逆境を乗り越えて、やり直せないものをやり直していく。フクスイボンニカエスが音楽を続ける理由

輝き始めたアーティストたちの音楽と言葉を聞く「GENSEKI」。

フクスイボンニカエス

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大阪府吹田市・江坂のライブハウスを拠点に活動するフクスイボンニカエスは、等身大の歌詞と疾走感のあるサウンドが魅力の4ピースギターロックバンド。
バンド名の由来はことわざ「覆水盆に返らず」。通常は“一度起きたことはやり直せない”ものを、やり直していく。逆境も乗り越えていくというニュアンスを込めて命名しました。

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当初はコピーバンドとして結成。高校2年生の時にコロナ禍に見舞われ、思うような軽音生活が送れなかったことで「大学生になったらやったんねん!」と空回りするような状態だったと、ヴォーカルの植田は語ります。ライブ遠征に行った際、メンバーで長時間話し合う時間を作れたことで「歯車が回り始めた」そう。 僕らのけじめとして、「親に大学まで行かせてもらっているので、大学のことはできて当たり前」というスタンスで活動。
「プラスアルファで、自分たちでお金にしたいと考えて音楽をやっている。結構カツカツの生活ですけど、自分たちがやりたくてやっていることなので、頑張ってます」

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曲作りについて「最初は全部同時に作る感じでしたけど、結構変わりましたね。でも、こだわりは今も変わりません」と植田。
「大枠を決めてからメロディーを決める。パッと降りてきたメロディーや歌詞、伝えたいことをメモに書き溜めてます」。本が好きなので『こういうこと言いたかってん!』というものを本から引用することもあるとか。

「最初は何が正解か分からない。『とりあえずやる』という感じだったなと」
届ける先の人がいるから音楽をやる。そのスタンスは、絶対にくずさないようにしているといいます。
「どんな楽曲でもまず届ける意識を持つ、ということを心がけてます」

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「一貫して『届けたい』と思っているのは、まず『大丈夫』であるということ。プラスな音楽を届けたい」とメンバーはそのこだわりを明かしました。

「いつ何時も聴く人を、届ける先を、イメージした楽曲制作を心がけている。つらいときに刺さるものって元気なときに聴くとしんどい部分があると思うので。いつ聴いても『よし!今から頑張るぞ』となれるような音楽は常に心掛けています」

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ベースの末原は、「音楽って娯楽の一種でもあるので。体感してるときくらいは楽しめる感情と、一度涙を流して前を向ける感情。楽しさ、喜びを味わってもらえたらなと思ってます」。
その言葉に呼応するように、植田は「楽しい音楽だけやっていたい。自分たちも楽しい音楽を聴いてきたし、感情から作られた音楽を聴いてきたんですけど。音楽を楽しむっていうのがやっぱり根底にあるので。僕たちの活動の情熱の源は、自分たちも楽しみたいし、自分たちがやる音楽で聴いてくれる人にも楽しんでほしい」とコメント。「そこがないと、やってられへんよな?」と問いかける植田に、隣の3人も大きく頷きました。

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バンド活動を続けるにあたって、「その時々で悩んだけど、気づいたらこうなってた」とメンバー。「今も悩むことはあるんですけど、いろんな人に支えてもらってるなと思ったら(続けるしかない)。存在をしっかり認識してやっていこうって」

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「僕らが今逃げるようにやめるのは簡単なんです。でも、その簡単な手段をとって、聴いてくれてるリスナーの方であったり、自分自身が5年後10年後に納得できるのかを考えた結果かな。あえて続ける選択をしてるだけですね」
そう語るメンバー4人のまなざしに、迷いはありません。

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