大阪・東成区にある夜間専門の動物病院を定点観測 犬のSOSはどうやってわかる? 「しゃべらないから、どうしようもできなくて…」戸惑う飼い主

街で気になるあの場所、この場所にカメラを置き、夜にやって来る人々の人間模様を探るシリーズ『真夜中の定点観測』。今回は、夜間専門の動物病院に密着しました。

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大阪市東成区にある「大阪どうぶつ夜間急病センター」は“夜間であっても昼間と同じ獣医療を”との思いから、大阪市獣医師会の有志12人が中心となって10年前に開院。この4月からは施設を拡張して最新設備を備え、午後9時から午前5時まで、年中無休でペットの応急処置に対応しています。

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午後9時の開院まもなく、飼い主の家族に連れられてやって来たのは、15歳のジャック・ラッセル・テリア、イヴくん。人間の年齢でいうと70代。先週からすい炎を起こして通院しているそうですが、帰宅後も鳴き続けているため、どこか痛いのではないかと心配になって連れてきたそうです。

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診察した獣医師の渡邊力生さんは、異常を調べるため血液検査をすることに。その間、イヴくんの様子を観察していた渡邊医師は、最近通院が続いていたことで病院の待合室に恐怖を覚え、鳴いているのではないかと推測。そんな犬のSOSも「表情」からわかるんだそうです。検査の結果、異常がなかったイヴくんは、ストレスを減らすため、家で様子をみることになりました。

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午後10時半に現れたのは、推定6歳の保護猫・フウタくん。飼い主が目を離した隙に、フリーズドライの味噌汁の具を食べてしまったそう。具の中にあるネギは猫にとって有害な食べ物で、最悪の場合は命に関わります。胃の中のものを吐かせる薬を飲ませて待つこと30分、フウタくんは無事に吐き出してくれました。

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午後11時半に来院した1歳半のポメラニアン・レオンくんも“誤飲”。おもちゃについていたプラスチックの“輪っか”を誤って食べたらしく、嘔吐したものの中に破片が混じっていたそうです。まだ体内に残っていないかレントゲンで確認すると、胃の中はからっぽ。しかし、腸に流れた可能性もあるため、このまま数日様子を見ることになりました。

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【動画】ペットの不調にまつわる問い合わせは多い日で一日に約50件。深夜に開いている動物病院が少ないため、大阪府外からやってくる飼い主も多いとか。

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午後11時45分、日付が変わるころに助けを求める1本の電話が。初めての出産を迎える1歳のビション・フリーゼ、リンちゃん。ところが、予定日より1週間も早く出産が始まってしまったというのです。

まもなく、飼い主と一緒に来院したリンちゃん。すでに2匹を産んでいて、1匹目は残念ながら亡くなっていましたが、2匹目の子は無事とのこと。集中治療室で温かくして休ませますが、早産のためまだ小さく、予断を許しません。

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さらにリンちゃんのお腹の中をレントゲンとエコーで調べると、まだ2匹の赤ちゃんが。赤ちゃんの発育を考えると出産は遅い方がいいけれど、今すぐ帝王切開で出してあげる方がリンちゃんの体には良い…。どちらを優先すべきか? 飼い主は30分以上悩んだ末、今夜はリンちゃんを家に連れ帰ることにしました。

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そして午前1時すぎ、駆け込んできたのは5歳のチワワ・ちゅらちゃん。1時間ほど前に突然、けいれんを起こしたそうです。心配そうに付き添うのは飼い主の親子。「しゃべらないからね。どうしようもできひんくて…」と深夜にすがる思いでこの病院を見つけ、ちゅらちゃんを連れてきたそうです。

検査の結果、特に問題は見つかりませんでした。あとは帰るだけというそのとき、再びけいれんが! 体を冷やして薬を投与してやると、1時間ほどで落ち着きを取り戻したちゅらちゃん。ようやく家族と一緒に家に帰ることができました。

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夜間専門の動物病院に密着した『真夜中の定点観測』は、6月16日(月)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)で紹介しました。

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