「『きたっ』となるとドーパミンがぶわって出る」自分の力では抜けられない!全てを失い、“犯罪”に手を染める人も… 当事者が語る「ギャンブル依存症等」の実態

ギャンブルを止めたくても自分では抑えが効かず、ついには犯罪に手を染めるケースも…。当事者たちが語る「ギャンブル等依存症」の恐怖に迫ります。

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奈良県にある「奈良ダルク」は、薬物やギャンブルなどの依存症を抱える人たちのための民間リハビリ施設。現在、およそ15人が利用しています。回復プログラムの核になっているのはグループミーティング。自分が依存症であることを理解し、向き合うために利用者同士が経験を語ります。

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「パチンコ・スロットで、身を滅ぼした。全てを失いました」と打ち明けるのは30代の男性。妻子がありましたが、パチンコにのめり込んで仕事が続かず、生活がままならなくなった彼は窃盗の罪を犯してしまうことに。逮捕され、離婚に追い込まれた辛い現実から逃れたいとさらにパチンコに通い、借金は100万円以上に膨れ上がりました。

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そのころの心境を「奈良ダルク」代表の加藤武士さんが丁寧に聞き取ります。「お金があって時間があるとき」「嫌なことから逃げ出したいと」などパチンコに引き寄せられていた当時の自分を分析しながら、真剣に向き合おうとする男性。

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もう1人、別の30代の男性は、現金を見るだけでわき上がるパチンコへの欲求を話します。1000円札が機械に吸い込まれていく様子が浮かび、「ドーパミンが出て、ドキドキドキドキする」。そして、施設に来て1か月が過ぎた今でも、お金を手にすれば「やっちゃうんじゃないか」と…。

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彼は現在、「奈良ダルク」でほかの入所者とともに生活しています。共同生活で人とかかわり合い、他人の体験を聞くことで自分に起こったことが整理され、話せるようになる。それが、回復における重要な過程のひとつだと加藤さんは話します。

【動画】「ギャンブル等依存症」の当事者だけでなく、家族や周囲の人にも深刻な影響が…。

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今、国内には推定275万人のギャンブル依存症患者や予備軍がいるーー。厚生労働省の研究データから導き出した驚くべき数字を明かすのは、群馬県「赤城高原ホスピタル」副院長の村山昌暢医師。周囲を騙すなどしてつくったお金をギャンブルで失い、どうしようもなくなって病院に来る人が多いといいます。

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お金を得るために罪を犯してしまう人も。去年、窃盗罪で逮捕され、拘置所に収容された50代の女性は、気晴らしのつもりで始めたパチンコにのめり込み、転売目的で17冊のマンガを万引き。パチンコ代を稼ぐためでした。

自分のお金だけでは足らず、娘や親のお金にまで手を出していたという彼女。娘の強い勧めで病院の診察を受け、「ギャンブル障害」と診断されて通院を始めた矢先の事件でした。

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万引きをしていた瞬間すら、頭の中はギャンブルのことだけだったと打ち明ける女性。拘置所の中で何度も反省文を書き、大切な娘や両親から奪ったものの大きさに気づかされたといいます。

出所後は、身元引受人となったグループホームの一室に暮らす女性。ギャンブルなどで失った時間を少しずつ取り戻しつつある彼女を支えるものとは?

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当事者が語る「ギャンブル等依存症」の実態は『newsおかえり』(毎週月曜〜金曜午後3:40〜)の特集コーナーで紹介しました。動画をABCテレビニュースの公式チャンネルで公開中!

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