史上稀にみる大激戦!インディアンスら決勝経験者も涙をのんだ容赦ない漫才サバイバル【M-1グランプリ2024敗者復活戦リポート】
今年、遂にエントリーが1万台を突破し、1万330組が記念すべき20代目の王者を目指した「M-1グランプリ」。決勝進出、残りのひと枠を賭けた敗者復活戦が決勝と同日の12月22日に行われた。
21組の漫才師は準決勝の順位をもとにA・B・Cの3つのブロックに7組ずつ分かれ、順番に4分間の漫才を披露。1組目とネタを終えたばかりの2組目、どちらがおもしろかったかを約1600名の観客の中からランダムに選ばれた500名の審査員が投票。最終7組目までサバイバル方式で競い、勝ち残った1組が各ブロックの勝者となる。さらに、M-1グランプリを知り尽くした芸人審査員が各ブロックの勝者3組の中から一番おもしろいと思った1組に投票。得票数がもっとも多かった組が決勝進出となる。
芸人審査員を務めるのは歴代のチャンピオンたち。渡辺隆(錦鯉)は「去年ここで大暴れしたエバース、バッテリィズ、トム・ブラウンがみんな決勝に行ったので、今年もそういう人たちに期待したい」とコメント。初めて芸人審査員を務める井口浩之(ウエストランド)は「つまんないやつがいたら悪口を言ってやろうと思っていたんですが、ここまで来たらみんなおもしろい」と素直に評価。斎藤司(トレンディエンジェル)は「敗者復活戦から優勝したことだけが特技なのでその目線でしっかり審査します」と気を引き締める。
トップバッターは準決勝初進出の男女コンビ十九人。ゆッちゃんwがテンション高く会場を盛り上げるも、今夜も星が綺麗は三福エンターテイメントがダークなキャラを演じる漫才コントで66%と勝利。しかし、テンポ感抜群のギャグ漫才が武器のフースーヤに34%で敗れると、三福は「負けたからって夢は終わらないです」と渋い声で捨てゼリフを残した。
ボケの渡辺が真面目な顔で恋バナを繰り広げたドンデコルテはフースーヤに56%で勝利をもぎ取るも、ファンタジーなテーマと得意な歌を掛け合わせたダンビラムーチョが74%と昨年ファイナリストの実力を発揮。しかし、勢いのある漫才でうまくオチをつけた金魚番長に49%で惜しくも敗れ、その後は「箕輪ー、古市ー、がんばれー!」と笑顔で金魚番長を応援した。先輩からの応援を受けた金魚番長は、2022、2023ファイナリストのカベポスターを61%で破ると、「原田さーん、大原さーん、がんばったよー!」と大声でダンビラムーチョに喜びの報告。井口は「暫定で残って勝った金魚番長は漫才うまいなと思いましたね」と感心していた。
Bブロックでは、濃いオタク漫才を披露したカラタチ25%でナイチンゲールダンスに敗退。しゃべくり漫才の滝音が53%でナイチンゲールダンスに勝利すると、昨年ファイナリストのマユリカが64%で暫定1位をもぎとり、久保田かずのぶ(とろサーモン)から「腹抱えて笑いましたね」とうれしい言葉が。
昨年結成の家族チャーハンに44%と追い込まれ焦るマユリカだが、2年ぶりの決勝を狙う男性ブランコを53%、豪快キャプテンにも79%と圧勝した。
Cブロックは、昨年敗者復活戦から決勝に進出したシシガシラからスタート。「2年連続決勝行きますよ」と意気込みを見せると、斬新な着眼点の漫才を繰り出した豆鉄砲を60%で下した。しかし、昨年準決勝で敗退したオズワルドが4年連続決勝進出の実力を発揮。73%で勝ち残ると、審査員たちも「めちゃめちゃ構成が仕上がってた」(野田)、「ありそうな話を斜めに深く掘り下げるオズワルドの強いところが出てた」(渡辺)と唸った。
ところが、底抜けに明るいボケで会場を盛り上げたスタミナパンが56%とまさかの番狂わせ。例えば炎は刑事の漫才コントでタイムオーバーとなり39%で敗退。そして、田渕のボケを連打したインディアンスがスタミナパンから58%で勝利をもぎ取り、3年ぶりの決勝に向けひつじねいりとの一騎打ちへ。初準決勝のひつじねいりは王道のしゃべくり漫才でラストを飾る。結果はなんと51%とギリギリでインディアンスが勝利。田渕は「マジでうれしい!」と大喜び。陣内は「名前はめちゃめちゃ轟かせたよ」とひつじねいりを称えた。
各ブロックの勝者は、Aブロックの金魚番長、Bブロックのマユリカ、Cブロックのインディアンスの3組。審査員たちは「むちゃくちゃ難しいですね、みんな頭抱えてた」(久保田)、「去年より難しい。3組とも入れる理由がある」(野田)、「決勝で活躍してくれる人を選びたいですね、どうしよう」(斎藤)と全員を悩ませた。審査員投票の結果は、マユリカとインディアンスが2票ずつ獲得。上位2組の決選投票となり、マユリカが3票で決勝進出を勝ち取った。