる後半は、早くも波乱が起こる。
親友の大学生・美織にコンパに誘われ、いよいよ恋(=不倫)のチャンス!と、居酒屋へ向かった明花。しかしあることで傷付き、店を去ることに。外で待っていたのは、煌。「真剣に恋するなら、オレにしときなさい」と上から目線で言われ、癪に障りつつも、まんざらでもなさそうな明花だった。
2人は休日に、結婚指輪を買いに出かける。宝飾店で対応したのは、エリアマネージャーの岡本・J・真弓(小林涼子)。実は真弓は、煌の大学時代の先輩で、元恋人でもあった……。
斬新な設定と先読みできない展開に引き込まれた第1話。印象的なのは、藤井演じる「煌」の目線だ。「あんた」「おまえ」と明花を呼ぶ「上から目線」と、かしずくような「ボディーガード目線」、そして明花を愛おしそうに見つめる、「恋する男目線」。複数の目線をスリリングに行き来する、魅力的なキャラクターになっている。一方、矢吹演じる「明花」は、元社員と対峙したときのキリッとした表情や、「壁ドン」「顎クイ」などで不意を突かれたときのキュンとした表情など、バリエーション豊かな芝居で魅了。身長差30㎝の2人を活かしたフレーミングやカットバックなど、“絵になる”演出も見どころだ。
果たして明花は、身を焦がすような「本当の恋」ができるのか? 第2話以降も見逃せない。
『18歳、新妻、不倫します。』は、ABCテレビにて毎週日曜夜11時55分の「ドラマL」枠で放送中(テレビ朝日では毎週土曜深夜2時30分)。脚本は『マルモのおきて』『ばらかもん』(ともにフジテレビ系)などの阿相クミコ。メイン監督は『来世ではちゃんとします』シリーズ(テレビ東京)や映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』などの湯浅弘章が務める。
衝撃的なタイトルと怒濤の展開に引きつけられる『18歳、新妻、不倫します。』は、TVerで無料見逃し配信中。これまでの放送回は「Netflix」と「Hulu」で配信。
<文・泊 貴洋>