12時間芸人舞台裏大密着記！！『第46回ABCお笑いグランプリ2025』準決勝　R-1チャンピオン友田オレ　「戦いの場なのにお祭り感という独特の雰囲気」　舞台袖でまさかの？？？

2025.06.27

ダウンタウン、ナインティナイン、中川家、ますだおかだ、フットボールアワー、千鳥、かまいたち、霜降り明星・・・今のお笑い界をけん引するレジェンドたちが、芸人人生の大きな通過点として参戦・制覇した「ABCお笑いグランプリ」

その準決勝が6月17日に大阪のABC朝日放送に隣接するABCホールで開催された。東京組は、前日深夜23時に夜行バスで大阪へと向かい、大阪組も早朝からリハーサルをこなす。この長い長い一日に密着し、熱い思いそして出番前後はどのように過ごしたのか聴いてみた。

PART２の今回は、R-1チャンピオンとなった友田オレさん、ダウ90000の蓮見翔さん、昨年のお笑いグランプリエンディングでまさかのワンピース歌舞伎で登場した金魚番長の古市勇介さん、かが屋のお2人に突撃取材！

【PART１　コント師えびしゃ・サエキ　ABCのホワイトボード消しが全然消せない事件！？】

時計は午前11時を回る。地下の控え室にはリハーサルを終えた芸人が戻ってくる。

ABCお笑いグランプリは、他の賞レースと比べて、コンビやトリオ問わず様々な漫才師とコント師がいて、その上にピン芸人まで参戦している。そこで、一昨年のABCお笑いグランプリに学生でありながら決勝進出を決めて、一躍知名度を上げ、今年はR-1グランプリ王者にも輝いた友田オレさんにもインタビューを申し込んだ。

―一昨年のABCお笑いグランプリ決勝進出は、友田さんにとっても大きな出来事となりましたよね。

友田『まだ当時は学生でしたので、お笑い1本でやってもいいかなという判断材料になりました。間違いなく人生の岐路でもありましたね。一昨年は東京で準決勝だったので、去年初めて夜行バスに乗って大阪に来ました。今年は福岡での単独ライブが明後日に控えている事もあり、その流れで新幹線前乗りしてホテルに泊まりました。想い出を取るか快適を取るかで、快適を取りましたね』

――今年、R-1グランプリ王者になられて、単独ライブツアーもされて、テレビなど多くの露出も増えた中で、それでもABCお笑いグランプリに挑戦されるのは何故ですか？

友田『確かに忙しさは去年までと全く違いますけど、ここでもう1回ABCお笑いグランプリで決勝に行ったら、真の実力者の称号をもらえるんじゃないかなと。他の賞レースとは違って、攻略の難易度も難しいんですよ。戦いの場なのに祭感という独特の雰囲気もありますし。2年前、決勝の生放送の舞台袖でいたら、向こうの舞台袖にいるダウ90000が8人全員で手を振ってきたんですよ。令和ロマン、ダウ、ハイツ友の会という熾烈なブロックの中で、その出来事は印象に残っています』

祭感があるとはいえ、やはり戦は戦。獲りたい想いは重々に理解できるが、大変には変わりが無い中、何故、皆ABCお笑いグランプリに出場を続けるのだろうか。3年連続決勝進出して、去年は3位にもなったダウ90000も、そんな1組である。今年は8人組のダウではなくて、2人組の3000として初出場。話題に上がったばかりでもあるので、蓮見翔さんに話を聴きに行く。

蓮見『去年の結果に満足をしていたので出ないつもりでした。ただ他の賞レースに出て、結果に満足がいかないところがあって。ABCお笑いグランプリは、ちゃんと自分が満足できるジャッジをしてくれる有り難い大会なので、今回も出る事にしました。コントで漫才師、ピン芸人とも戦えるのはここだけですしね。それにお祭り感もありますから』

――実は今、友田さんにインタビューをしたのですが、同じ事をおっしゃってました。一昨年の決勝で友田さんがいる舞台袖に向かって、真向いの舞台袖からダウ8人全員で手を振ってきた事が凄く印象に残っているとも話されていました。

蓮見『えっ？！　全然覚えていないです。緊張していたので誤魔化すためにやったんだと思いますよ。僕らは人よりお笑いをやっていないと、お笑いをやっていると思われないので、出続けています。ネタをやる場にしては楽しさもある変な空間ですよね』

――8人組と2人組の違いもたくさんありますよね。

蓮見『去年はレンタカーを借りて、僕が運転してメンバー全員を乗せて来ましたは、今年は新幹線で前乗りしてホテルに泊まりました。2人で車に乗っても意味がわからないので(笑)。ネタ自体も8人だと詰め込まないといけないので、2人の方が4分のネタは楽です。ただ、2人でやる場がほとんどないので、今日も2回しかやった事がないネタなんです。あと、今、他の仕事の〆切も1本抱えていて…。食べられるようになって有り難いですが、本当は今日1日「ABCお笑いグランプリ」だけに集中したいんですけどね』

どれだけ多忙になっても、この「ABCお笑いグランプリ」を獲りたいと思わせる魅力はとてつもない。ここで決勝に進出して知名度を上げた人たちは、その想いが格段と強くなっていく。去年、初決勝進出を果たして、ファイナル決戦には進めなかったものの、架空の2本目のネタ『ワンピース歌舞伎』を発表して、結果エンディングで、そのメイク衣装で登場することになり、話題をかっさらったコンビ・金魚番長の古市勇介さんに話を聴いてみた。

――兎にも角にも去年はとんでもないくらいに話題になりました。

古市『ブラックリストに載らず、出禁にもならず、今年も出場が出来て良かったです！　でも、初めての地上波生放送は緊張がヤバかったですね。後は、あのワンピース歌舞伎の事しか言われないです(笑)。芸人からも凄く言われましたね。あれは、その場で思いついて言っただけで、異常事態になったと思いますけど、局ぐるみで動いてくれるなんて、ABCは良い会社です。東京の局じゃ有り得ないと想いますし、大阪ならではでしたね。今年は決勝で2本ネタをして優勝をします。異常事態で話題になるのでは無くて、ネタで頑張りたいです』