早稲田実(西東京)と延長10回大接戦 鶴岡東(山形)投手・櫻井椿稀、サヨナラ負けでも「悔いはない」
8月7日から開幕した「夏の甲子園(第106回全国高等学校野球選手権大会)」で、伝統校・早稲田実(西東京)相手に、鶴岡東(山形)はロースコアの大接戦を繰り広げた。延長タイブレークの末にサヨナラ負けしたものの、9回まで無失点に抑えた鶴岡東のエース・櫻井椿稀投手に悔いはなかった。
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鶴岡東の3年生・櫻井椿稀選手は、夏の甲子園1回戦で強豪・聖光学院(福島)相手に1失点完投したエース。彼が2回戦の相手・早稲田実で最も注意しているのは、1回戦の成績が3安打3打点だった大会屈指のスラッガー・宇野真仁朗選手だ。強敵相手に“とにかく低めに投げる”戦法をとり、「相手がどこであろうと自分たちの野球をして、一戦必勝で勝てるように頑張りたい」と、櫻井投手は試合前に明かした。
その宣言通り、櫻井投手は低めに投げて、投げて、投げまくった。強敵・宇野選手を低めのボールで完璧に封じ、なんと9回裏まで早稲田実に得点を許さなかった。0対0の大接戦は、延長タイブレークへ……!
延長戦に入っても早稲田実の壁は厚く、鶴岡東は10回表で先制のチャンスも得点できなかった。逆に、その回の裏で1アウト満塁になり、鶴岡東は一打サヨナラのピンチに……。櫻井投手の魂が込められた121球目は、ライトの頭上を越えるヒットとなり、鶴岡東は早稲田実に0対1でサヨナラ負けした。
惜しくも3回戦に進めなかったものの、“自分たちの野球”で伝統校を追い詰めた鶴岡東。そのエースである櫻井投手に涙はない。やりきった顔でマウンドを去った彼は、「低め低めというのを意識して投げました。自分の力は出し切れたので悔いはない」と試合後のインタビューで語った。
なお、8月15日に行われたこの熱い試合のハイライトは、同日放送の「熱闘甲子園」で紹介された。