芸人さんの舞台裏密着12時間!! 『第45回ABCお笑いグランプリ』準決勝 スタッフあたふた!M-1王者令和ロマンくるま 到着するや否や!
ダウンタウン、ナインティナイン、中川家、ますだおかだ、フットボールアワー、千鳥、かまいたち、霜降り明星・・・今のお笑い界をけん引するレジェンドたちが、芸人人生の大きな通過点として参戦・制覇した「ABCお笑いグランプリ」
その準決勝が6月21日に大阪のABC朝日放送に隣接するABCホールで開催された。総エントリー数568組中、準決勝に進出できたのは45組。そこから7月7日(日)に生放送される決勝に進出できるのは、たったの12組。準決勝の長い長い1日に密着し、出番前後や待ち時間、芸人さんは大阪でどのように過ごしたのか、ライター鈴木淳史が直接芸人さんに聴いてみた。
PART3の今回は「M-1」チャンピオン・令和ロマンのお2人に密着!ABCに到着するや否や、いきなり!?
【戦う前から準決勝の戦いは既に始まっていた!?準備万端のかが屋・加賀 完璧すぎる・・・密着記PART1はコチラ】
決勝戦は、7月7日(日)七夕だ。楽屋には笹が飾られ、皆思い思いの願い事を書いている。
昼3時前、ダウ90000を始めとした各組が廊下であったり、壁の前であったり、ネタの最終調整に入っている。その横では大阪組の若手はるかぜに告ぐが出番直前コメントを撮影していた。
すると、あたりがザワつき出したので、何事かと後ろを観ると、令和ロマン・高比良くるまさんが控室に入った。すぐに近くにいたスタッフたちに準決勝会場であるABCホール舞台袖の行き方を聴いている。入ってすぐに、もう舞台袖を観に行きたいというのに驚いたし、何せ彼らの出番は大トリで夕方6時。それまでの3時間、「M-1」チャンピオンであるにも関わらず、しっかりと各組のネタを観るという余念の無さに本当に驚いてしまう。
夕方に入り、時刻は4時15分。ABCホール舞台袖下の控室で出番直前のヨネダ2000が最後のネタ合わせをしている。
観覧客のトイレタイムも兼ねて、休憩時間に入っていた事もあり、舞台袖にいたくるまさんも出番前の出演者が控えるスペースにきて、ヨネダ2000のネタ合わせをじっと見つめていた。軽くアドバイスの様な会話もしている。ライバルであり同志でもあるという貴重な瞬間だった…。
かが屋の2人は、出番終わり、どこか出来で気になるところがあるのか、それぞれ何かしら考えあぐねる。
あっという間に夕方6時目前。令和ロマンが前の出番であるフランスピアノのネタを笑って観ている。フランスピアノが舞台袖に降りてくると、くるまさんが『今日一番おもしろかったよ』と声をかけている。それは社交辞令などではなく、本気の言葉であったし、3時間続けて、いかに真剣で冷静に各組のネタを観てきたかという事だ。
【食パン15枚完食!?空き時間 心も胃袋もいっぱいに・・・密着記PART2はコチラ】
夕方6時5分。令和ロマンが漫才を終えて、舞台袖に戻ってくる。
「M-1」チャンピオンなのだから、当たり前だが、王者の風格しか漂っていない…。4時間という長丁場の予選であったが、大トリで令和ロマンを観られた事に、観覧客の皆さんも大満足していたし、何よりも完全に場が締まった感じがした。控室に戻り、すぐコメント撮影をしていたので、その終わりを待ち、インタビューをお願いする。
―まずは出番お疲れ様でした。くるまさんが3時頃に来られて、すぐに舞台袖に行かれたのが、とても印象的でした。
くるま『基本そんな感じですね。1ネタでも多く観たくて。本当は2時から全組を観たかったのですが、東京の仕事で少し遅れてしまって、それでも3時頃は気になる組が多かったので、すぐに観に行きました。初めて大阪で準決勝を受けますし、(2023年優勝コンビ)ダブルヒガシさんのMCの感じも観たかったですから』
―(松井)ケムリさんは、くるまさんがすぐに舞台袖に観に行くというのはわかってましたか?
