夏の甲子園、延長戦で慶應に惜敗…広陵・小林主将、母の言葉を刻んだグローブで夢かなわず
女手一つで育ててくれた母親がくれた、グローブと「感謝」「努力」「夢」という言葉が広陵・小林主将に力を与えた。広陵VS慶應の熱戦に手に汗握る高校野球のドキュメンタリー番組『熱闘甲子園』を無料配信中
「夏の甲子園」こと第105回全国高等学校野球選手権記念大会10日目となる8月16日。第2試合は、広島の広陵高等学校(以下「広陵」)が神奈川の慶應義塾高等学校(以下「慶應」)に延長10回タイブレークの末、3対6で敗れた。女手一つで育ててくれた母親に応援されながら甲子園に立った広陵の主将・小林選手だが、日本一の夢は果たせなかった。
広陵の3年生主将・小林選手のグローブには、「感謝」「努力」「夢」という言葉が刺繍されている。この3つは、彼を女手一つで育ててくれた母親の言葉で、「感謝と努力をして自分の夢に向かって頑張りなさい」という想いが込められている。大切な言葉を胸に、小林選手は「自分が主将としてチームを引っ張っていく姿と、バッティングや守備でいいプレーをして日本一になる姿を母に見てほしい」と語った。
母親の言葉通り、感謝の思いを持ちながら努力でつかんだ夢舞台に立った小林選手。そんな小林選手率いる広陵は、1回表に慶應の強力打線に捕まって2点の先制を許してしまった。
しかし、3点を追う3回裏2アウト2塁の場面で小林選手がタイムリーヒットを放ち、1点を返すことに成功! 努力の証は守備でも現れ、母親からもらって3年間使い続けるグローブで小林選手は好プレーを見せた。
その後も小林選手はヒットを打ち、良い流れをつかんだ広陵は7回裏でついに慶應と3対3となった。しかし、同点のまま迎えた延長10回表で勝負の命運を分けるミスが広陵に起きた。1アウト満塁のピンチで内野の守備にほころびが生じ、慶應に勝ち越し点を与えてしまったのだ。10回裏2アウト満塁で逆転のチャンスを作る広陵だったが、得点にはいたらずに最終的に3対6で慶應に負けてしまった。
無念の敗戦となったが、アルプススタンドで応援していた小林選手の母親は、「周りに感謝を忘れずに努力して、夢を持ってかなえてきた結果が今ここにあると思う」と、我が子の今までの努力をたたえた。
一方の小林選手も、「今までありがとう。これからも好きな野球をやらせてもらって迷惑とか心配とかをかけてしまうかもしれないけど、これからもよろしくお願いします」と母親に感謝した。
今大会6度目のタイブレークとなった広陵と慶應の熱い試合が紹介された高校野球のドキュメンタリー番組『熱闘甲子園』8月16日放送回は、動画配信サービスTVerで無料配信中。創成館高等学校(長崎)と沖縄尚学高等学校(沖縄)、文星芸術大学附属高等学校(栃木)と八戸学院光星高等学校(青森)、専修大学松戸高等学校(千葉)と土浦日本大学高等学校(茨城)の試合も胸が熱くなる展開が満載だ。