韓国で45年ぶりとなる大混乱が起きた。ユン・ソンニョル大統領が、戦時を始めとする非常事態に発令する「非常戒厳」を宣布し、一時は大勢の国民と軍隊が衝突する事態になったのだ。この突然の宣布の背景には、ユン大統領が美人妻を守るためだったという説が浮上しているが、はたして……!?

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12月3日夜にユン大統領が突然宣布した非常戒厳とは、戦時といった非常事態に大統領が発令できる戒厳令の一種。発令されると、軍が行政や司法の権限を掌握し、言論や出版、集会などの自由が制限されるため、猛反発した国民が国会議事堂に詰めかけ、軍隊が出動する事態になった。その後、深夜に国会が開かれ、発令から約6時間後に非常戒厳は解除。この責任を取るため、大統領府高官らが一斉に辞任した。

韓国国民の誰もが予想しなかった、非常戒厳の宣布。ユン大統領が、この異例中の異例である宣布を強行した理由は、本人いわく、「我が国民の自由と幸福を略奪している破廉恥な“親北朝鮮反国家勢力”を根絶する」ためだ。彼が言う反国家勢力とは野党のこと。「野党が政府高官や検察に相次いで弾劾訴追案を出し、司法や行政をマヒさせている」らしいが、民主主義国家である以上は非常戒厳でなく、本来は国会で話し合って問題を解決しなければならない。

一方で、ユン大統領が非常戒厳を発令した本当の理由は、キム・ゴンヒ夫人を守るためだったという説も浮上している。キム夫人といえば、50代とは思えない美貌から「美しすぎるファーストレディー」として有名だ。そんな彼女には、不当な政治介入疑惑、ブランドバッグの収賄疑惑、自動車企業の株価操作に関与した疑惑といった、さまざまなスキャンダルがあるのだ。東海大学教授の金慶珠氏いわく、「二カ月くらい前から、いわゆる選挙ブローカーに絡む疑惑っていうのが新しく出ている」という。

もしもユン大統領が、本当にキム夫人を守るために非常戒厳を発令したとしたら、それはあまりにも杜撰(ずさん)な計画だ。かつて彼は検事総長で法律のプロだったため、国際ジャーナリストの山田敏弘氏は、「（他の理由があって）何か勝算があったとしか思えない」と私見を述べた。いずれにしても今後のユン大統領の言動で、韓国だけでなく、日本を含む諸外国に何かしら影響が出ることは間違いないだろう。

なお、韓国の騒動は、12月7日に放送された情報バラエティ番組『教えて！ニュースライブ　正義のミカタ』（ABCテレビ）で詳しく紹介された。