創業46年、密着取材お断りの店にカメラが潜入!御年86歳の現役料理人が今回特別に取材をOKした理由とは…?

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大阪・東大阪市、近鉄長瀬駅から歩いて10分の「洋風そうざい アバ」。創業当時は近所のスーパーの中にお店を構えていましたが、26年前にこの場所に移転しました。

店主はなんと86歳!実は、このお店、創業46年、“密着取材お断りの店”。

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「多くの年寄りに気概(困難にくじけない強い意志)を与えようという、その主旨に感動した」と今回特別にカメラが潜入させてもらえることになった理由を教えてくれたのは、店主の平見勝利さん。

生涯現役料理人を目指す「人情コロッケ屋さん」に、独占密着しました。

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午前5時半すぎ、出勤してきた勝利さんは、昭和13年(1938年)元日生まれの御年86歳。18歳からサラダ専門店や食肉加工会社で働き、40歳で独立して「アバ」を開業。妻・重子さん(83)に支えられながら店を続けてきました。

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看板メニューのビーフコロッケは1個120円。サクサクの衣にたっぷりのじゃがいも、少し甘みのある味つけが人気です。そのほか、ハンバーグやゆで卵を入れた変わり種コロッケ、ローストビーフや豚肉の甘酢煮、玉子焼き、煮込みハンバーグなどのお店のメニューを、なんとひとりで作っている勝利さん。これらを大忙しで調理する朝の時間は「必死のパッチ」なんだそうです。

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開店は午前10時。続々とやって来るお客さんの一番人気は、やっぱりビーフコロッケ。くじ引きで当たりが出ると、コロッケが無料で3個もらえるサービスも大好評です。「商いは心でするもの」がモットーの勝利さん。お客さんに喜んでもらえる商いをいつも心がけているのです。

【動画】腰のコルセット装着し、楽しんで働いていると話す店主の平見勝利さん。

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午後5時、小学生の男の子3人組がお店にやって来ました。彼らのお目当ては4時半から割引になるコロッケ。4個で300円とお得になったコロッケをみんなで買い、公園で一緒に食べるというのです。晩ご飯の前、小腹が空いた子どもたちにも「アバ」のコロッケは人気です。

そして午後6時には閉店。これが「アバ」の日常ですが、週末になるとお店にはある“変化”が…。

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土曜の午前6時、やって来たのは近くに住む國谷治史さん(54)。平日はIT関係の会社に勤めるサラリーマンですが、週末だけは勝利さんの“お弟子さん”となり、調理を手伝いながらコロッケ作りを教わっているのです。

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25年前、國谷さんは妻の勧めで「アバ」のコロッケを初めて食べて以来、おいしさの虜に。「この味を残したい」と勝利さんに弟子入りし、今年でなんと6年目。最初は包丁もほとんど握ったことのない初心者でしたが、勝利さんにイチから料理を習い、今ではほぼひとりでコロッケを作れるようになりました。

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それでも、潰した大量のじゃがいもを合い挽きミンチや調味料などと混ぜ合わせる大事な作業は勝利さんの担当。「絶対にじゃがいもを練ったらあかんねん」「切るように混ぜろ」と大きな木じゃくしで力強く混ぜる姿は、とても86歳には見えません。

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弟子の國谷さんが独立できるほどに腕を上げるまでは「まだがんばらなあかん」と勝利さん。“おいくつまで現役でがんばりますか?”と記者がたずねると、「100歳まではやるつもりでおる」と宣言してくれました。

御年86歳の現役料理人が腕を振るうコロッケ屋さんは、お店を愛してくれるお客さんのために、今日も元気に営業中です。

東大阪の“人情コロッケ屋さん”は9月30日(月)放送の『newsおかえり』(毎週月曜〜金曜午後3:40〜)の特集コーナーで紹介しました。

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