“全ゲーム逆転勝ち”智弁学園(奈良)、劣勢跳ね返せず号泣 「夏の甲子園」準々決勝で完封負けするも「悔いはない」
8月7日から開幕した「夏の甲子園(第106回全国高等学校野球選手権大会)」で、強豪・智弁学園(奈良)が準々決勝敗退となった。これまでの全ての試合で逆転勝ちしてきた智弁学園だが、“完封Wサウスポー投手”擁する京都国際(京都)からは1点も奪えずに涙した。
【動画】3連続完封勝利! 京都国際(京都)の“Wサウスポー投手”をリードするキャッチャーは何者!? 熱闘甲子園キャスター・古田敦也が解説
強豪・智弁学園の打線は下位まで長打力があり、キャプテンの3年生・知花琉綺亜選手は奈良大会でチーム最多8安打、同学年の佐坂悠登選手は奈良大会3回戦で2打席連続本塁打を記録している。チームの持ち味は、驚異の粘り強さ。なんとここまで、逆転で勝ち上がってきたのだ。「先に1点を取られても、最後の最後に1点取り返す」「何点差あけられようが、自分たちは追いつく自信がある」と、知花選手や佐坂選手の闘志は8月19日の準々決勝前から燃えていた。
“逆転の智弁”の相手は、“完封Wサウスポー投手”がいる京都国際。2回戦で完封した2年生の西村一毅選手と、3回戦で完封した3年生エース・中崎琉生選手が守りの柱だ。4回裏、智弁学園はそんな京都国際に先制タイムリーを許し、その後も追加点を与える事態に。この逆境こそが智弁学園の力になる。7回表、その力で知花選手はセンターへのヒットを放った。
しかし、知花選手がホームベースを踏むことはなかった。彼率いる智弁学園は、その後も京都国際の西村選手から1点も奪えない……。最後は知花選手が空振り三振を喫してゲームセットとなり、智弁学園は京都国際に0対4で完封負けとなった。
幾度となく劣勢を跳ね返してきた智弁学園だが、京都国際の守備はあまりにも鉄壁すぎた。智弁学園ナインが涙する中で、佐坂選手は、試合後のインタビュー中に号泣のあまり言葉が続かなかった。それでも彼は、「最後の最後まで全員が佐坂に回せと言ってくれて……」と仲間たちに感謝し、「自分は打てなかったですけど、自分がやってきた練習に悔いはないです」とはっきり語った。
なお、逆転の智弁と鉄壁の京都国際の試合ハイライトは、8月19日に放送された「熱闘甲子園」で紹介された。