「ポツンと一軒家」83歳現役ライダー。夫の死のショックに記憶を消失! 自身も3週間昏睡状態の大病を乗り超え、今は花を育てる日々
衛星写真でみつけた謎の一軒家の実態を徹底調査する番組『ポツンと一軒家』(ABCテレビ)。11月23日(日)の放送回では、奈良県の山中を訪れた。
最寄りの集落で高齢のお母さんと息子夫婦が住んでいるという情報をきき、地元住民の案内でやってきたポツンと一軒家は、ガードレールもない狭く険しい山の一本道の先にあった。
そこに住んでいたのは、母(83歳)、長男(59歳)、長男の妻(58歳)の3人。築100年以上という古民家だが、元々分家の空き家だったところに、本家が約70年前に火事で焼失したため移り住むことになったという。35〜36年前まではほかにも家があったが、今はこの家だけがポツンと残されている。
83歳の母は、驚くべきことに63年もの間バイクに乗り続ける現役のライダーだ。細く急な山道で重さ100kgのバイクを巧みに操る姿は、年齢を感じさせない。このバイクは、単なる移動手段ではない。子どもたちが小さいころには送り迎えに活躍し、今は買い物や地域の集まりに出かけるための、彼女にとってなくてはならない生活の足なのだ。
母は、23歳で柿農家を営むこの家に嫁いできた。収穫や剪定など、仕事は決して楽ではなかったが、「大変だったけれど、生き甲斐のある生活だった」「一日が早かった」と充実した日々の記憶を振り返る。優しかった義父母を亡くした後は、最愛の夫と暮らしていたが、夫も60歳の若さで余命6ヵ月という診断を受けてがんで亡くなった。あまりのショックに、母はそのとき記憶を消失しているという。

一人になった母は、人手のかかる柿農家を廃業。そして14年前には、母自身も大病を患い、3週間も昏睡状態が続き、生死の境をさまよった。それを機に、都会で暮らしていた長男夫婦が実家へ戻ることを決意。家族の愛に支えられ、母は奇跡的な回復を遂げた。
しかし5年前、今度は長男がレビー小体型認知症と診断された。妻は、夫の介護に専念するため仕事を退職。そして、家にいながら収入を得るため、白いスニーカーにオリジナルのデザインを描く「スニーカーペイント」という新しい仕事を始めたと語る。
母の現在の趣味は、花を育てることだという。その花を亡き夫と、その両親が眠るお墓に供えている。彼女にとって花を育てることは、日々の暮らしの中で亡き家族を想い、対話するための大切な時間となっている。
彼女はこの家を夫と義両親との楽しい思い出がたくさん残るかけがえのない場所、「私の家」だと語る。そして長男夫婦との笑いが絶えない暮らしの中で、新たな思い出を作る場所でもある。花の世話に畑の草刈り、公民館で仲間と体操したりおしゃべりしたり、元気はつらつ活動的な母。ライダー歴63年、今も颯爽とバイクで出かける83歳の生活は、これからもアクセル全開だ。
ゲストに馬場典子と小森隼(GENERATIONS from EXILE TRIBE)を迎えたバラエティ番組『ポツンと一軒家』(ABCテレビ)は、11月23日(日)の放送で紹介された。











