「サラリーマンの奥さんになるはずが…」「まさか一緒に食堂を」英語もがんばる女将がいる京都のお店 人気はトンカツ定食! 店名の由来は?
街のおいしい店に潜入し、店主の人柄からにじみ出る人気の秘密を発見するシリーズ「実録!人情食堂」。今回は、食べごたえ満点のトンカツ定食が人気のお店を取材しました。
京都市東山区、京阪三条駅から徒歩およそ10分の「食堂はやし」は1953年創業。お客さんのほとんどが注文する看板メニューは、大きなトンカツが2枚も入ったトンカツ定食。自家製の甘みソースがたっぷりとかかった定番トンカツのほか、味噌トンカツ、おろしトンカツ、ごまトンカツと味は4種類もあります。
「京都で一番っす!」「家庭の味が詰まってる」とみなさん幸せそうに頬張るトンカツのおいしさの秘密は?お店に1日密着し、気になる裏側を覗いてみました。
朝7時前、開店前の仕込みのために出勤してきたのは店主の林学さん(64)。73年前に林さんの祖母が開き、後に母が継いだ「食堂はやし」を40年前に引き継ぎました。
当時、勤めていた会社を辞め、店を継ぐ決意をした林さん。家族に何の相談もなく「勝手に会社辞めて帰ってきた」とあって、先代のお母さんに「何で辞めてきたん?」「あんたなんかいらん」と最初は大反対されたそうです。
【動画】壁一面に貼られたサイン色紙は、昨年まで近所にあった「祇園花月」の出番の合間に訪れた芸人さんたちのもの。みなさん何度も通ってくれたそう。
朝の仕込みのメインは、トンカツはもちろんハンバーグ、フライなどにもかける自慢の「ソース」。ブイヨンにデミグラスソースなどを独自にブレンドした自家製で、毎朝継ぎ足しながら作ることで、よりコク深いソースになるそうです。
大量のお米を炊き、トンカツ用の大きな肉をカットし…と厨房で忙しく働いていると、時刻はもう11時。「食堂はやし」の開店時間です。メニューはトンカツのほかにカキフライや唐揚げなどおよそ50種類。うち、定食メニューはおよそ30種類。どれもボリューム満点で食べごたえがあり、お値段も1000円前後とリーズナブルです。
店内には海外からのお客さんも。英語で接客しているのは、林さんの妻で女将の智恵子さん(64)です。京都とあって店内が外国人観光客で埋め尽くされることもあるそうで、学生時代に英語を学んだ智恵子さんがいるおかげで「(店は)もってるようなもん」と林さんは感謝しています。
そんな林さん夫妻が出会ったのは大学時代。今年で結婚42年目になるそうですが、まさか一緒に食堂をやることになるとは思わなかったそう。智恵子さんは「サラリーマンの奥さんになる予定で結婚したのに」と苦笑しながらも、「元気でやらせてもうてるんでありがたい」と女将の仕事にやりがいを感じているようです。
午後3時、お昼の営業が終わり、ホッとひと息…と思いきや、慌ただしく食材の買い出しに出かけていく林さん。「食堂はやし」の定休日は日曜日のみ。夜の営業が始まるまでの休憩時間しか、買い物の時間がないのです。
そして午後5時、夜の営業がスタート。仕事で京都に滞在中で「ここ10日ほどほぼ毎日来てる」という男性は、「“おいしい”“種類多い”“安い”“女将さんもべっぴん”やし四拍子!」と「食堂はやし」の魅力にすっかりハマっているようです。
林さんには大切にしている言葉があります。それは、お店の看板に書かれた「“は”ようて、“や”すうて、おいしい“し”」。「はやし」の屋号にちなんだキャッチフレーズですが、「3つそろわんでも、何か1つでも(お客さんの心に)引っかってもらえたら」と林さん。
“早さ”“安さ”、そして“おいしさ”でお客さんの心を満たしたいーーそんな林さんの思いが、「食堂はやし」がたくさんの人に愛される原動力になっているようです。
「実録!人情食堂」は、2月2日(月)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)で紹介しました。



















