花巻東OB佐々木麟太郎の祈り届かず…妹・秋羽が涙。女子高校野球初V逃す
第28回全国高等学校女子硬式野球選手権大会で、神戸弘陵学園(兵庫)が優勝に輝いた。対戦相手の花巻東(岩手)を応援しようと、同校男子硬式野球部OBで歴代最多の高校通算本塁打数記録を持つ佐々木麟太郎も駆け付けたが、祈りは届かなかった。
【動画】女子高校野球決勝、神戸弘陵学園が史上初の快挙か、花巻東が初優勝か? 一進一退の攻防、同点の均衡が崩れたのは6回表
花巻東といえば、大リーグで活躍する大谷翔平や菊池雄星の母校で高校野球の強豪校。彼らの後輩にあたる佐々木麟太郎は、高校野球歴代最多記録である通算140本塁打を放ち、2023年の夏の甲子園で一躍有名になった。高校卒業後はアメリカのスタンフォード大学に進学した麟太郎が一時帰国して向かったのは、阪神甲子園球場。目的は、妹・秋羽選手を応援するためだ。
秋羽選手は、花巻東女子硬式野球部のキャプテン。仲間たちとともに初優勝を目指し、前回大会王者・神戸弘陵学園を相手に、5回裏まで一進一退の攻防を繰り広げた。しかし、両チーム無得点のまま迎えた6回表で、その均衡は崩れた。花巻東は、神戸弘陵学園から2点を奪われてしまったのだ。
なんとしても逆転したい花巻東は、6回裏に1アウト2塁というチャンスを得る。この場面で打席に立ったのは秋羽選手。兄に見守られながら懸命にボールに食らいつくものの、秋羽選手は惜しくも空振り三振で出塁できず……。花巻東は無得点のまま、最終的に神戸弘陵学園に敗れてしまった。神戸弘陵学園ナインが史上初の2年連続春夏連覇で沸く中、秋羽選手率いる花巻東の選手たちの瞳には涙が……。
試合直後は多くの選手が涙した花巻東だが、全力を出し切った今の彼女たちの表情は晴れやか。「3年間頑張ったなっていうのと、準優勝できて嬉しいなっていう思いがあります」と秋羽選手は笑顔で語り、仲間を抱きしめて互いの健闘を称え合った。なお、女子高校野球決勝の試合ハイライトは、8月8日に放送された「熱闘甲子園」で紹介された。
次は、花巻東男子硬式野球部が活躍する番。8月7日から開幕した「夏の甲子園(第106回全国高等学校野球選手権大会)」の7日目第4試合に、同男子硬式野球部は出場する。彼らが女子硬式野球部の想いを受け継ぎ、熱いプレーを見せてくれることに期待が高まる。