脳震とうで3ヵ月寝たきりに…明豊(大分)前主将「日本一達成してほしい」甲子園アルプスから仲間たちを鼓舞

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夏の甲子園(第107回全国高等学校野球選手権大会)10日目にあたる8月15日2回戦第3試合で、大分代表・明豊と佐賀代表・佐賀北が激突! 明豊ナインは、前主将の3年生・加来航志郎選手に鼓舞されながら、白熱の九州対決に挑んだ。加来選手が主将を退かなかければならなかったのは、2025年春の練習中に襲われた出来事のせいだった……。

【TVer】交代した前主将に甲子園で恩返しがしたい! 両校無得点のまま進んだ佐賀北戦5回表、明豊ナイン劇的先制の瞬間

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入学前から加来選手には、「明豊のキャプテンをしたい」「自分が甲子園に連れていく」という思いがあった。その強い思いは実を結び、彼は晴れて明豊野球部のキャプテンに就任。しかし、今春の練習中にアクシデントから脳震とうを起こし、その影響で約3ヵ月寝たきりに……。大好きな野球ができず、キャプテンも交代せざるを得なかった。

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苦しむ加来選手の励みになったのは、仲間たちのメッセージだ。加来選手は仲間たちの支えもあって、大会直前にチームに復帰。甲子園に連れてきてくれた仲間たちに、「新チーム始まったときに最初に掲げた、日本一っていうのを達成してほしい」という思いを託し、アルプススタンドに立った。

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加来選手に思いを託された、同学年の新主将・岡田晴樹選手は、「今の状況があるのも新チームに加来がいてくれたおかげ」と、試合前にコメント。「加来が作ってくれたチームなので恩返しができるように、いいチームだったと思ってもらえるように試合をしたい」と意気込み、仲間たちとともに佐賀北戦に臨んだ。

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両校無得点の緊迫した試合が動いたのは5回表。佐賀北の3年生エース・稲富理人投手の力投で、明豊はこれまでノーヒットだったが、この回で3年生の4番・加納悠成選手がチーム初ヒットを放った! 勢いに乗った明豊は、その後に満塁とチャンスを広げ、3年生の辻田拓未捕手がセンターの頭上を越すヒットを記録。ランナーが1人、2人、3人と一気にホームへ帰ってきて先制した!

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守備では、明豊が3点をリードする6回裏に、3年生エース・寺本悠真投手が2アウト2・3塁のピンチに。しかし、同学年のファースト・山口純輔選手がスーパープレイでこの回を無得点で終わらせ、佐賀北に“がばい旋風”を起こさせなかった。

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さらに明豊は、8回表に岡田主将がセーフティバントとその後に盗塁を成功させ、ノーアウト2・3塁に。続く加納選手が、レフトへのタイムリーヒットを放って2得点! 最後は見事なダブルプレーで守り切り、明豊は6対1で佐賀北を破って3回戦進出を決めた。

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勝利に沸くアルプススタンドで、加来選手は笑顔だ。「自分(の調子)が悪かったときに声かけてくれた仲間が、甲子園で活躍しているのを見ると自分もうれしいですし、次の試合も頑張って勝ってほしいと思います」と加来選手は語った。みんなで掲げた「日本一」の目標を達成すべく、明豊の挑戦はまだまだ続く。

なお、白熱した明豊と佐賀北の試合ハイライトは、8月15日に放送された『熱闘甲子園』(ABCテレビ・テレビ朝日系列)で紹介された。

番組情報

熱闘甲子園
8月5日(火)〜決勝戦まで連日夜放送 ※休養日除く(予定)※変更の場合あり

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