兵庫・相生には、駅が近いわけでもないのに100年前から栄える巨大商店街があるそうだ。キーワードは「ペーロン」？ A.B.C-Zの塚田僚一と、ABCテレビのアナウンサー・古川昌希が噂の商店街に突撃した。

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相生市には兵庫県で山陽新幹線が停車する4駅のうちのひとつ相生駅がある。NDYの2人は、それだけ大きな駅なら駅前に商店街があっても当然と、さっそく相生駅周辺の探索を開始した。しかし、探せども一向に商店街らしきものが見つかる気配はなく、駅前の案内地図を眺めてみてもやはり見当たらない。

ここで古川アナが「相生ペーロン通り」という名のついた軽食店を発見し、話を伺ってみることに。店主の話によると、「ペーロン通り」とは今いる軽食店がある通りのことを言うのではなく、40年ほど昔、もっと海に近い場所で店を営んでいたときにつけた名前だそう。移転してきたこの地でもその名を使っているのだという。

「ペーロン」とは中国伝来の手漕ぎ舟競漕のことで、約350年前の江戸時代に長崎に伝わったといわれるもの。実は相生はペーロンが盛んであることがわかった。

その後の聞き込みで、駅から10～15分ほど南下したところに商店街があるという情報を掴んだ２人は、向かった先でようやく今回の謎である“ほんまち商店街”を発見した。ほんまち商店街は道幅が広く、かなりの長さのアーケードの中に様々なジャンルのお店の看板が見られる立派な商店街だった。

なぜ駅からこれだけ離れている場所にこれほど大きな商店街があるのか。お店の人に話を聞いたところ、この商店街は大正7年に生まれ、それからずっとこの地で存続している歴史ある商店街なのだそう。さらに、海のほうにヒントがあると教えてもらった塚田＆古川アナは商店街の先にある相生湾を目指した。

相生湾はまさにペーロンの海だった。競漕のコースにできるような長い内海があり、ペーロンのオブジェもある。これで理由がペーロンに関係するとすれば「そんなうまいこといく？」と疑念が湧くのも無理はないが、一応方向性を確認してみたところ、兵庫の歴史に詳しい姫路獨協大学の道谷卓先生の答えは「けっこうイイ線いってる」。まさかペーロンは関係ないだろうと予想していた2人は逆に頭を抱えてしまった。ここで道谷先生に海沿いを調べるとわかるというヒントを得た一行は、付近でひときわ異彩を放つ建物に注目、訪ねてみることにした。

そこは相生の特産品を販売するその名も「あいおい白龍（ペーロン）城」という道の駅だった。対応していただいた支配人の利根さんによると、ここから見える対岸に広がる複数の大きな工場は実はすべて同じ会社の工場で、その歴史は明治時代から続くものだそう。石川島播磨重工業という大型船や飛行機のエンジンなどを製造する会社だと古川アナが説明すると、塚田は「船を造るのとか関係してくるのかな」と考えを巡らせた。

すると利根さんは「いいと思いますね」とポロリ！　言った瞬間にしまったという顔を見せたが後の祭り。2人がこの言葉を聞き逃すはずもなく、ほぼ謎の核心に迫ったことを確信したのだった。

最終的に「相生湾には造船工場のほか様々な工場があり、そこで働くたくさんの人々の生活を支えるためにあいおい商店街ができた」と予想をまとめた２人。今年2度目の100点か思っていたようだが、道谷先生の評価はまさかの80点。ほとんど正解だという解答が減点された理由について道谷先生は「いらないことを付け加えている」と指摘。「様々な工場」があったわけではなく、造船所だけだったということだった。

また、道谷先生は重要な見落としがひとつあった点も挙げた。2人も行った場所のすぐ先には堤防があり、堤防には周囲と色が変わっている場所があった。対岸にも同じような痕跡があり、これは過去に両者が繋がっていた形跡を示すものだった。ちょうどこの場所は商店街をまっすぐ歩いてきた先であり、昔はこの場所から工場への浮き橋が架かっていたのだ。駅や街から造船所へ通う人々のための重要な橋渡しの場所だったそうだ。

1972年の全盛期には1日約1万人がこの橋を利用しており、対岸の造船所で働く人々のために、住居と巨大な商店街ができたというのが謎の巨大商店街の真相だった。また、相生がペーロンの街になったのは、造船のために長崎から移住してきた人たちが広めたからだった。

核心に迫りながら100点を逃し古川アナが「ごめんなさい」と平謝り＆悔しがる様子を見せた情報番組『news おかえり』の人気コーナー「古川×塚田のなんでやねん!?」3月26日放送回は、動画配信サービスTVerにて無料配信中だ。なお『news おかえり』は、毎週月曜～金曜午後3時40分よりABCテレビで放送中。