ケムリ『(舞台袖に)いるんだろうなとは思っていました。だから、出番前まで会えないなと思っていました(笑)』
―大阪で開催される準決勝ということで東西のコンビのウケの違いなどはありましたか?
くるま『そこの違いは無かったですね。ただ、フィジカル面というか、ABCホールも初めてだったので、反響とかの感じを観たかったんです』
ケムリ『僕は建物が好きなので、ABCホールの下の控室から舞台袖までが螺旋階段だったのが嬉しかったですね!』
くるま『緊急出動感はあったよね! 男の子の好きな感じ!』
ケムリ『でも、控室からABCホールまでの距離が凄く遠くて!』
ここからは、ふたりで稲田堤駅・武蔵小杉駅・武蔵溝ノ口駅と例えを出していき、関東における沿線違いでの乗り換えの距離の遠さを掛け合いで喋っていく。ベタな感想で申し訳ないが、完全に漫才を観ているみたいだと聴き入っていたら、いつの間にか大阪は淀屋橋駅の地下鉄と京阪の乗り換えの話になっていた。
くるま『淀屋橋は祇園花月に行く時に距離が遠いし、天井が低いからちょっと鬱屈した気分になるんですよ(笑)』
―淀屋橋の移動と比べたら、ABCホールの螺旋階段の移動は良い感じだったんですかね?!
くるま『全然ひらけてましたよ! 淀屋橋はギチギチですから!』
インタビューの始めは、出番直後という事もあり緊張感が漂っていたが、そこは「M-1」チャンピオン。インタビューでも最高の掛け合いでしっかり爆笑させてくれて、流石の凄みに感動すら憶えた…。
夜8時。決勝進出者がABCホールで、南海キャンディーズ・山里亮太さんとダブルヒガシの3人司会のもと発表される。先程まで観覧客が座っていた客席に、準決勝進出全45組が座る。ABEMA生配信もあり、現場は独特の興奮と高揚に包まれていた。決勝進出12組が発表されて、選ばれなかった33組は即座にABCホールから出て行く…。
そこから、Aブロック金魚番長・ぐろう・ダウ90000・天才ピアニスト、Bブロック青色1号・エバース・フランスピアノ・やました、Cブロックかが屋・ぎょねこ・フースーヤ・令和ロマンと12組が振り分けられていく。何気ない話題からCブロックで、かが屋・加賀さんが「今日、楽屋でABCマガジンの取材を受けて・・・」と今回の密着取材について話していただき、すかさずそこでフースーヤ・田中さんも乗っかり、ABCマガジン取材に触れてくれた。突然の事にびっくりしてしまったが、密着取材の充実感を味わえて嬉しかった。
夜9時30分にもなろうという頃、一日密着が遂に終わった。この日、何度も足を運んだ控室に、インタビューで御世話になったダウ90000・かが屋・フースーヤ・令和ロマンの4組に決勝進出祝福の挨拶で向かう。加賀さんとフースーヤのお2人にはABCマガジンへのイジリの御礼もすると、田中さんは開口一番、『最高の宣伝になりましたね!』と満面の笑顔を見せてくれた。
21日深夜0時。長い長い準決勝の1日は終わった。東京組は、ここからバスで戻る。
決勝に進んだ12組はここからが本番。7月7日㈰昼1時55分から決勝生放送が始まるのを心の底から待ち侘びているし、“見たことないもんを見よか”と心の底から楽しみにしている。これを読んでいる皆様も絶対に観ていただけたらと思います。
「第45回ABCお笑いグランプリ2024」決勝戦は7月7日(日)午後1時55分よりABCテレビで生放送。ABEMAでも全国ライブ配信される。
(取材・文/鈴木淳史)
(企画・撮影/喜多ゆかり)