ご飯と味噌汁がお替わり自由&小鉢も取り放題で500円! お揃いコーデの双子姉妹が迎える大阪・八尾の人情食堂!!
街のおいしい店に潜入し、店主の人柄からにじみ出る人気の秘密を発見するシリーズ「実録!人情食堂」。今回は、定食がワンコインで味わえる大阪・八尾市の食堂に密着しました。
工場が建ち並ぶ街の一角にある「あたか食堂」は、おいしい家庭料理が評判のお店。切り盛りするのは、おそろいのピンクのエプロンがよく似合う姉の安宅由枝さん、妹の史枝さんの双子姉妹です。
人気の定食は、ハンバーグやクリームコロッケなどメインのおかずにお替わり自由のご飯と味噌汁、さらに数種類から選べる日替わりの小鉢料理もついてなんと500円! 驚きの安さをこの物価高の中でもキープし続ける秘密とは…?
「あたか食堂」の開店は朝7時。その少し前の6時45分、由枝さん、史枝さんはおそろいのピンクの自転車でお店にやって来ます。自転車も同じなら洋服もカバンもまったく同じの仲よし姉妹がさっそく取りかかるのは朝定食の準備。こちらも炊きたてのご飯に味噌汁、食べたいものを好きなだけ選べる小鉢のセットで400円です。
お店が開くとすぐ、常連の岡村さんがやって来ました。注文は「ネバネバ定食」500円。ご飯に納豆とオクラ、生卵にやまいもを載せた岡村さん専用の裏メニューです。8時前にはもうひとりの常連さんが来店。こちらは焼き魚をアテに朝からビールを楽しんでいます。
そんな2人の常連さんは、「あたか食堂」の破格のお値段をありがたく思いながらも、ちょっぴり心配もしているよう。「こんなんでよく商売やっていけるなと…」とお店を案じ、「値段を上げたらどうや、と一応は忠告してる」のですが…。
しかし、当の安宅姉妹は「(安い方が)喜んでもらえる」とケロリ。お腹も懐も大満足で「“おいしかったよ”って言ってもらえた時」が何よりうれしいと笑います。「おいしかったよ」のひと言を聞くために、ワンコインでお腹いっぱいになれる定食を作り続けているのです。
【動画】安さのために仕入れや仕込みに工夫を凝らす、姉妹の大奮闘にも密着!おいしさはそのままにハンバーグ作りのコストを抑える涙ぐましい努力とは?
午前11時、朝食タイムが終わってメニューが変わり、定食が500円に。あんかけそばやカレー、しょうが焼きなどおいしそうなメイン料理に加え、種類が豊富な小鉢も選び放題とあり、お昼時は大盛況です。
安宅姉妹が食堂を始めたのは15年前。高校卒業後、会社員として働くかたわら、劇団員として活動を続けていた2人は、劇団の関係者が始めた飲食店を手伝ったのをきっかけに自分たちのお店を持つことに。おいしいご飯と姉妹の魅力が多くのファンを引き寄せ、この15年、お客さんが来なかった日は1日もなかったといいます。
日は落ちて午後7時、夜の店内もほぼ満席。そんななか、2か月前に近所に越してきたというご夫婦が夕食を楽しんでいました。「ここのあじフライが一番好き」という奥さまは、外出時はいつも車いすで、車での送り迎えが必要。姉妹はわざわざ店の外まで見に行ってくれ、迎えの車が到着することを教えてくれるそうで「すごく気を遣ってくれる」と感激しきりです。
由枝さんは、耳の不自由な馴染みのお客さんとお話がしたいと手話もマスター。お客さん同士にも温かい交流が生まれ、笑顔があふれる「あたか食堂の」魅力は安宅姉妹の「無償の愛」だと常連さんは話します。
午後10時、最後のお客さんを見送ってこの日は閉店。姉妹にこれからの夢を聞いてみると、「このまま(店を)続けていければいいかな」と史枝さん。「みんな年をとって、よぼよぼになっても来るんやで」と常連さんと話しているそうです。
「実録!人情食堂」は、9月29日(月)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)で紹介しました。
